古い住宅の場合、浴室が昔ながらのタイル貼りのことが多いでしょう。使用には問題ないものの、古臭さが嫌になるのはよくあることです。とはいえ、大がかりなリフォームをするほど予算に余裕がないことも。
低予算で浴室を改装するには、パネルの設置がおすすめです。おそらく、あなたもパネルを設置したくて、本記事にたどり着いたことかと思います。
本記事では、浴室にパネルを設置するための費用を具体的に解説します。自分でパネルを設置する手順も解説しているので、参考にしてみてください。
浴室にパネルを設置するための費用
浴室の壁にパネルを設置するための費用は、工法などによって異なります。以下では、状況別の費用相場を解説するので参考にしてみてください。
既存の壁の上に貼り付ける場合
パネルを既存の壁の上に貼り付ける場合、10万円前後が相場です。ただし、状況によっては相場より高額になることも珍しくありません。
たとえば、浴室の面積が広い場合です。必要なパネルが増えるため、パネルの種類によっては20万円近くなることもあります。
また、浴室が汚れている場合、業者によるクリーニングが行われるため、洗浄代もかかるでしょう。費用を抑えるためには、あらかじめ自分で浴室をキレイに清掃しておく必要があります。
既存の壁を撤去する場合
既存の壁を撤去してパネルを設置する場合、15万円ほどが費用相場です。壁の撤去作業と、廃材の処分費用が加算されます。家の構造によっては、補強などが必要となり、余分に費用がかかるため注意してください。
とくに古い住宅の場合、浴室の壁を分解するときに他の構造に影響が出ることがあります。ときには壁の撤去が難しいこともあるでしょう。
壁の撤去が可能かどうかは、事前に業者に確認してもらってください。
浴室天井の交換を検討する場合
浴室の天井を交換する場合は、パネル以外にもフィルムを張り付けるタイプがあります。
上張りしたり、好きなサイズに調整して貼り付けるなど、デザイン面、施工面でも比較的楽なのが特徴です。
コストもパネル交換よりも安価に済むことがあるので、予算に余裕を持たせたいときはフィルム交換も視野に入れてみるといいでしょう。
浴室天井の交換について詳しく知りたい方はこちら
浴室天井を交換・張り替えたい方必見!パネルとフィルムの相場とは?
DIYで浴室にパネルを設置する方法
記事を読んでいる人のなかには、DIYを得意としており、自分でパネルを設置したい人もいるでしょう。慣れた人であれば、DIYでパネルを設置するのも難しくはありません。
以下では、パネルを設置する手順を具体的に解説していきます。
パネル設置に必要な道具をそろえよう
まず、パネルの設置に必要な道具を紹介します。最低限必要な道具は以下のとおりです。
- 必要面積分のパネル
- パネル専用接着剤
- 型紙
- 部材(見切り材・入隅材・出隅材・ジョイント)
- 工具(カッターナイフ・物差し・コーキングガン・モンキーレンチ)
- シリコン剤
以上がパネル設置に必要な道具です。いずれも専門店、インターネット経由で購入することができます。作業中は汚れることも多いため、人によっては手袋や作業着なども用意するといいでしょう。
注意点はパネル専用接着剤についてです。パネルはメーカーによって指定の専用接着剤を購入しなければなりません。設置予定のパネルに使う接着剤に間違いがないか、購入前に確認しておきましょう。
パネル設置の邪魔になる設備を外す
道具を揃えたら、パネルの設置作業に入る前に邪魔になる設備を取り外しましょう。具体的には蛇口、シャワーなどです。通常の蛇口であれば、モンキーレンチでカンタンに外すことができます。
蛇口部分にパネルを設置しない場合は、外さなくても作業は可能です。しかし、パネルの移動を阻害する恐れがあります。作業をスムーズに行うためには、外せる設備はすべて外したほうが無難といえるでしょう。
見切り材を設置する
蛇口などを外したあとは、まず見切り材、入隅材を設置しましょう。どちらもパネルを設置するための土台パーツです。見切り材は下、入隅材は側面角に使用します。
見切り材、入隅材はメスとオスの2パーツありますが、最初にメス側をパネルの裏面に来る位置に仮置きしてください。水平に置くことができれば、パネルも正常に収まります。
問題なければ、カッターナイフで 見切り材、入隅材を設置予定個所にあわせて切り出します。物差しで正確に採寸して、サイズをあわせてください。
切り出しが終わったら、見切り材、入隅材のメス側のみを接着剤で浴室に固定しましょう。オス側はパネルをはめた後に接着するので、先に接着しないように注意してください。
ちなみに壁に出窓などの空間がある場合は、出っ張り部分に出隅材を同じように接着してください。出隅材を使うことで、角部分を強く保護することができます。
パネルを加工する
次はパネルを加工しましょう。まず、型紙で浴室の壁を採寸します。物差しでも採寸はできますが、型紙を使ったほうがより確実です。
浴室の壁にあわせて型紙を切り出したら、パネルに当てはめてマーキングします。終わったらマーキングに沿って、カッターナイフでパネルを切り出していきましょう。
カッターナイフに物差しを沿えて、キレイな直線になるようにしてください。1回で切れない場合は、何度もなぞるように切れ込みを入れると断面も平らになります。
パネルの切り出しが終われば、浴室に仮置きしてサイズを確認しましょう。サイズが大きければ、断面を削り微調整を行います。壁にキッチリ収まるようになれば、加工は完了です。
壁に下処理を施す
パネルの加工が終わったら、壁に下処理をしていきます。コーキングガンを使って、壁に接着剤を塗っていきましょう。ジグザクを描くように塗ると、パネルをはめたときに接着剤がまんべんなく行き渡ります。
もし、接着剤の量が多くなってしまったときは、ヘラなどを使って調整してください。量が多いと、パネルをはめたときに隙間から接着剤が漏れ出ることがあります。
パネルの仕上がりに影響が出るので、接着剤の量は入念にチェックしてください。
壁にパネルをはめ込んでいく
壁に接着剤を塗り終わったら、パネルを順番にはめ込んでいきます。、慎重に見切り材の上に置き、位置がズレないようにしてください。最奥から時計周りに作業を行うと、効率がいいです。
パネルをはめたら、軽く手で押さえ、接着剤を馴染ませます。接着剤が固まり、パネルが安定したら大丈夫です。
すべてのパネルが安定したら、見切り材のオス側を装着する位置にコーキングガンでシリコン剤を塗りましょう。シリコン剤を注入することで、水分の侵入を防ぐことができます。
シリコン剤が塗り終わったら、見切り材などの各部材のオス側をはめ込んで完了です。
コーキングで仕上げをする
最後に見切り材などで防ぎ切れなかった個所に、コーキングガンでシリコン剤を注入していきます。隙間が空いていると、水分が侵入し、カビの原因となるので注入忘れがないようにしてください。
とくにバスタブと密着している部分、排水溝付近は必ずチェックしましょう。シリコン剤を注入したあとは、見栄えがよくなるように指やヘラで形を整えてください。
隙間が全部埋まれば、最初に取り外していた設備を取り付けます。以上で、すべての作業は終わりです。浴室の構造によっては、別に追加の作業が必要なこともあります。自宅の浴室を見て、作業プランを立ててみてください。
浴室の状況によってはパネルが設置できない
パネルは浴室の状況によって、既存の壁の上に設置できないことがあります。具体的にはクリーニングでも落としきれないほど、汚れが蓄積している状態。汚れが残ったままパネルを設置すると、既存の壁との間でカビなどが増殖します。
カビが増えると、既存の壁とパネル両方が腐食してしまうため注意が必要です。腐食が進み、水漏れなどが起きると、さらに高額な改修費が必要となります。
落としきれない汚れがある場合、既存の壁を撤去してパネルを設置するほかありません。汚れ具合によるリスクは素人では判断できないため、DIYで設置するにしても事前に専門家に点検してもらいましょう。
浴室に設置するパネルの選び方
パネルの設置費用、設置方法がわかれば、次に気になるのがパネルの選び方でしょう。浴室に設置するパネルは、目的に応じたものを選ぶことで、より快適度が増します。
以下では、具体的なパネルの選び方を解説するので参考にしてみてください。
利便性を重視するなら白のパネル
普段の利便性を重視しているときは、白のパネルを選びましょう。白のパネルには汚れが目立ちやすいメリットがあります。水垢などが付着したときにすぐにわかるので、手入れがラクです。
白はもともと清潔感があるため、水回りで最も使われています。単純に無難なパネルを選びたい人にもおすすめといえるでしょう。
白だけでは物足りない人は、アクセントに1面だけ別の色を使う手もあります。バスタブから遠い面にアクセントを使えば、汚れも付着しづらいです。白の利便性を維持しつつ、色味の変化を加えられます。
リラックスできる環境は黒・茶色系
入浴中にリラックスできる環境にしたい人は、黒・茶色系のパネルがおすすめです。黒・茶色系の色は心理的に鎮静効果があるといわれています。湯船に浸かったときに正面に来る面に使えば、リラックス効果が高まるでしょう。
ただし、黒・茶色系の色は全体に使うと圧迫感が生まれてしまいます。リラックスとは逆に息苦しさを感じるため、1面だけに使ってください。
他の色が決められないときは、先に紹介した白のパネルのアクセントに黒・茶色系を選ぶのがおすすめです。
高級感を演出するなら大理石・木目調
浴室を高級感のある雰囲気にしたいときは、大理石・木目調のパネルを選んでみてください。パネルのなかには単色ではなく、天然素材を模した柄のものがあります。うまく組み合わせれば、高級ホテルの浴室のような雰囲気も演出可能です。
たとえば、同じ1面でも上半分は木目調、下半分は大理石といったことも可能です。DIYの場合は、合わせ目の処理に技術がいりますが、うまく設置できればモダンな空間になります。
自宅の浴室をオシャレにしたい人は、柄物のパネルもチェックしてみてください。
寒冷地は保温性能を重視しよう
お住まいが寒冷地の場合は、色だけではなく保温性能が大事です。パネルのなかには寒冷地用に保温性能を高めたものがあります。保温性能があれば、湯気で温まった浴室の温度を逃がしません。
寒冷地でなくとも、既存の壁では浴室が寒いというときにおすすめです。温もりを維持し、湯冷めを防ぐことができるでしょう。
同じ色のパネルを選ぶなら、保温性能のあるものを選んでみてください。
浴室のパネル選びに失敗しないコツ
浴室のパネルは、実際に設置してみるとイメージと違うことが珍しくありません。できれば、事前に設置したときの雰囲気をつかんでおく必要があります。
以下では、浴室のパネル選びに失敗ためのコツを解説するので参考にしてみてください。
パネルメーカーにアドバイスをもらう
パネルを選ぶときは、パネルメーカーに理想の浴室のイメージを伝え、アドバイスをもらいましょう。パネルメーカーは実際のパネルの色見本を提示してくれるほか、色の組み合わせなどもアドバイスしてくれます。
実際の施工例なども見せてもらえるため、選んだパネルの雰囲気をつかみやすいです。ときには自分のイメージより気に入るパネルが見つかることもあるでしょう。
パネル選びに迷っている人は、プロの意見を聞いて判断材料にしてみてください。
ショールームで実際の雰囲気を見る
パネルを設置したときの雰囲気をつかむには、ショールームで実際に確認するのもいいです。パネルメーカー、住宅メーカーでは施工例を見せるためにショールームを設けている業者がたくさんあります。
実際に自分の目で確かめれば、パネルの設置後に後悔するリスクが減らせるでしょう。ショールームで気に入った施工例があれば、同様の施工を依頼することもできます。
パネルの設置に不安がある人は、近隣の業者にショールームがないか問い合わせてみましょう。
浴室にパネルを貼って雰囲気を変えよう
浴室にパネルを設置するための費用、具体的な設置方法を解説してきました。浴室にパネルを設置すれば、利便性が向上し、雰囲気も一気に変わります。
パネルを使った浴室改装は、リフォームでは安価な部類。浴室を作り替えたい人は、ぜひパネルを設置してみてください。