外壁塗装・外壁

アパートの外壁塗装の気をつけるポイントとは?費用相場まとめ

アパートのオーナーのなかには「管理しているアパート、だいぶ塗装がはがれてきたな…」と気づいて、アパートの塗装をしようと検討している人もいるかもしれません。

そのような人にとって気になるのは、アパートの外壁塗装はいくらくらいの費用がかかるという点でしょう。

では、アパートの外壁塗装を実施する場合、費用の相場はどのような価格になのでしょうか。この記事では、アパートの外壁塗装の相場や塗装のメリットなどについて、詳しく解説しています。外壁塗装を検討しているオーナーの方はぜひ参考にしてみてください。

アパートの外壁塗装、どんなメリットがあるの?

アパートに外壁塗装を施せば、見た目がきれいになり新築のときのような美観を得られます。そして、外壁塗装を実施して生じるメリットはそれだけではありません。

外壁塗装は、オーナーがアパート経営を行ううえで、プラスになることがいくつかあります。では、外壁塗装はどのようなメリットが生まれるのでしょうか。そのメリット2つを次より紹介しましょう。

入居希望者に好印象を与える

内装が凝っていても外観が劣化したアパートだと、あそこに住みたいとは思わないはずです。そのため、築何十年経っていても外壁塗装をしないアパートには、駅から近い、家賃が安いなどの好条件が揃っていても、そのアパートが満室になることは難しいといえます。

しかし、外観が新築のようにきれいであれば、入居希望者はアパートに対して良い印象を持ち、空室もすぐに埋まる可能性が高まります。このように入居者が増えない問題が解決できるのが、外壁塗装がもたらす効果なのです。

外壁の劣化を防ぐ

外壁塗装に使う塗料の役割は、塗布したものをきれいにするだけではありません。塗装をする目的は、建物の防水も含まれているのです。木材や鉄筋で構成されている建物にとって水分は天敵で、雨や湿気で水分を帯びた建物はその場所から劣化していきます。

劣化した箇所からは歪みやひび割れが生じて、その結果、他の部位にも影響を与えて建物全体を劣化させてしまうのです。そのようなトラブルを事前に抑制するのが塗料の防水効果なのですが、その防水効果は何年も効果があるわけではありません。

塗布された塗料は年月が経過すれば剥がれてくるので、当然防水の作用も弱まります。アパートを保護するために必要なのが外壁塗装なのです。

アパートの外壁塗装、相場はどれくらい?

アパートの外壁塗装にかかる費用の総額は、使用する塗料の種類、アパートの規模によって料金は異なりますが、平均して200〜300万円が相場といわれています。この金額は、アパートの一般的な規模である「2階建て・8部屋ほど」の相場であり、大きなアパートの場合は500〜1,500万円ほどかかる場合もあるでしょう。

では、外壁塗装の内訳とその相場はどのようになっているのでしょうか。内訳の種類とかかる金額について、以下より紹介しましょう。

塗料費用

外壁塗装で使用される塗料の料金は、外壁塗装の総額の20%を占めるといわれています。つまり総額の相場200~300万円のうち40~60万円が塗料に費やされるのです。芸壁塗装の塗料代金は、塗料を塗布する面積1㎡単位で計算します。塗布する面積が広いほど料金は高くなり、また、塗料の種類によって1㎡単位の料金は変動する仕組みです。

では、外壁塗装に使う塗料には、どのような種類があるのでしょうか。以下の表に、塗料の種類、種類別の料金や耐久年数をまとめてみました。

塗料平米価格耐用年数特徴
アクリル1,000〜1,800円/㎡3〜8年安価だが他の塗料より長持ちしない。
シリコン2,300~3,500円/㎡7〜15年価格、耐年年数が安定しているため、最も使用される塗料。
ウレタン1,700〜2,500円/㎡5〜10年アクリルと同様、安価でお手軽に使用できるが長持ちしない。
フッ素3,500~4,800円/㎡12〜20年耐熱性・耐寒性が高いので、耐年年数の長さにこだわりたい人向け。
光触媒3,800~5,500円/㎡10〜20年汚れを分解する機能がある塗料。高性能だが高価。
ラジカル2,200〜4,000円/㎡8〜16年塗膜の劣化や変色防止の効果がある成分が配合された新塗料。
セラミック2,300〜4,500円/㎡10〜25年セラミック配合のため断熱、遮熱性が高い。
無機ハイブリッド3,500〜5,500円/㎡10〜25年無機と有機のハイブリッド型。高い耐候性がある。高価。
ナノテク2,400〜5,500円/㎡10〜15年 CO2削減による地球温暖化の抑制機能があり、防火性、防カビ性も高い。扱っている業者が少ない 。

このように、価格が高いものほど耐久性など高機能で、耐久年数も高くなっています。オーナーのなかには、できれば安く済ませたいと思っている人が多いかもしれませんが、注文時は少ない出費でもその分長持ちはしません。外壁塗装をやるたびに安い塗料だけを使い続けた場合、数十年のスパンで考えると塗装回数が多くなり、結果的に多額の出費になる可能性もあります。目先の安さだけにとらわれず、数十年の長い期間で照らしわせて塗料選びをすることが大事です。

足場費用

足場とは、建築現場において高所や建築物外壁の作業を円滑にすすめるための、職人の足場台・スペースのことです。外壁塗装の場合はアパート全体に足場で囲み、これを組むための費用も外壁塗装に含まれます。足場費用は、外壁塗装にかかる費用の20%ほどです。見積もりの際に足場費用が入っているか確認しておきましょう。

足場代の算出方法は、塗料代と同様に1㎡単位で計算します。通常の2階建アパートであれば、600~800円/㎡ほどが相場です。足場代の他には近隣へのほこり、ゴミなどの飛散防止のためのメッシュシートがアパート全体を覆います。このメッシュシートも足場代に含まれ、相場は100~200円/㎡ほどです。メッシュシートは職人の高所からの落下防止のためにも用意されるものなので、外壁塗装では必須となっています。

施工費用

外壁塗装は、いきなり壁に塗装をするのではなく、高圧洗浄による壁の洗浄、塗布しない箇所を保護する養生、損傷した箇所を修復するコーキングなども行います。これらの作業をすることによって塗装は円滑にすすめることが可能になり、またアパートの劣化した箇所も修復されるのです。これらの作業は外壁塗装全体の30%を施工費用として計上されます。

そして、塗料、足場、施工以外の30%は、業者への利益として見積もりに含まれる仕組みです。施工作業は、他にも廃棄物処理など業者によって施工項目が異なりますが、項目が多いほどきめ細かい施工をしてくれるので、見積もりの段階で項目が多い業者は安心して任せられるといってもいいでしょう。

アパート外装塗装を行う際の注意点って何?

外壁塗装を行う場合、すぐに業者へ依頼をして塗装を開始してはいけません。業者へ連絡する前にいくつかの注意点を把握することが大事です。アパートの外壁塗装を行うための注意事項とは何か、次より紹介します。

複数の業者へ見積もりを出す

外壁塗装でまずやるべきことは業者選びですが、このとき、ひとつだけの業者へ依頼するのではなく、複数の業者へ連絡をして見積もりを出しましょう。先述した通り、業者が用意している施工項目は、業者ごとに種類などが異なり、それにより金額にも違いがあります。複数の業者に見積もりを出せば、業者ごとの違いが明確になりどの業者が自分に適しているか把握できます。ネット上では一括で査定ができるサイトもあるので利用するといいでしょう。

管理人の趣味でカラーを決めない

塗装業者が用意している塗料はさまざまなカラーがありますが、あらゆるカラーがあるからといってオーナーの嗜好を前面に押し出した色彩選びをしてはいけません。先述した通り外壁塗装をしっかりとほどこせば、外観がきれいになり入居希望者を増やすきっかけにもなります。

しかし、オーナーの趣味が入居希望者と一緒とは限りません。たとえば、アパートのある地域が学校の多い学生街だった場合、若者が気にいるような塗装をしなければいけません。若者が好みそうにない地味目な塗装だと若い人たちは入居を躊躇するでしょう。自分の趣味をそのまま反映するではなく、業者に相談するなどして、入居希望者の増えそうな塗装をしましょう。

アフターケアなど業者のサービスが充実しているか確認

外壁塗装をした場合、耐久年数が数年だからといって安心してはいけません。その間に予想しないトラブルが勃発する可能性もあります。この場合、依頼した業者のアフターサービスが充実していればトラブルが起きても安心です。塗装が完了しても用心したい人は、アフターケアが充実しているかどうかを確認しましょう。

現・入居者への心遣いも大事

外壁塗装を施工している最中は、騒音や塗料の匂いなどで入居者にとっては落ち着かない日々が続くこともあります。この場合、オーナーは今入居している人々にも気遣いをすることが大事です。職人に作業の音を極力出さないように頼む、塗装する日程を数ヶ月前から連絡するなどして、入居者を不愉快にさせないようにしましょう。

塗装をする時期も考慮する

入居者が増える時期は新生活が始まる前の3月ごろといわれています。しかし、この時期に外壁塗装をするとメッシュシートでアパートが覆われてしまい、外観が分からなくなります。そのため、ベストなタイミングは3月以前といえるでしょう。3月以前に塗装を済ませて外観をきれいにしておけば、新生活が始まる入居希望者にも良い印象を与えられます。

自治体の補助金・助成金制度、アパート外装塗装にも活用できる?

自治体が事業者・個人に資金的なサポートをする補助金・助成金制度は、アパートの外壁塗装も対象です。このふたつの支援制度についての詳細を、以下より解説します。

補助金

補助金は、公共的に役立つものであるという証明をするために、応募申請書や経費明細書など各種書類を提出して、場合によっては面接を受ける必要があります。そのため、自治体に申請しても必ず補助金をもらえるとは限りません。また、募集期間が短いため期間を逃してしまいやすいのも特徴です。審査を通過すれば、20万〜30万円の補助金が受けられます。

助成金

外壁塗装にかかる費用項目が条件を満たしていれば、受け取ることが可能です。補助金よりも審査が厳しくなく募集期間も長いため、補助金よりも受け取りやすいのが特徴です。また複数の助成金を受け取ることもできます。受給金額は最大30万円ほどです。

アパートの外壁塗装についてのまとめ

アパートの外壁塗装は、オーナーにとってさまざまなメリットがあるので面倒くさがらずにやるべき作業です。気になる費用は業者ごとに異なるので、複数の業者へ見積もりを出してもらい調べる必要があります。

外壁塗装を行ううえで気をつけるポイントをしっかりと押さえて、自身の管理するアパートにふさわしい塗装を実現させましょう。