住宅のリフォームでよくあるのがシステムキッチンの交換です。使い勝手の良さで人気のあるシステムキッチンですが、古くなればどうしてもトラブルが発生します。
本記事をお読みのあなたも、お使いのキッチンの使い勝手が悪くなり、交換を検討していることでしょう。しかし、細かな予算がわからずに不安を抱えているかと思います。
本記事では、キッチンの交換に必要な費用を具体的に解説します。費用を抑えるコツも解説しているので、参考にしてみてください。
システムキッチンを交換するための費用
システムキッチンの交換をするための費用は100万円前後が相場です。内訳は商品代金と施工費。小規模なシステムキッチンであれば、70万円前後で交換できることもあります。
ただし、現在お使いのキッチンがハイグレードモデルの場合は要注意。使い勝手を維持するには、同レベルのグレードを購入しなければなりません。
また、ハイグレードは商品価格だけで100万を超えることがほとんど。施工費が加われば相場を大きく超えます。キッチンを安く交換したいと考えている人は気をつけてください。
グレードを落としてもいいですが、今まで使っていた機能性が失われると不満が残ります。 グレードの変更はしっかり検討してから決断しましょう。
システムキッチンを交換するべき症状
記事を読んでいる人のなかには、本当にキッチンを交換したほうがいいのか迷っていることもあるでしょう。以下では、キッチンを交換したほうがいいケースの例を解説していきます。
キッチンの使用歴が15年以上
キッチンの使用歴が15年以上の場合は交換を検討したほうがいいです。システムキッチンに備わっている設備の平均寿命は15年前後。現在のキッチンを15年以上使っているなら、ほぼすべての設備が劣化していると考えられます。
仮に現状の使用は問題なくても、遅かれ早かれトラブルが起きる可能性が高いです。キッチンが壁に面している場合は、隙間に見えない汚れが溜まっていることもあります。
古いシステムキッチンをお使いの人は、なるべく早めに交換することを考えてください。
掃除しても取れない汚れがある
掃除しても取れない汚れがあるときは、交換を検討したほうがいいでしょう。とくにコンロ周辺の状態は要チェック。頑固な油汚れやサビがあるときは、天板がかなり傷んでいます。
放置したままにしておくと、気がついたときには穴が開いていることがあります。一度穴が開けば、サビによる腐食も急速に進むので注意が必要です。破片でケガをするリスクがあるほか、衛生的にもよくありません。
キッチン全体の汚れ、劣化がひどい場合は交換を検討してみてください。
コンロが異常に加熱する
コンロが異常に加熱するときは、すぐに使用をやめて、早急にキッチンを交換しましょう。コンロが経年劣化しているほか、ガスや電気の配線周りに異常がある可能性があります。場合によっては火災といった事故につながるので注意しましょう。
ただし、キッチンの交換は商品選定から実際の施工まで日数が必要なこともあります。新しいキッチンを設置するまで調理ができないと、生活に支障をきたすこともあるでしょう。
まずはコンロの使用継続に問題はないか、業者に点検を依頼してみてください。
シンクから水漏れが起きている
シンクから水漏れが起きているときも、キッチンの交換が必要なことがあります。水漏れがまだ初期段階であれば、補修やパーツ交換で修復可能です。
ただし、シンク周辺がすでに腐食しているときは交換したほうがいいでしょう。放置すればするほど破損が広がり、後のリフォーム費用が高額になります。
シンクからの水漏れを発見した際は、すぐに腐食が発生していないかチェックしましょう。
システムキッチンの交換費用を抑えるコツ
システムキッチンの交換は、家計にとって大きな出費です。できる限り安く抑えることはできないかと考えている人もいるでしょう。
以下では、システムキッチンの交換費用を抑えるコツを解説していきます。
キッチンのレイアウトを変えない
システムキッチンの交換費用を抑える基本は、レイアウトを変えないことです。キッチンのレイアウトを変えてしまうと、必要に応じて柱の増設や、壁紙の張り替えが生じます。工数が増える分、施工費も高くなるので注意が必要です。
どうしてもレイアウトを変えたい場合は、キッチンの配置変えのみで済む案を考えるといいでしょう。ただし、自分でレイアウトを考えると、キッチンの動線が悪くなることもあります。
できれば、業者のコーディネーターに相談して、自宅の構造にあったレイアウトを考えてもらいましょう。
無駄なオプションはつけない
キッチンの交換費用を抑えたい人は、商品購入時に余分なオプションをつけないようにしましょう。システムキッチンには希望に応じて、さまざまな機能を後付けできることが多いです。
たとえば、手を触れずに水栓の開閉ができるタッチレス水栓など。確かにあれば便利な機能ですが、なくても調理には何の問題もありません。
他にも一見便利そうに見えて、たいして使わないオプションが多々あります。業者の営業トークに乗せられて、余計なオプションを選択しないようにしてください。
処分価格の商品を狙う
とくにこだわりがない人は、処分価格の商品を探してみるといいでしょう。システムキッチンも家電のような処分セールが行われることがあります。タイミング次第で格安の商品を見つけることが可能です。
処分セールは主に展示場や、メーカーの直売会などで行われています。問い合わせると、処分セールが行われる大まかな時期を教えてくれることもあるでしょう。
処分セールは直近で開催されないこともあるので、急ぎで交換する必要のない人は気長に待ってみてください。
部分的なリフォームに留める
状況によってはキッチン全体ではなく、部分的なリフォームもアリです。設備にもよりますが、部分リフォームだと10万~50万前後の出費で収まります。キッチン全体の交換よりも、大幅に出費を抑えることが可能です。
たとえば、コンロの調子が悪いだけなら、コンロのみを交換することができます。他の設備がまだ耐用年数内であれば、調理に何の支障もないでしょう。
部分的なリフォームで済ませたい人は、業者に交換が必要な設備を選定してもらってください。
キッチンリフォームの実績が多い業者を選ぶ
新たなキッチンの設置を依頼する業者は、なるべく実績が多い業者を選びましょう。キッチンのリフォームを多く手がけている業者は、独自の仕入れルートを持っている可能性が高いです。欲しい商品を格安で仕入れてくれることがあります。
ただし、地方の工務店などはWEBサイトがないことも多く、実績を確認できないことが珍しくありません。情報が得られない場合は、業者に直に問い合わせて過去の施工例を見せてもらいましょう。
自分のイメージに近い施工例があれば、見積もりも一緒に提示してもらうことで段取りがスムーズに運びます。
システムキッチンの交換で注意するべきこと
システムキッチンを交換するときは、いくつかの注意点があります。ただ何となくで新しいキッチンを決めてしまうと、大きなトラブルになることも少なくありません。
以下では、キッチンを交換する前に抑えておきたいポイントを解説していきます。
賃貸では消費電力を確認
賃貸や分譲マンションでは、新しいキッチンの消費電力を把握しておきましょう。基本的にマンションでは各部屋で使える電力の上限が決まっています。キッチンを新しくすることで、電力上限を超えないか確認してください。
とくにキッチンをIH化すれば、消費電力が大きく上がります。現状の生活で電力をギリギリまで使っている人は、IH化することが難しい可能性があるでしょう。電力上限を超えるケースは稀ですが、念のため確認が必要です。
管理会社に問い合わせれば、各部屋で使える電力の上限を教えてくれます。普段の電気料金の明細と照らし合わせて、余裕があるか確認してみてください。
メーカー保証を確認する
新しく購入するシステムキッチンを選ぶときは、メーカー保証について確認しましょう。大半の商品には初期不良や、購入後の破損に対応する保証がついています。万が一のトラブルに備えるには、保証内容を把握しておくことが大事です。
たとえば、新たなキッチンに調理器具を収納するとき、誤って落としてしまうことがあります。買ったばかりのキッチンの天板に傷が入っても、保証があれば無償で交換・補修ができるので安心です。
保証内容は商品やメーカーによって違うので、自分にあったものを選ぶようにしてください。
最新というワードに注意
リフォーム会社や、メーカーに問い合わせるときは「最新」というワードに注意しましょう。システムキッチンは、発売年数が数年違う程度では性能に大きな変化はありません。最新のシステムキッチンといえど、使い勝手が格段によくなるわけではないので気をつけてください。
悪い営業マンだと、最新という理由だけで高額な商品を推してくることがあります。営業トークに騙されないように、商品選定は旧式の商品も含めてチェックしましょう。
各メーカーに問い合わせれば、無料のパンフレットをもらえます。近隣に実際の商品を見れる展示場があれば、足を運んでみてもいいでしょう。
キッチンを購入するときは、自分で納得した商品を購入することが大事です。
システムキッチンは工夫次第で安く交換可能
システムキッチンの交換費用について解説してきました。キッチンの交換は決して安い買い物ではありません。しかし、工夫次第で大きく出費を抑えることができます。
安くキッチンを交換したい人は、ぜひ本記事で解説した内容を参考にしてみてください。当初の予定よりも費用を抑えることができるはずです。