外壁の塗装は、建物の見た目を保つ目的や防水性を保つ目的などで行われます。その作業の中に高圧洗浄があるのですが、一体なぜ必要なのでしょうか。この記事では、塗装前に洗浄する理由や注意点、費用などについて紹介します。
塗装前の洗浄にはきちんとした理由がある
外壁塗装前に洗浄する理由は、外壁に付いている汚れやホコリを取り除くため。塗ったばかりの外壁は綺麗ですが、年を重ねるにつれて汚れやホコリが付着します。ジメジメした場所であれば、コケが付いているかもしれません。
そのような状態のままで塗装すると、塗料の密着感が悪くなってしまう恐れがあります。そもそも、外壁が汚れたままだと見た目も悪いことから洗浄します。
どんな流れで行われる?
理由を知った上で、次はどのような流れで進められていくのか見ていきましょう。洗浄の流れとしては、主に3つのステップがあります。
①飛散防止シートを設置
まずは飛散防止シートを設置します。自宅に高圧洗浄機がある方なら分かると思いますが、作業している最中は水が飛び跳ねてしまいます。これは業者が使う高圧洗浄機も同様であり、シートを設置していなければ周辺住宅に迷惑を掛けてしまうかもしれません。そのようなことを防ぐために、飛散防止シートを設置します。
②機械の準備
飛散防止シートの設置が完了したら、次は高圧洗浄機の準備へ。タンクに大量の水を貯め、ホースの設置といった準備を行います。「大量の水が必要だと、水道代が…」と不安になるかもしれませんが、そのことに関しては後ほど紹介します。
③準備を終えたら洗浄開始!
準備が終われば、洗浄作業が始まります。事前に相談しておけば、外壁だけではなく、屋根もしてもらえるでしょう。自分ではしにくい場所だからこそ、この機会に外壁と合わせて綺麗にしてもらうのがおすすめです。
高圧洗浄してもらう際はココに注意!
業者にしてもらう際は、以下のような注意点があります。トラブルに巻き込まれないためにも、しっかりと読んでおきましょう。
全ての業者がしてくれるとは限らない
高圧洗浄は、全ての業者が必ずしてくれるわけではありません。昔ながらの業者によっては、この作業を行わない可能性もあります。
ただ、高圧洗浄機を使ったほうか時短かつ綺麗に汚れやホコリを落とせることから、そのような業者の場合は一旦考え直したほうがいいでしょう。もちろん、使わないからといって悪徳な手抜き業者とは限りません。
無料サービスは危険な誘い
どんな方であれ、できる限りコストは下げたいと思っているはず。そのため、無料サービスがあれば、ついつい依頼したくなるかもしれません。しかし、そのようなお得なサービスは危険な誘いと言えます。もし安さ重視で考えているのであれば、この機会に一旦考え直しましょう。
安すぎる業者は塗料の質が悪かったり技術が乏しかったりなどの問題を抱えている場合があります。後ほど相場について紹介しますが、業者を選ぶ際はその相場に近いところを選ぶようにしましょう。
業者の選び方に関しては、担当者の対応や見積もりの結果などがポイントとなります。しっかりとチェックすることで、信頼できる業者が見つかりやすくなり、結果として満足できる結果を出してくれます。
ちょっとした隙間もしっかり養生
実際に行う際は、しっかりとした養生が必要です。なぜなら、ちょっとした隙間から水が家の中へ入ってしまう恐れがあるため。また、インターホンが水に濡れて故障してしまう可能性も考えられることから、こちらも養生してもらうようにしましょう。
高圧洗浄機には近づかない
業者が使う高圧洗浄機は威力が強く、水の勢いで指が切断されてしまうほどの危険性があります。また、エンジン式であれば排気ガスが出るため、長時間室内で起動させていると一酸化炭素中毒になってしまうかもしれません。
このような危険があることから、業者もさまざまなことに気をつけて行います。どのように洗浄されているのか気になるかもしれませんが、高圧洗浄機には近づかないようにしましょう。
十分に乾燥させない業者は注意
外壁を綺麗にしてすぐに塗装することはできず、十分乾かした後に塗装作業へ入ります。乾いていない段階で塗装しても、塗料と外壁の間に水が入って綺麗な見た目にならない恐れがあります。
乾かす期間は最低でも24時間必要で、一般的には2日間ほど開けた上で塗装が始まります。もし乾燥させていない段階で作業に入ろうとしている場合は、その職人の技術力がそこまで高くないという証になるでしょう。
高圧洗浄には3つの種類がある
もう少し知りたい方向けに、次は高圧洗浄の種類について紹介します。主に3つの種類があり、それぞれメリット・デメリットがあります。各項目で詳しく紹介していますが、簡単に見たい方は以下の表をチェックしてみてください
メリット | デメリット | |
ストレート噴射 | 洗浄力が高い | ガンコな汚れには不向き |
トルネード噴射 | 水が飛散しにくい 威力が強い | 怪我する恐れがある |
バイオ噴射 | ガンコな汚れに強い 洗浄後に汚れが付きにくくなる | 費用が高い |
一般的なストレート噴射
一般的なストレート噴射は、屋根や外壁に用いられる噴射方法。高圧の水を噴射することから、洗浄力が高いという利点があります。ただし、落としきれない汚れもあり、ガンコな汚れの場合は綺麗にならないかもしれません。もしそのような汚れがある場合は、後ほど紹介するバイオ噴射が良いでしょう。
水が飛散しにくいトルネード噴射
トルネード噴射は基本的に屋根で使われるものであり、ストレート噴射よりも強力な水圧で汚れを取り除きます。しかし、強力すぎるがゆえに怪我する恐れがあり、気をつけて使用しなければなりません。
ガンコな汚れはバイオ噴射
なかなか取れない汚れがある場合は、バイオ噴射が適しています。バイオ洗浄剤を用いて洗浄する方法であり、ストレート噴射やトルネード噴射とは少し異なるもの。費用はかかりますが、その分ガンコな汚れに強く、洗浄後の汚れも付きにくいです。
ノズルは洗浄場所によって異なる
ノズルに関しては、ロングガンとショートガンの2つがあります。ロングガンは勢いが強くて遠くまで噴射できることから、屋根の上といった場所向け。一方のショートガンは、近距離向けということもあり、外壁の汚れを落としたい時に適しています。
実際にしてもらう際の費用と時間
洗浄してもらう際は、外壁・屋根を問わず1平方メートルあたり100〜300円が妥当。水道代に関しては、依頼主の負担となります。といっても、作業中ずっと水を出しっぱなしにするわけではありません。また、日本の水道料金は世界と比べて安く、そこまで大きな負担とはならないでしょう。
作業時間に関してですが、高圧洗浄だけであれば1日のうちに終わります。ただし、乾燥させないといけないことから、そのことを含めると最低でも2日間かかることになります。このあたりは業者によって異なるため、事前にどのくらいかかるのか聞いておくと良いでしょう。
外壁塗装前の高圧洗浄は必要なこと!
今回の記事では、洗浄を行うワケや作業の流れなどについて紹介しました。注意点もありますが、この作業は綺麗な塗装を行う上では必要なことです。さらに詳しく高圧洗浄について知りたい方は、気になる業者に相談してみましょう。優良な業者であれば、お客様のことを考えてきちんと答えてくれるでしょう。