外壁塗装・外壁

吹き付けタイルと他の仕上げ方法の費用や特徴を徹底比較!

吹き付けタイルは、外壁の仕上げ方法の一つで、モルタル外壁という種類の外壁材で使われています。吹き付けタイルという名前のため、外壁タイルのことだと思いがちですが、関係ないので間違えないようにしましょう。

今回は、そんな吹き付けタイルの特徴や費用、他の仕上げ方法との違いについて説明していきます。吹き付けタイルのことを知りたいという人や、モルタルの仕上げ方法を何にするか迷っているという人は参考にしてください。

吹き付けタイルとは?

吹き付けタイルとは、モルタルという外壁材の仕上げ方法の1つです。デコボコとした模様が特徴の仕上げ方法で、モルタル外壁の多くで使われているため、見たことがある可能性も高くなっています。

タイルという名称なので、陶器製の四角いタイルを想像してしまいがちですが、吹き付けタイルはタイルとは全くの別物です。陶器製のタイルを思い浮かべてしまう人が多いため注意しましょう。

吹き付けタイルを使うモルタルとは?

吹き付けタイルはモルタル外壁の仕上げ方法の1つですが、モルタルについても簡単に知っておきましょう。モルタルは、セメントと砂と水を混ぜ合わせて作る外壁材です。

コンクリートと混合することの多いモルタルですが、コンクリートはセメントに砂利と水を混ぜ合わせたものになります。

吹き付けタイルの特徴

吹き付けタイルは、服装仕上げ塗材と言われていて、塗料を下塗り材、主材、上塗り材と3回塗り重ねます。また、リシン仕上げやスタッコ仕上げと比べると、骨材を入れないため、表面の仕上がりがザラザラしないという特徴があります。

デコボコとした模様はできますが、滑らかな仕上がりになるため人気があります。また、デコボコが嫌だという場合は、ローラーなどを使ってデコボコを潰すことも可能です。

吹き付けタイルの耐久性

吹き付けタイルの耐久性は、使用する塗材によって変わってきます。吹き付けタイルで使われることの多い塗材の耐用年数は以下になります。

塗料耐用年数費用
ウレタン塗料6~10年1,800~2,300円/㎡
シリコン塗料8~15年2,500~3,300円/㎡
フッ素塗料15~20年4,000~4,500円/㎡

ウレタン塗料の耐用年数は6~10年、シリコン塗料の耐用年数は8~15年、フッ素塗料の耐用年数は15~20年となります。

ウレタン塗料について

ウレタン塗料は、ウレタン系樹脂を主成分としていて、密着力が高いため様々な外壁材に塗布できるという特徴があります。他の塗料と比べると耐用年数が短くなっていますが、その分費用も安く1㎡あたり1,800~2,300円に抑えられます。

シリコン塗料について

シリコン塗料は、シリコン系樹脂を主成分としていて、耐候性・耐熱性・耐水性に優れているという特徴があります。ウレタン塗料と比べると耐用年数は長くなっていますが、その分費用が高く1㎡あたり2,500~3,300円が相場になります。

フッ素塗料について

フッ素塗料は、フッ素樹脂を主成分としていて、耐久性に優れていてカビや藻類が生えにくいという特徴があります。ウレタン塗料やシリコン塗料と比べると耐用年数が長くなっていますが、1㎡あたり4,000~4,500円と費用が高額になってしまいます。

吹き付けタイルの長所

ここからは、吹き付けタイルの長所をご紹介していきます。他の仕上げ方法と比べて、どんな長所があるのか、どんな特徴があるのかご紹介していくので見ていきましょう。

弾力性がある吹き付けタイルはひび割れしにくい

吹き付けタイルは、選ぶ塗料によって弾力性があるものと、ないものに分けられます。弾力性が少ないものの場合は、ひび割れが起こりやすいものの費用が安いというメリットもあります。

反対に弾力性が高い塗料を選ぶことで、ひび割れしにくくなり雨漏りなどの可能性を減らしてくれます。ひび割れが起こると、その分メンテナンス費用がかかってしまうこともあるため、費用が最初にかかるとしても弾力性がある塗料をおすすめします。

また、他の仕上げ方法と比べても、下塗り材、主材、上塗り材と3回塗り重ねていることからひび割れが起こりにくくなっています。メンテナンスコストを抑えたいという場合は、他の仕上げ方法より吹き付けタイルの方がおすすめです。

耐久性が高い

吹き付けタイルは、塗膜が厚いため耐久性が高く下地への密着性も優れているという特徴があります。また、模様付けと上塗り塗装が別の工程のため、選ぶ塗料によって耐久性を高めることが可能です。

他の仕上げ方法よりも耐久性を高めたいという場合は、吹き付けタイルをおすすめします。

施工期間が短く費用が抑えられる

吹き付けタイルは、手塗りではなくスプレーで塗料を塗っていくため、広い面積を一気に塗ることが可能です。そのため、施工にかかる時間を短く出来ますし、施工に必要な人数も減らせるので費用を抑えられます。

費用を抑えられるだけでなく、施工期間も短くなるため早く工事を終わらせて、自宅に戻りたいというときにも吹き付けタイルはおすすめです。

吹き付けタイルの短所と対策方法

ここからは、先ほどとは反対に吹き付けタイルの短所をご紹介していきます。吹き付けタイルは、良い点も多くある仕上げ方法ですが短所もあります。ですが、対策方法も知っておくことで防げることも多いため見ていきましょう。

飛散が多い

先ほども説明しましたが、吹き付けタイルは塗料をスプレーで吹き付けていくため、周囲への飛散が多くなってしまうというデメリットがあります。そのため、近隣の家に迷惑をかけてしまうことも考えられます。

丁寧に養生をする

飛散が多いというデメリットは、養生を丁寧に行うことで対策が可能です。丁寧に養生することで、周りへの悪影響を減らせるため時間をかけて養生しましょう。

騒音が起こる

吹き付けタイルの塗料はスプレーで吹き付けていきますが、このスプレーはコンプレッサーという機械を使います。そのため、吹き付けるときにコンプレッサーの機械音がうるさいというデメリットもあります。

事前に近隣の人に工事することを伝える

コンプレッサーの騒音は気になる人も多いため、事前に近隣の人に工事を行うことを伝えておきましょう。業者によっては、業者側が工事のことを近隣の人に伝えてくれることもあるため、近隣の人に言いにくい場合は業者選びの際に確認しましょう。

職人の技術力が必要

繰り返しになりますが、吹き付けタイルはスプレーで塗料を吹き掛けていきます。スプレーで吹きかけると聞くと、ある程度簡単なのかと思ってしまいがちですが、コンプレッサーを使って作業を行うため職人の技術力は必要です。

経験が足りない職人や、雑な仕事をする職人に依頼してしまうと、模様にムラが出来てしまう可能性があります。模様にムラが出来てしまうと、外壁のイメージが損なわれることも多いので注意しましょう。

評判が良い職人を見つける

職人の技術力を見極めるためには、業者選びの際に評判が良いところを選ぶことが大切です。また、見積もりの際や打ち合わせの際に、今までの施工写真などを見せてもらうこともおすすめします。

吹き付けタイルを再塗装するときの注意点

すでに吹き付けタイル仕上げにしていて、再塗装を考えているという人もいるでしょう。再塗装を行うときには、2つのポイントに注意する必要があるため見ていきましょう。

高圧洗浄を丁寧に行う

吹き付けタイルを再塗装するときには、高圧洗浄を丁寧に行ってもらうことが大切です。高圧洗浄を適当にしてしまうと、表面のデコボコ部分に汚れが残ってしまうため、膨れや剥がれの原因になってしまいます。

吹き付けタイルの再塗装は、下準備の段階が非常に大切なので、丁寧な作業を行ってくれる業者を見つけましょう。施工途中の様子を見せてくれる業者は、丁寧な作業を行っていることが多いため、参考にしてください。

状態に合わせて下塗り塗料を選ぶ

吹き付けタイルを再塗装するとき、下塗り塗料選びは非常に重要です。外壁の劣化具合によって、最適な下塗り塗料は変わってくるため、適当に選んでしまうとムラが多くなってしまう可能性があります。

ひび割れなどの症状が多い場合は、ひび割れを埋める効果がある微弾性フィラーという下塗りが向いています。他には、全体的な劣化が目立つ場合は、吸い込みを抑えるシーラーが向いているなど、劣化具合によって向いている塗料は違うのです。

下塗りの選定は、業者が事前点検や見積もりの際に行いますが、提案された後に自宅にこの下塗りが最適なのか確認してみましょう。丁寧に説明してくれる業者は、きちんと選定しているということなので安心できます。

吹き付けタイルと他の仕上げの費用や特徴を比較

仕上げ方法仕上げの費用相場
吹き付けタイル2,500~3,500円/㎡
リシン吹き付け1,400~2,000円/㎡
スタッコ仕上げ2,000~2,500円/㎡
リシンかき落とし3,500~4,000円/㎡
左官仕上げ2,400~4,500円/㎡

吹き付けタイルと他の仕上げの費用相場を比較した表が上記になります。仕上げの費用のみを比較したもので、吹き付けタイルは2,500~3,500円/㎡が相場になります。

リシン吹き付けは1,400~2,000円/㎡、スタッコ仕上げは2,000~2,500円/㎡、リシンかき落としは3,500~4,000円/㎡、左官仕上げは2,400~4,500円/㎡が費用相場です。

費用だけで見るとリシン吹き付けが最も安く、左官仕上げが高くなりやすいことが分かります。では、他の仕上げ方法の特徴を見ていきましょう。

リシン吹き付け

リシン吹き付けは、砂を混ぜて吹き付ける仕上げ方法で、表面がザラザラとする独特な風合いが魅力です。マットで温かみのある雰囲気を作り出せますし、初期費用が安いという特徴があります。

ただし、リシン吹き付けはリシンが固いため、ひび割れが発生しやすいというデメリットもあります。また、デコボコが多くカビやコケが発生することも多いため、メンテナンスを早めに行うことが大切です。

スタッコ仕上げ

スタッコ仕上げは、石灰と水で出来たスタッコという建材に骨材を混ぜて吹き付けたもので、高級感や重厚感のある仕上がりが特徴的です。また、スタッコを吹き付けた後に、ローラーで角を潰していくことも可能で、通気効率を高めて耐久性も上げられます。

リシン吹き付けと比較すると、厚みがあるため耐久性に優れていますが、デコボコが多いため汚れやすいというデメリットもあります。

リシンかき落とし

リシンかき落としは、リシンを吹き付けた後に剣山などで引っ掻いて、ザラザラとした表面にする仕上げ方法です。リシン吹き付けよりも、手間がかかってしまいますが、落ち着いた雰囲気が人気になっています。

リシンをかき落としているため、表面積が増えるので通気効率が良くなり、外壁が長持ちするという特徴があります。重厚感があるため、和風の家との相性が良い仕上げ方法です。

左官仕上げ

左官仕上げは、職人がコテで模様を作るため、最も意匠性に優れている仕上げ方法です。模様の種類は様々なので、自宅に合わせた模様を選べますし、オリジナリティを出すこともできます。

職人の手作業のため、職人次第で仕上がりに差が出るというデメリットもありますが、腕の良い職人に依頼することで、満足できる仕上がりが楽しめます。

まとめ

今回は吹き付けタイルの特徴や費用、他の仕上げ方法との違いなどを説明してきました。吹き付けタイルには、ひび割れがしにくい、耐久性が高い、施工期間が短いなどの特徴があります。

ですが、飛散しやすい、騒音が起こるなどの短所があることも覚えておきましょう。住宅に合った仕上げ方法を選ぶことで、満足度は高められるので、適当に選ばずに慎重に選んでいきましょう。