洗濯物が干しにくい、ベランダでくつろぎたい、ベランダでガーデニングをしたいと思ったときに試して欲しいことが屋根付きベランダの後付です。屋根付きベランダは後付できるのですが、知らなかったという人も多いでしょう。
また、既存のベランダに屋根だけを後付することも可能なので、ベランダ関連でお悩みの人は一度後付を検討してみましょう。今回は屋根付きベランダを後付する費用や、屋根だけ後付する費用などを説明していきます。
屋根付きベランダを後付するときの注意点やベランダを広く使うテクニックも説明していくので、ぜひ参考にしてください。
屋根はベランダに増設できる
ベランダに屋根が付いていなくて困っている場合は屋根を後付してしまいましょう。特に南や南東側にベランダがある場合は、日差しが強く入ってしまうので部屋が暑くなる可能性があります。
屋根の影響で部屋に日差しが入りにくくなりますが、ベランダは遮熱対策にも抜群の効果があります。反対に北や北西側の場合は室内が冷えやすくなるので、ベランダを付ける場合はよく考えましょう。
屋根をベランダに後付する費用
本体価格 | 施工費 | 合計 | |
発生費用 | 10~70万円 | 3~5万円 | 13~75万円 |
屋根をベランダに後付するときに発生する費用は「本体価格」と「施工費」の2つです。選ぶベランダによって料金にばらつきがありますが、安いものを選んだ場合は施工費と合わせて13万円程度に抑えられます。
ただし、ベランダを後付するときの費用は、広さやベランダの状態によっても変わってきます。住んでいる物件によって費用が変わるため、事前に予算は業者に相談しておきましょう。
屋根付きベランダを後付する設置方法
ここからは屋根付きベランダを後付する設置方法をご紹介していきます。屋根付きベランダを後付する場合は設置方法でも費用は変わってくるので、予算に合わせて選びましょう。
簡易的な方法
すでにある窓の外にベランダを後付することも可能です。もともとあった窓を利用するので、安価でベランダを後付できます。ですが、元々の住宅の外観に合わせにくいというデメリットもあります。
柱建て式
ベランダを柱で支える設置方法で、強度的に強く安心して使えるベランダになります。柱を建てる必要があるので、庭の上にベランダが来ることが一般的で、庭の使い勝手が悪くなる可能性があります。
ですが、屋根付きの庭ができると考えて雨に濡らしたくないものを置くスペースにすると良いでしょう。
壁につけるタイプ
柱を建てないで壁にベランダをつけることも可能です。庭のスペースを奪うことなく設置できるので解放感のある庭のままになります。ですが、ベランダを家の壁とくっつける工事で、強度を出すことが難しく費用が高くなる可能性があります。
1階の屋根を使う
窓の下に屋根がある場合は、屋根に置くタイプのベランダを選ぶこともできます。屋根に置くタイプのベランダは費用を抑えられるので、スペースがある場合はおすすめです。
また、屋根の上に柱を乗せてベランダを建てるので、柱建て式と同じく強度もあり安心して使えます。
今のベランダを拡張する
今のベランダの手すり部分を取り、新しいベランダと繋げることも可能です。ベランダを広くしつつ屋根を取り付けられるので、使用用途が広がります。
ベランダを拡張する場合は、強度を保つために柱を増やす可能性もありますし、家のバランスが変わって重たく見える可能性もあります。ベランダだけで考えるのではなく全体的なバランスで見ていきましょう。
L字型のベランダ
複数の窓を利用してL字型のベランダを設置することも可能です。窓の数が足りない場合は窓を新しく作ることもできます。L字型のベランダは広々としていて、布団や洗濯物をたくさん干せますし、園芸なども可能です。
ただし、窓を新しく設置したり広いベランダが必要になるので、かかる費用は高額になってしまいます。
1階を増築する
1階を増築して、その上にベランダを設置することもできます。ベランダだけを後付するよりも大規模なリフォームになってしまいますが、1階の部屋を広くした上で、2階に効率よくベランダを設置できるので、使い勝手は良くなります。
ベランダだけを後付するよりも費用が大きくなりますが、好みのデザインでベランダを作れますし、強度面も安心です。
屋根をベランダに後付するときの注意点
ここからは屋根をベランダに後付するときの注意点をまとめていきます。リフォーム業者に相談する場合でも注意点を知っておくことで失敗が減らせるので確認していきましょう。
部屋の向きによっては屋根がいらない可能性がある
先ほども簡単に説明しましたが、北向きの部屋の外にベランダがある場合は屋根をつけてしまうと日差しが入りにくくなってしまいます。暗くて寒い部屋になってしまうことが多く、冬の暖房代が今までよりかかる可能性があるのです。
北向きの部屋の外にしかベランダがない場合は、ベランダの場所を移動するリフォームをした方が結果的に発生する費用が抑えられることもあります。
屋根のサイズと角度に気をつける
ベランダの屋根のサイズは、物干し竿との距離が重要です。屋根の軒先が、洗濯物を干す位置から30~50メートル奥に来るように屋根を選びましょう。
また、屋根の角度が急だと風の影響を受けやすくなってしまいますし、逆に角度が緩すぎると屋根にゴミが溜まりやすくなり、頻繁に掃除をしなくてはなりません。
強風が吹きやすい地域、雨が振りやすい地域、日当たりの良さ悪さなどの環境に合わせて屋根を選ぶと失敗しにくくなります。自分で判断しにくい場合は地域のリフォーム業者に相談すると良いでしょう。
雨音が気になる可能性がある
ベランダに屋根を後付すると、今までよりも雨音が大きくなってしまいます。台風のときや豪雨のときはうるさすぎて眠れないこともあるので、寝室が隣接するベランダには屋根はつけないほうが良いでしょう。
また、屋根の立て付けが悪くなってくると、風の影響を受けやすくなり音がうるさくなってしまうので、定期的なメンテナンスが必要になることも忘れないでください。
屋根を後付するときはベランダも広いものに変更しよう
ベランダに屋根を後付するときは、今使っているベランダの広さも重要になってきます。狭いベランダに屋根だけ後付しても、圧迫感を感じてしまい、使い勝手が良くならないことも多いのです。
なので、今のベランダのサイズに不満を持っている場合は屋根を後付するタイミングでベランダも増築することをおすすめします。
デザインや機能を加えると便利でおしゃれなベランダになる
一般的にベランダはリビングや寝室、プライベートルームなどに隣接しています。なので、気分転換やリラックスができる空間になるように、ガーデンテーブルや椅子を設置できるスペースに変更することもおすすめです。
日当たりが良い場所の場合は家庭菜園や第二のリビングとしてベランダでくつろぐこともできます。庭が狭い場合や、庭のスペースがない住宅の場合はベランダを有効活用することでお家時間が楽しくなります。
ベランダを広くするときの費用
工事種別 | 合計費用 |
ベランダを拡張して屋根を付ける | 30万~60万円 |
屋根付きベランダに交換する | 40万~85万円 |
屋根付きベランダを新設 | 50万~80万円 |
ベランダを広くするときにかかる費用は、ベランダをどのようにリフォームするのかによっても変わってくるので1つ1つ見ていきましょう。
ベランダを拡張して屋根を付ける
今のベランダを広くして屋根を付ける場合に発生する費用は30万~60万円程度です。既存のベランダの材質によってリフォーム費用は変わってきます。
ベランダでくつろげるようにするにはベランダの床部分をウッド調のデッキ材に変更することも可能です。選ぶ材質によってカフェのようなベランダにもできますし、費用を抑えたいときにおすすめです。
屋根付きベランダに交換する
既存のベランダが腐食していたり、傷んでいる場合にはベランダごと交換した方が安全な場合もあります。既存のベランダを撤去して支柱を設置して工事を行う必要があるので、ベランダを拡張して屋根を付けるよりも発生する費用は高く40万~85万円ほどかかります。
既存のベランダが傷んでいなければ拡張して屋根を取り付けた方が安く抑えられるので、リフォーム業者にベランダを見てもらってから選びましょう。
屋根付きベランダを新設
ベランダがない場所に屋根付きベランダを新設することも可能で、発生する費用は50万~80万円です。選ぶ素材や設置場所によってかかる費用は変わってきます。
屋根付きベランダを新設する場合は、雨音が気になる可能性や日差しを遮る可能性も考慮して選ぶようにしましょう。
ベランダ屋根の種類ごとについてはこちらで解説しています
ベランダを広々と使うコツ・テクニック
最後にくつろげる、リラックスできるベランダにするためのコツやテクニックをご紹介していきます。闇雲に広くして雑貨を並べても快適なベランダにはなりません。
また、ベランダは雨風にさらされることも考慮してデザインしていく必要があるので、ぜひ参考にしてください。
棚やラックで高さを出す
鉢植えなどをベランダの床に直接置いてしまうと、室内からは見えなかったり、ただ並べているだけのように見えてしまいます。なので、小さい棚やラックで高さを出してから設置するとおしゃれなイメージになります。
ベランダに室外機が置いてある場合は、室外機カバーを使うことでベランダは一気におしゃれにできます。木目調の室外機カバーを使い、上にプランターなどを飾れば室外機も隠せて、プランターも置けるのでスペースを有効活用できます。
テーブルや椅子を利用する
ベランダにテーブルや椅子を置いてくつろげるカフェスペースを作ることは可能ですが、テーブルや椅子を置くとかなりのスペースを取ってしまいますし、そもそも広いスペースがない場合は諦めるしかありません。
そんなときにはベランダと部屋を一体化して、室内からでもベランダ側からでも座れるように室内のベランダ側の端っこに背もたれのないベンチを置くことをおすすめします。
ベランダの扉閉めているときは、室内側から座れますし、扉を開けたらベランダ側を向いて座ることも可能です。ベランダを部屋の延長として使うため部屋自体が広く演出できます。
グリーンを置いてくつろげる空間にする
棚やラック、テーブルの位置を決めたら可愛い小物で飾り付けをして、くつろげるベランダにしていきましょう。グリーンを置くときは、一度に大量のものを選ばないで徐々に増やしていきましょう。
グリーンを選ぶときは住んでいる地域の気候を考慮した上で、まずは1年中楽しめてお手入れが簡単なものをおすすめします。アイビーやワイヤープランツなどは、ハンギングしたプランターから垂らしたり壁に這わせることも可能なので、スペースを取らないで設置できます。
また、育てやすい観葉植物は高さやボリューム感も出せるので、くつろげる空間には欠かせません。スペースを取りすぎないように徐々に設置していくと失敗しないので忘れないようにしましょう。
ライトを置くとおしゃれさが増す
グリーンにプラスしてライトも設置すると、夕方や夜に室内から見ても素敵なベランダを演出できます。ストーンデザインのライトは植物との相性もよく、さり気なく溶け込むのでおすすめです。
また風が強くても飛ばされにくいという特徴もあるので、ライトに悩んでいる場合はストーンデザインのライトを選んでみましょう。またランタン風のライトは置くだけでおしゃれなカフェのようになります。
1個だけでは寂しいので、複数置く必要がありますが、ストーンデザインのライトやランタン風のライトを合わせてベランダに置いて落ち着く空間を目指しましょう。
100均グッズで可愛さをプラス
ベランダに置く雑貨選びに困っているときは100均に足を運んでみることもおすすめです。園芸品やDIYコーナーにはベランダに置くのにおすすめのアイテムがたくさんあります。
木箱や植木鉢、転写シールなどを使ってオリジナル雑貨を作ってからベランダに設置しても良いですし、小さな鉢植えやフェイクグリーンを並べてもおしゃれな空間になります。
おわりに
今回はベランダに屋根を後付する費用や、後付するときの注意点をご紹介してきました。屋根をベランダに後付するときは13万~75万円程度の費用がかかると覚えておきましょう。
また部屋の向きによっては屋根を後付すると日当たりが悪くなったり、雨音が気になって眠れなくなる可能性があることも考えて、ベランダに屋根を後付するのか決めていきましょう。
ベランダに屋根を後付する場合は、ベランダを広くリフォームすることもおすすめです。後付だけするよりも費用はかかってしまいますが、快適な空間を家に作れるので、家にいる時間が楽しくなりますよ。