モルタルという素材でできた壁が、手塗り感や質感のかわいさから人気が高まっています。このページでは、モルタルとは何かから、モルタルを用いた施工例まで紹介していきます。
モルタルってどんなもの?
モルタルとは、セメントと砂を1:2~1:3の割合で混ぜて、水を加えて練ったものです。コンクリートには砂利が入っていますが、モルタルには入っていません。 モルタルは、つるつるしたさわり心地で、外壁への使用や、ブロックをつなぐ接着剤など、様々な用途として使われています。
モルタルのメリット
モルタルは、頑丈で耐久性が高い素材です。また、防火性が高く、火事でも燃えにくいという特徴もあります。さらに、モルタルを使うことで、デザイン性がグッと増します。
モルタルは継ぎ目が無いので、見た目の美しさが高く、塗り方によって表面に模様を描くこともできます。特に、職人が模様を塗っていく「左官塗り」という方法では、唯一無二のデザインで仕上げることができます。つるつると光沢のある質感も人気の理由になっています。
モルタルのデメリット
対してデメリットもあることを覚えておきましょう。まず、ひび割れが起こりやすい点です。ひび割れしてしまうと、水が入り込んでしまい、腐食やカビの原因になってしまいます。ひびが入らないように、メンテナンスを怠らないようにしなければなりません。
モルタルは火には強いですが水に弱いです。また、モルタルは塗るのに時間がかかったり、思った通りに塗るには職人の技が必要なこともあって、費用が高くなります。
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防水モルタルの特徴
防水モルタルとは、文字通りモルタルに防水機能をつけたものです。本来モルタルには、表面に小さな穴があり、そこから水が浸透してくるのですが、その穴を塞ぐように材料を加えてあるのが防水モルタルです。簡単に購入して使うことができます。
防水モルタルの防水性はそこまで高くない
防水モルタルは先ほど説明したとおり防水効果があるのですが、完全に防水できるものではありません。なので、外壁などに使用した場合、表面に防水塗装を塗る必要があります。
ですが、防水塗装が剥がれてしまった後の耐久力が普通のモルタルよりも良いので、腐食やカビなどのリスクを下げることは可能です。
防水モルタルは防水層に使う
バルコニーの床は雨水にさらされやすい箇所です。モルタルが浮いてきてしまうと、水が浸入して、雨漏りにもつながりかねません。そのような場所には、防水モルタルを施工し、その上から防水塗料を重ねて塗っていきます。
ただしこれも、メンテナンスも怠らないようにしなければいけません。
モルタル仕上げの外壁の塗り直しに使う
モルタルを使用した壁の場合、ひび割れを起こしやすいです。ひび割れからの水の浸入を防ぐために、防水モルタルで塗り直しをすることができます。
最後に表面に防水塗料を塗ろう
防水モルタルは、名前に『防水』とついていますが、防水機能はそこまで高くありません。防水モルタルを塗った上から、必ず防水塗料を塗るようにしましょう。
特に雨がたまる場所などよく水に接する場所に使う際には、防水モルタルと防水塗料の2重の対策で、長く使えるようにした方が良いでしょう。
防水モルタルを使ったリフォーム例
では実際に、防水モルタルを使用したリフォームを見ていきましょう。
ひび割れた部分の塗り直し
元々あったモルタルの壁などにひびが入ったときの対処法を説明します。まず、ひびの箇所を削り、ひびの奥まで補修剤が入るようにします。軽度のひびであれば、この工程は省いてかまいません。
次に、元のモルタル壁に補修剤が塗りやすいように、プライマーというものを塗っていきます。次に、削ってできた穴をモルタルとコーキング材で埋めていきます。コーキング材だけで埋められるような軽度のひびでしたら、モルタルで埋める必要はありません。
最後に全体を塗装し直して完成になります。ひびが3mm以下など軽度であれば自分で直すことも可能ですが、削る必要がある場合は自然に修復するのは難しいので、業者に頼んだ方が良いでしょう。
庭に池を作成
防水モルタルを使えば、継ぎ目の心配も無く簡単に池を作ることができます。まず、庭に穴を掘り、次にモルタルを塗る面になる部分を砂利などで固めていきます。
家の壁のように、金網で壁の土台を作るとより強度を高めることができます。土台ができたら、分厚くモルタルを塗っていきます。きれいに塗るのは難しいですが、こだわるのが好きな人はやってみると楽しいと思いますよ。
塗れたら、固まるまで放置していきます。モルタルは乾くのにかなり時間がかかるので、その間雨に打たれたりしないようにシートをかぶせておきましょう。
モルタルは接着剤の役目も果たせますので、モルタルで作った壁に石を埋めたりしてアレンジしても良いですね
モルタルが乾いたら、防水塗料を塗ることも忘れずに行いましょう。
玄関のリフォーム
玄関をモルタルにするとまるでおしゃれなカフェのようなスタイリッシュな印象になります。特に玄関は、家の中で濡れる部分になりますので、防水モルタルを使うと良いでしょう。
また、モルタルの玄関はタイルの玄関と違い細かな溝が無くつるつるとしたさわり心地になるので、掃除がとても楽になります。こちらは自分でするとなると元の玄関を剥がすところから始めないといけないので難しいです。
業者に頼むことをお勧めします。
防水モルタルの使い方まとめ
防水モルタルは、強度やデザイン性、耐火性に優れている反面、ひび割れが起こりやすくメンテナンスの必要があったり、耐水性が弱いというデメリットも持ち合わせています。
防水モルタルは、モルタルに防水性能を付与したものです。防水機能が必要な箇所に使用することができますが、防水機能はそこまで高くありませんので、使用するときには上から防水塗料を塗りましょう。
モルタルでできたものは質感やその模様の陰影に独自性が出て、デザインに凝りたい!という方にぜひとも試していただきたいものです。この記事を読んで気になった方は、防水モルタルを試してみてはいかがですか?