外壁材はサイディング外壁やモルタル外壁など、種類がたくさんありますが、ALC外壁も優れた機能を持っているため人気があります。ALC外壁は軽くて耐久性も優れているため、地震の多い日本にピッタリの外壁材です。
今回はそんなALC外壁の特徴や注意点などを分かりやすく解説していきます。ALC外壁がどんな外壁材なのか知りたいという人や、外壁材を選んでいる最中でALC外壁のことが気になっているという人は参考にしてください。
ALC外壁とは
ALC外壁とは、ヨーロッパで流行した外壁材で、軽量気泡コンクリートという意味があります。高温で発泡加工をしていて内部は気泡が空いています。そのため非常に軽い外壁材となっており、コンクリートの4分の1程度の重さしかありません。
国内でも使われる機会が増えてきている外壁材で、東京スカイツリーや東京都庁などで使われています。また、外壁材として使われるだけでなく、屋根や床、間仕切りなどにも使われることが多いです。
ALC外壁の寿命や耐用年数
耐久年数 |
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50~60年 |
ALC外壁は、素材の特性から非常に長い耐用年数を誇る外壁材です。メンテナンスを定期的に行うことで、耐用年数は50~60年となるため、外壁の張り替えなどの工事が必要ありません。
ただし、ALC外壁自体の耐用年数は長くなっていますが、塗装メンテナンスやコーキングメンテナンスは必要なため、忘れないように注意してください。
ALC外壁の特徴
ここからはALC外壁の特徴をご紹介していきます。 ALC外壁が、他の外壁材と比べてどんな特徴を持っているのか、どんな違いがあるのかご紹介していくので、見ていきましょう。
耐久性が高いため長く住み続けたい人にピッタリ
ALC外壁の特徴の1つが耐久性に優れているというものです。先ほども説明しましたがALC外壁は、定期的なメンテナンスを行うことで耐用年数は50~60年程度の耐用年数です。
他の外壁材は30年程度の耐用年数のものが多く、家を建てたとしても30年経つと大規模な工事を行う必要があります。ALC外壁であれば50~60年程度は大規模な工事は必要ないため、長く住み続けやすくなっています。
断熱性が優れていて夏は涼しく冬は温かい
ALC外壁は断熱性や耐火性に優れているという特徴があります。断熱性に優れていることから、季節の温度変化の影響を受けにくく、夏は涼しく冬は温かい家になります。
ALC外壁の内部は、たくさんの気泡を含んでいて、空気の層を作り出しています。空気の層が外部からの熱を経つため、快適に過ごしやすい住宅になるのです。
また、断熱性が優れているため、夏場や冬場のエアコンの使用率を減らせるという特徴もあります。エアコンの使用率が減るため、電気代の節約も可能です。
耐火性に優れていて火災が起きても有害物質を発生させない
ALC外壁は耐火性に優れていて、住宅の安全性を高められるという特徴もあります。また、火事が発生しにくいという特徴だけでなく、仮に火事が発生してしまった場合でも安心できます。
ALC外壁は、セメントやケイ石などの無機質のものが原料となっているため、火や熱を受けたとしても燃えにくく、燃えた場合でも有害物質は発生しなくなっているのです。
そもそも火事が起きにくい外壁材ですが、仮に火事が発生しても燃え移る可能性も低く、有害物質が発生しないため、非常に安全性能の高い外壁材になります。
騒音のある環境でも住宅内に音が伝わりにくい
ALC外壁は遮音性が高く、騒音が住宅内に伝わりにくいという特徴を持っています。先ほども説明しましたが、ALC外壁の内部にはたくさんの気泡があり、この気泡が音を吸収するため、周囲の音が伝わりにくくなっているのです。
車や電車の音が聞こえやすい立地の場合にも効果的ですが、上の階の音や下の階の音などの生活音も防げます。なので、騒音が気になるという人だけでなく、静かで暮らしやすい空間にしたいという人にもALC外壁はおすすめです。
ALC外壁の注意点と対策
ここからは、先ほどとは反対にALC外壁の注意点やデメリットと、合わせて対策方法もご紹介していきます。ALC外壁は優れた機能を持つ外壁材ですが、弱点と呼ぶべき注意点もあります。
ただし、対策方法を知っておくことで、ALC外壁のデメリットは補えるものなので見ていきましょう。
水が侵入すると膨張やひび割れが起こる
ALC外壁は、つなぎ目が多く水が侵入する可能性があるという注意点があります。また、ALC外壁内部には細かい気泡が多いため吸水性が高く、水を吸収してしまうと外壁のひび割れや膨張の原因になってしまいます。
防水性の高い塗料を使う
水に弱いことへの対策方法は、防水性の高い塗料を使うというものです。塗料には複数の種類がありますが、弾性塗料と呼ばれるものがALC外壁にはおすすめの塗料です。
弾性塗料は伸縮性が高いため、建物のひび割れに追随して表面化することを抑えてくれます。ひび割れが表面化しなければ、水が侵入することを抑えられるためALC外壁には効果的です。
機能が優れているため費用が高い
ALC外壁は耐用年数が長い、耐火性・断熱性に優れている、遮音性に優れているなどの特徴を持っています。他の外壁と比べると機能面が優れていることもあり、費用が高いというデメリットがあります。
費用に関しては短期間だけで見ると高く感じるかもしれませんが、数十年住み続けると考えるとコストパフォーマンス的にalc外壁のほうが優れている可能性もあります。
ただし、何年住み続けるのか、どれくらいメンテナンスを行うのかなどによってかかる費用は変わってくるため、これからのライフプランを考えた上でALC外壁にするか他の外壁にするか考えていきましょう。
定期的にメンテナンスを行う
塗料 | 耐用年数 | コーキング補修も合わせた費用 |
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ウレタン | 8~10年 | 80~125万円 |
シリコン | 10~15年 | 100~140万円 |
フッ素 | 15~20年 | 120~165万円 |
無機 | 20~25年 | 125~200万円 |
ALC外壁のメンテナンスに必要な費用は塗料によって変わってきます。ウレタンは80~125万、シリコンは100~140万円、フッ素は120~165万円、無機は125~200万円が相場です。
ALC外壁は耐用年数が50~60年と非常に長くなっていますが、これは定期的にメンテナンスを行った場合の耐用年数です。メンテナンスを全く行わなかった場合は、50年以上使う前に外壁を張り替える必要が出てくるため、メンテナンスは忘れないようにしましょう。
ALC外壁の場合は、他の外壁材と比べるとパネル1枚の面積が少ないため、コーキング部分の長さが長くなってしまいます。コーキング材は、劣化がかなり早いため10年に一度はメンテナンスを行う必要があります。
また、コーキング部分だけでなく塗装が剥げてきた場合にもメンテナンスは必要です。先ほども説明しましたが、ALC外壁は水に弱いため塗装が剥げてくると、外壁のひび割れや膨張などの原因になってしまいます。
塗料のメンテナンスとコーキングのメンテナンスはどちらも大切なので、上記の表を参考にして塗料などを選んでいきましょう。
ALC外壁の施工実績が多い業者を選ぶ
日本国内で最も使われている外壁材はサイディングで、ALC外壁は1割未満しか使われていません。なので、サイディングの施工実績は多いものの、ALC外壁の施工実績は全く無いという業者もいます。
どれだけ評判が良い業者でも、初めてALC外壁の施工を行うという場合は、ミスが起こる可能性が高いため、できるだけ施工実績が多い業者を選びましょう。
業者に問い合わせるときや、打ち合わせをするときに、「似たような状況のALCの実績はありますか?」など確認しておくと安心できるのでおすすめです。
ALC外壁の費用相場
ここからは、ALC外壁に張り替えるときの費用相場をご紹介していきます。ALC外壁にするときの費用相場を知りたいという人はご覧ください。
張り替えの費用相場
費用相場 |
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150~250万円 |
ALC外壁に張り替えるときの費用相場は、30坪程度で150~250万円になります。平方メートルあたりの費用は5,500円程度のものが多いです。ただし、グレードが高いものほど費用は高くなってしまうので注意しましょう。
また、張り替え工事の場合は建物の構造によって費用が高くなってしまうことがあります。費用を抑えるためには、機能をできるだけ少なくしたり、グレードが低いものを選ぶことが大切です。
ALC外壁と他の外壁材の比較表
ここからはALC外壁と他の外壁材の比較表を載せていきます。窯業系サイディングとモルタルの比較表を載せていくので、ALC外壁とどちらを選ぶか迷っているという人は参考にしてください。
ALC外壁の費用がネックな人は窯業系サイディングがおすすめ
外壁材 | 耐久性 | 耐火性・断熱性 | 値段 |
---|---|---|---|
ALC外壁 | ◎ | ◎ | △ |
窯業系サイディング | ○ | ○ | ◎ |
ALC外壁と窯業系サイディングを比較した表が上記になります。窯業系サイディングは、ALC外壁と比べると機能面では劣っていますが、ALC外壁よりも費用が安く抑えられるという特徴があります。
機能だけで比べるとALC外壁のほうがおすすめですが、窯業系サイディングの中でも耐火性に優れたものや、耐火性に優れたものもあるため、欲しい機能性だけを求める場合は窯業系サイディングでも問題ありません。
ALC外壁よりデザインの自由度を求める人はモルタルがおすすめ
外壁材 | 耐久性 | デザイン性 | 値段 |
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ALC外壁 | ◎ | ○ | △ |
モルタル | △ | ◎ | ◎ |
ALC外壁とモルタルを比較した表が上記になります。モルタルは、ALC外壁より耐久性では劣っていますが、デザイン性や値段ではモルタルのほうが優れていることが分かります。
モルタルは職人の手作業で現場で施工を行っていくため、職人の技術力が高ければ高いほど多彩なデザインにできます。和風洋風問わず仕上げられるため、今までとは違った趣にすることも可能です。
ただし、職人次第で品質面やデザイン面に違いが出てしまうことも覚えておきましょう。
まとめ
今回はALC外壁の特徴や、ALC外壁の注意点と対策などを説明してきました。ALC外壁は優れた機能を多く持つ外壁材ですが、高機能がゆえに費用が高くなりがちだというデメリットを持っています。
また水に弱いというデメリットもありますが、こちらは塗料選びに気をつけるだけで対策できるため覚えておきましょう。
ALC外壁の費用がネックだという場合は、必要な機能、性能だけを持つ窯業系サイディングを選ぶということもおすすめです。ライフプランによってはALC外壁のほうがお得になることもあるため、一度ライフプランを見直してみましょう。