外壁塗装・外壁

トタン壁のメンテについて!基本情報や費用相場などを紹介!

外壁の種類の中でもトタン壁というのは珍しいものであり、どのような特徴があるのか、どのように扱えばいいのかわからない人は多いでしょう。劣化が進むとメンテナンスしなければいけないのですが、何をすればいいかわからず途方に暮れる人もいます。そこで、トタン壁のメンテナンス方法や費用、リフォーム手段などを紹介しましょう。

トタン壁の基本情報

メンテナンスをする上で知っておくべきトタン壁の基本情報についてまとめました。

トタンは亜鉛でめっきされた銅板

そもそもトタンというのは亜鉛によってめっきされた銅板のことです。亜鉛がメッキされることで普通の銅板よりも錆びにくくなっています。錆びやすいという特徴を持っている銅板の弱点を補うために亜鉛がめっきされたトタンが生まれたのです。

トタンは錆びやすいのか

トタンといえば錆びやすいというイメージを持っている人がいます。しかし、上記で説明したように本来トタンは錆びにくい性質を持っているものです。適切にメンテナンスしていれば、トタン壁はいつまでも錆びずにキレイな状態を保ってくれます。

安くて軽いのが特徴

トタン壁のメリットは安くて軽い点です。銅板は薄く加工されているため、あまり重くなりません。また、銅板もめっきされる亜鉛もどちらも比較的安価な素材です。そのため、トタン壁は素材としての費用が安く気軽に導入することができます。

メンテナンスをすれば耐用年数は長い

トタン壁はしっかりとメンテナンスすることによって長持ちさせることができます。メンテナンスをこまめにした場合には、15~20年ほどの耐用年数があるのです。そのため、住宅の外壁の素材としては実はメリットが大きいです。

傷がつくと錆びやすい

トタン壁は傷や加工跡などがつくとそこから錆びやすいというデメリットがあります。亜鉛もめっきが剥がれてしまうと、本来の銅板は錆びやすい性質があるためです。たとえば、トタン壁を加工するのにどうしても切断面が生じて、その部分はめっきすることができないため、錆びやすくなっています。表面もちょっとした傷がつけばそこから錆びていくため注意が必要です。また、トタン壁の裏側は1回塗りで塗装されていることが多く、この部分に結露が生じるなどして錆びることもあります。

夏は暑くなりやすい

銅板はとても熱伝導率が高い素材です。そのため、トタン壁は太陽光を浴びるとすぐ温度が上がるというデメリットがあります。ただし、最近は遮蔽塗料を使って塗装することができ、これによって表面温度を低下させることが可能です。

トタン壁のメンテナンス方法

トタン壁をメンテナンスするための方法について紹介しましょう。

傷がついているときは塗装で保護できる

トタン壁に傷がついたときはすぐに対応する必要があります。塗装を施すことによって、傷のある部分を保護することが可能です。これによって錆びるのを防ぐことができます。

変形が酷いときは部分的に張り替える

トタン壁が変形した場合は、その部分を張り替えてしまうのがよいです。変形している部分を剥がして、真新しいトタン壁に張り替えます。

錆はしっかりと落としてから塗装する

トタン壁を塗装するときには事前にしっかりと錆を落としてから塗装する必要があります。錆を取り除いておかないと、錆が広がってしまうからです。そのため、塗装をするまえに細かな部分も含めて丁寧に錆落としの作業をする必要があります。ワイヤーブラシなどを用いることで錆を落とせます。落としたあとはしっかりと水などで洗い流してキレイにします。

穴があるならば部分的に交換や張替えをする

トタン壁に穴があいてしまっているならば、外壁としての機能を果たすことができません。大きな穴の場合は補修することも難しいため、部分的に交換や張り替えをすることになります。

小さい穴はシーリングで塞ぐことができる

トタン壁にあいている穴が小さいのであればシーリングで塞ぐことができます。シーリングは柔軟性のある素材であり、伸び縮みする性質があるため、しっかりと穴を塞ぎます。ただし、シーリング材は経年劣化するため、定期的にメンテナンスすることが大切です。

トタン壁にカバー工法は不可能

トタン壁の修理をするときにカバー工法を用いることはできません。カバー工法とは既存の外壁の上に新しい外壁材を重ねるという方法です。トタン壁の上に外壁材を重ねると重量の問題が生じてしまいます。トタン壁の重さにしか耐えられないように設計されている場合、カバー工法では重量が増すため、外壁に大きな負担がかかりリスクがあるのです。

また、トタン壁が劣化していると錆が広がりやすいです。その上からカバー工法で新しい外壁材を設置すると、内部で急速に錆が広がる可能性があります。どれだけ丁寧に錆落としをしても、どこかに錆が残っているリスクがあるのです。

トタン壁の上に金属製の外壁材を重ねると腐食のリスクもあります。異なる金属同士が接触することで電気の流れが生じて腐食していき、錆が生じる原因となります。

このようにさまざまな理由からトタン壁はカバー工法ではなく、外壁の張替えを選ぶべきです。

トタン壁のメンテナンス費用

トタン壁をメンテナンスするための費用を紹介します。

30坪の住宅で塗装にかかる費用は70万~100万円

トタン壁を塗装するための費用は一般的な30坪の住宅では70万~100万程度と想定しましょう。1㎡で3,000円程度が相場です。

ただし、塗料の種類によって費用は変わります。防カビや遮熱性などさまざまな機能を持っていて耐用年数の長い塗料は高いです。費用を抑えたいならば、最低限の機能と耐用年数の塗料を選ぶと安くなります。低コストで抑えたいならばアクリル樹脂塗料がおすすめです。機能性を求めているならばアクリルシリコン樹脂塗料が優れています。

また、塗料以外にも諸費用が発生するため注意しましょう。

トタン壁の塗装費用(30坪の場合)70万~100万円

30坪の住宅で張替えにかかる費用は150万~250万

30坪の住宅でトタン壁を全面的に張り替えるときの費用は150万~250万円です。ただし、外壁の一部分だけトタン壁を採用しているケースもあります。全面をトタン壁にしている住宅はあまりありません。そのため、実際にトタン壁を張替えする場合は、もう少し費用を抑えることができるでしょう。

トタン壁の全面張り替えにかかる費用(30坪の住宅の場合)150万~250万円

一部を修理するだけならば数万円~20万円程度でできる

トタン壁は塗装するにしても、張り替えるにしても、施工面積が大きくなるほど費用が高くなります。したがって、一部分だけを修理するケースでは費用は数万円から20万円程度に抑えられることが多いです。定期的にメンテナンスをしているならば、耐用年数に達しない限りは全面的に修理をすることは少ないでしょう。

トタン壁を別の素材に張り替えるリフォーム手段

トタン壁を別の素材に張り替えるという方法があります。このリフォーム手段について知っておきたい点をまとめました。

トタンより軽い素材でしか張り替えられない

トタン壁を別の素材に張り替える場合には、基本的にトタン壁より軽い素材を選ぶべきです。トタンよりも重い素材に張り替えることは不可能ではないですが、それはリスクがあることを理解しましょう。

家を建てたときにトタン壁だった部分は、トタン壁の重量を想定して設計されています。トタン壁の重量を見込んで耐震性などが考えられているのです。したがって、トタン壁よりも重い素材をつけてしまうと、耐震性が低下する恐れがあります。そのため、外壁の張替えはより軽い素材を選ぶのが基本となるのです。

金属系サイディングボードへの張替えがおすすめ

トタン壁を別の素材に張り替えるときには金属系サイディングボードが選ばれることが多いです。サイディングボードには窯業系や金属系、木質系などがあり、このうち最も軽いのが金属系だからです。

金属系サイディングボードのメリット

金属系サイディングボードにはさまざまなメリットとデメリットがあります。メリットは下記の通りです。

・重量が軽く建物への負荷を軽減する

・断熱性が高い

・ひび割れのリスクが少ない

金属系のサイディングボードは窯業系のものと比較したときに、ガルバリウム鋼板であれば1/4、アルミであれば1/8も軽量です。また、金属系のサイディングボードは膨張や収縮が少ないという性質があり、ひび割れが起きにくいとされています。

金属系サイディングボードのデメリット

金属系サイディングボードのデメリットは下記の通りです。

・耐用年数は20年から40年

・傷がついてしまうと錆びやすい

・価格は 窯業系よりも高くなる

窯業系サイディングボードの耐用年数は30年から40年であり、それよりも金属系サイディングボードの方が耐用年数は短めです。また、金属のため傷がついてしまうとトタン同様に錆びます。価格は 窯業系よりも高めです。こういったデメリットがあることを理解しましょう。

ガルバリウム鋼板への張替えが多い

実際にトタン壁を別の外壁材に張り替える際にはガルバリウム鋼板が選ばれることが多いです。ガルバリウム鋼板とは金属系サイディングボードの一種です。アルミニウムと亜鉛、シリコンによって構成されていて、アルミ亜鉛合金めっき鋼板と呼ばれます。

耐食性や耐久性に優れていて、錆びにくいのがメリットです。めっきの耐用年数は25年ほどです。塩害のある地域であっても15年の耐用年数を期待できます。

また、耐熱性にも優れています。熱反射性能が高くて断熱性能も発揮します。

金属系サイディングボードへの張替えの費用

トタン壁をガルバリウム鋼板に張り替えるときの費用は30坪の住宅の場合で200万円程度です。既存のトタン壁を除去する費用なども含みます。

トタン壁を金属系サイディングボードに張り替えるときの費用(30坪の住宅の場合)200万円程度

まとめ

トタン壁は傷がつくと錆びやすいため、塗装や張替えなどメンテナンスをすることが大切です。トタン壁を別の素材にするならば金属系サイディングボードのガルバリウム鋼板にするのが一般的です。トタン壁のメンテナンスを考えている人はこの記事を参考にしてください。