外壁塗装・外壁

ジョリパットを綺麗に保つメンテナンス方法|劣化時の3つのチェックリスト

ジョリパットは、アイカ工業が販売する外壁材の一種で、おしゃれな見た目であることから新築時の外壁素材として最近人気の製品です。

このジョリパットはやや汚れがつきやすいなどの特徴があることから、メンテナンスが必須です。では、どのようにメンテナンスをすれば良いのでしょうか。

今回は、ジョリパットのメリット・デメリットをご紹介するとともに、メンテナンスの時期やメンテナンス方法、費用について詳しく解説していきます。今後メンテナンスをご検討の方は、ぜひ参考にしてみてください。

ジョリパットとは

ジョリパットは、アイカ工業が販売されている商品で、約40年にわたって使用されてきたアクリル系の壁仕上げ剤です。

防火性・防カビ・防藻性に優れており粘り気があるのが特徴で、その特性を生かしローラーやコテで仕上げる他に、水で薄めて吹き付け仕上げにも使われる等、用途も様々です。

フランス語で「美しい」という意味の「jolie/joli(ジョリー)」と英語の「材料」の意味である「putty(パテ)」からその名前が付けられました。「ジョリパッド」と誤表記されることが多いので、注意してください。

ジョリパットの耐久性

ジョリパットは、一般的な外壁材に比べそれほど高い耐久性がある素材ではありません。耐久性が高くない理由は、表面の汚れがつきやすいこと、ざらつきが剥がれやすいことなどが挙げられます。

「メンテナンスフリー」と言われる素材であっても実際はメンテナンスが必要ですが、ジョリパットはこれらの素材よりもメンテナンスの頻度が高いと覚えておきましょう。

美しい仕上がり

ジョリパットのメリットは、何と言ってもその豊富なデザインと種類にあります。塗り壁の落ち着いたマットな仕上がりがとても美しく、種類が豊富なためお好みのデザインをチョイスできることが魅力です。

ジョリパットは艶が出ないため、ざらついた温かみのある質感を出したい方にはおすすめです。

やや汚れが付きやすい・・・

ジョリパット のデメリットは、壁の表面に細かな凹凸がそのまま残るため、艶ありタイプと比べてやや汚れが付きやすいことが挙げられます。特に明るめの色を選んだ場合は汚れが目立ちやすく、細かなメンテナンスが必要になる場合があります。

また、ジョリパットは本来のざらついた質感を表現するために艶消し塗料を用いますが、艶消し塗料によって施工すると通常より耐久性が落ちることがあります。

ジョリパットはデザイン面では優れていますが、その分メンテナンスも必要な素材と言えるでしょう。

綺麗に保つために必須な塗料と費用相場

ここでは、ジョリパットのメンテナンス内容と費用をそれぞれ解説していきます。塗装内容によって施工内容や費用は異なるので、自宅の状態に合わせて選びましょう。

耐久性重視なら艶あり塗装

コケや汚れが非常に気になったり、少しでも汚れのつきにくい仕上がりにしたい場合は、艶あり塗料がおすすめです。この手法にすると耐久性のある壁に仕上がります。

艶あり塗装のメリットは、種類が豊富であり、耐用年数や金額、機能などから自分好みのものを選べることです。また艶あり塗装は汚れが水と一緒に流れやすいため、お手入れも比較的簡単です。

艶あり塗装のデメリットは、塗膜を張ってしまうため、ジョリパット本来のざらざらとした質感が失われてしまうことです。艶あり塗装にしても完全に表面が平らになってしまうわけではありませんが、外観を重視したい場合は艶なし塗装を選ぶと良いでしょう。

①艶あり:SPパワーフッ素

出典: https://www.kikusui-chem.co.jp/products/p112.html

耐用年数費用相場(㎡あたり)
15~20年4,000~5,000円

SPパワーフッ素は、一般的な塗料の中でも耐久性に優れたフッ素塗料で、耐用年数は15〜20年ほどあります。

単価相場は1平方メートルあたり4,000~5,000円と高めではありますが、雨と一緒に汚れを流してくれる「超低汚染性」機能や、見た目を損なうカビコケ藻が着きにくい「防藻・防カビ性」機能などを備えており、コストパフォーマンスに優れています。

艶あり塗装で耐久性を重視したい方におすすめです。

風合い重視なら艶なし塗装

ジョリパットのざらついた雰囲気を残したい、艶のないマットな風合いを保ちたいという場合は、艶なし塗料がおすすめです。元のデザインを最大限生かしたマットでおしゃれな仕上がりになることが艶なし塗装の最大のメリットです。

一方、艶なし塗装は細かな凹凸がそのまま残るため、艶ありタイプと比べてやや汚れが付きやすいというデメリットがあります。また、艶消し材を混ぜる塗料だと、通常より耐久性が落ちることもあります。

デザイン性を重視したい方におすすめの塗装方法です。

②艶なし:グラナダフレッシュ

出典: https://www.kikusui-chem.co.jp/products/p199.html

耐用年数 費用相場(㎡あたり)
10~13年2,300~3,500円

おしゃれな質感を保つ艶なし塗装であれば、ジョリパットのような高意匠の塗り壁のために開発されたグラナダフレッシュをおすすめします。

この塗料は細かな凹凸にまんべんなく入り込むため、独特の風合いを損ねることなく綺麗に仕上がります。また、外気の湿気を逃がしやすく、塗った後の素材の伸縮による剥がれを防いでくれます。

艶なし塗装を希望する場合は、こうした高意匠外壁専用の塗料がおすすめです。

ジョリパットのメンテナンス必要時期

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上述したとおり、ジョリパットには細かなメンテナンスが必要です。ここでは、ジョリパット塗装の時期や劣化状況の確認方法について解説します。

築5年以上での塗装がベスト

ジョリパット外壁は、築5~8年までの塗装をおすすめします。

築5年を過ぎてくるとカビコケの繁殖や汚れの付着、細いひび割れなど、劣化の初期症状が始まるため、このくらいの時期に業者に依頼すると安心です。

外壁の大きなひび割れや欠け落ちが発生すると、元の状態に完全に修復することが難しく、どうしても補修跡が目立ちやすくなってしまいます。

状態が悪くなる前にメンテナンスをすることが長持ちの秘訣です。

劣化状況のチェックリスト

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ジョリパッッドの劣化状況は、主に3つのパターンがあります。1つでも当てはまったらメンテナンスを行うようにしましょう。

  • 水を弾かなくなる
  • カビやコケが繁殖する
  • ひび割れ

①水を弾かなくなる

ジョリパッッドの表面は水を弾きますが、劣化が進行してくると水をかけても弾かなくなり、中に染み込んでしまいます。

表面が劣化していなければ水をかけたときに壁から水玉が落ちていきますが、劣化している状況だと壁表面の色が濃くなり、じわっと染み込んでいきます。

これは水を弾く役割を果たしていた表面の塗装が紫外線で劣化したことにより生じるもので、南面や日当たりの良い部分で特に頻繁に見られます。

②カビやコケが繁殖する

北面、日陰になりやすい場所では、壁にカビやコケが繁殖しやすくなります。これはジョリパットが水を含み続けたせいでカビやコケの胞子が表面に付着してしまうことにより生じます。この胞子の根はどんどん壁を侵食し、ジョリパットを弱らせてしまいます。

繁殖が進むと高圧洗浄でも取りきれなくなることがありますので、早めの対策が必要です。

③ひび割れ

壁の角部分やサッシ部分、ドアの周辺ではひび割れが発生することがあります。このひび割れもジョリパットの防水効果が失われることで起こります。

ジョリパットが水を弾かなくなると、外部の水を吸い込みんで膨張し、乾燥すると縮んで元に戻ります。この伸縮を繰り返すうちにジョリパットに負荷がかかり、ひび割れが発生するのです。

ひび割れは目で見てわかりやすいので、定期的な点検をしておくと良いでしょう。

ジョリパット外壁のリフォームにおける注意点

ジョリパット外壁のリフォームでは、以下の2点に注意する必要があります。

弾性塗料、伸縮性塗料は避ける

「弾性塗料」「伸縮性塗料」と言われる、ひび割れに追従してしっかり埋めてくれるタイプの塗料が販売されていますが、これはジョリパット外壁には合わないため避けるべきです。

これらの塗料はジョリパットの細かな凹凸のすき間に空気が残ってしまい、年数が経つとそこから膨れてしまうからです。

空気が残ってしまうと表面に気泡が浮き出てくるため、見た目が悪くなります。不具合を避けるためにも弾性・伸縮性塗料は避けましょう。

ヒビが出る前に塗装する

ジョリパットはひび割れの補修跡が残ってしまう場合があるため、ひび割れする前に塗装するのをおすすめします。

ジョリパットは繊細な凹凸模様が良い質感を出しますが、ひび割れの補修材を上から入れると、どうしてもそこだけ質感が変わってしまい、統一感に欠けます。

大きなひび割れは補修材の量も多く使う必要があるため、ミミズ腫れのように目立ってしまう可能性もありますので、早めの点検・メンテナンスを心がけましょう。

ジョリパット外壁を扱うメンテナンス業者の選び方

ジョリパットの塗装は施工業者の知識・経験が非常に重要になります。施工した写真や工事中の写真を見せてくれる業者を選ぶと良いでしょう。

下請けに任せきりにしている会社だと、ビフォーアフターの写真は持っていても、工事中まではなかなか記録を残していないものです。実際に工事をした知識・経験があるか判断する材料にもなるため、ぜひ施工写真を見せてもらいましょう。

また、塗料や施工の費用や単価は業者によってまちまちです。見積もりを行う際は複数の業者に依頼をし、比較できるようにしておきましょう。

ジョリパット劣化を保つ方法まとめ

ジョリパットは見た目がとても綺麗ですが、どうしても劣化にはあらがうことはできません。この記事を読んで少しでも綺麗に保てる方法がわかれば幸いです。