自宅の窓際から庭へ広がる大きなウッドデッキ。木の質感が暖かく、住宅環境としては憧れの的です。家をリフォームするついでに、理想のウッドデッキを作りたい人も多いでしょう。
おそらく、あなたもウッドデッキを作りたくて、リフォーム費用を調べているはずです。思っているより高かったらどうしよう…といった不安もあると思います。
本記事ではウッドデッキのリフォーム費用を具体的に解説します。費用を安く抑えるポイントも紹介するので、参考にしてみてください。
ウッドデッキのリフォーム費用
ウッドデッキのリフォーム費用は、安価な人工木を使う場合、1㎡あたり2万~4万円が相場です。天然木を使うのであれば、1㎡あたり4万~と高額になります。
たとえば、庭に約3坪(10㎡)のウッドデッキを新設するのであれば、約40万円の予算がいると考えたほうがいいでしょう。
もちろん、設置面積が大きくなれば、増えた材料費が上乗せされます。庭一面に及ぶ大きなウッドデッキであれば、予算が100万を超えることも珍しくありません。
ウッドデッキのリフォーム費用を考えるときは、面積と材料費を基準に計算してみてください。
ウッドデッキの使用シーンを想定して予算を決めよう
ウッドデッキのリフォーム費用を計算するときは、具体的なデザインを決める必要があります。デザインの方向性は使用シーンを考えると、具体的な案が浮かびやすいでしょう。
以下では、ウッドデッキの一般的な使用例と共に、デザイン案を紹介していきます。
屋外パーティをするなら庭に開けた形に
ウッドデッキでバーベキューなど、屋外パーティをしたい人は庭に開けたデザインがおすすめです。フェンスを設置せず、スロープ・段差で庭と地続きになるようにするといいでしょう。
開けた形のウッドデッキでは、大勢の人が動きやすくなります。パーティで子供たちが走り回っても、何かに衝突する心配がありません。フェンスをはぶくことで、材料費を抑えられるメリットもあります。
ウッドデッキに人を呼びたいと考えている人は、開けたデザインを考えてみてください。
ペットがいるなら囲いが必須
自宅でペットを飼っているときは、ウッドデッキに囲いが必要です。囲いがないと、ペットがウッドデッキを経由して庭、道路に逃げ出すことがあります。なるべく高めの囲いを設置したほうがいいでしょう。
囲いは目隠し囲いといわれる全面板張りのものがいいです。通常のフェンスでは隙間から、ペットが出入りできる可能性があります。ただ、板張りの囲いがあるとウッドデッキに圧迫感があるのがデメリット。
ウッドデッキを開放的にしたいのであれば、別途ペットが逃げ出さない工夫が必要となります。
日差しが強い場所なら屋根の予算も考えよう
日差しの強い場所にウッドデッキを設置するときは、屋根をつけることも考えましょう。なくても問題はありませんが、材料によっては日焼けして色落ちが激しくなります。
たとえば、設置当初の新鮮な木の色味を長く維持したいときは屋根があったほうがいいでしょう。屋根があることで、雨水からウッドデッキを守ることにもつながります。
余分な費用はかかりますが、ウッドデッキを設置する方角によっては屋根をつけることも検討してみてください。
ベランダを作るときは足場代がいることも
2階のベランダなど、高台にウッドデッキを作るときは作業を行うための足場が必要なことがあります。足場の費用は1㎡あたり1千円前後。家の高さや設置面積によって価格が上乗せされる仕組みです。
仮に一般的な住宅の全周に足場を設置する場合、総費用は15万円前後が相場。足場を組み立てる工期も必要なため、ウッドデッキ設置までには時間もかかります。
高台にウッドデッキを作りたい人は、足場の費用も含めて予算を考えてください。
ウッドデッキを安く作るには木材の特性を知ろう
ウッドデッキの費用を安く抑えるためには、材料費を抑えることがポイント。しかし、価格だけに注目しては理想のウッドデッキは作れません。木材の特性を知り、自分が納得できる材料を選ぶことが重要です。
以下では木材ごとの特徴を解説していきます。
ソフトウッド
ソフトウッドは主に針葉樹から作られる天然木材です。ウッドデッキに使われる木材としては最も安価な部類。ソフトウッドをメインに使えば、初期費用を大きく抑えることが可能です。暖かみのある木の質感も魅力。
しかし、ソフトウッドは名前のとおり”やわらかい”特性があります。衝撃に弱く、湿気を吸収しやすいのがデメリット。使用状況によってはすぐに破損してしまうでしょう。
また、ソフトウッドは害虫が繁殖しやすい 環境にもなりやすいため、ウッドデッキ経由で住宅に被害が及ぶこともあります。ソフトウッドをキレイな状態で保つには、定期的にメンテナンスが欠かせません。
初期費用は安いものの、維持費用にお金がかかるのがソフトウッドです。
ハードウッド
ハードウッドは広葉樹から作られる硬めの木材です。ウッドデッキに使われる木材のなかでは最も高価。ハードウッドを使って広いサイズのウッドデッキを作った場合、費用は相場をはるかに超えます。
初期費用が大きな反面、ハードウッドは耐久力が強いのがメリットです。害虫、腐食に強く、メンテナンスの必要性はほとんどありません。色落ちなどをあえて放置すれば、木の味を出すこともできます。
初期費用は高くつきますが、維持費用が抑えられるのがハードウッドです。
人工木
人工木は樹脂、プラスチックに木粉を混ぜて作られた製品です。価格はソフトウッドとハードウッドの中間といったところ。含まれる木粉が多いほど、天然木材に近い質感となり、価格も高い傾向です。
人工木はハードウッドのようにメンテナンスがラクという特徴があります。天然木材と違い、ささくれが立たず、子供が裸足で歩いても安全。雨水に強い製品も多いです。
ただし、質感はやはり天然木材より劣ってしまいます。製品によっては人工感が隠しきれず、冷たい印象になることも。事前に質感を確認しておく必要があります。
人工木を採用するかどうかは、ウッドデッキのサイズなどを考慮して判断するといいでしょう。
ウッドデッキのリフォームを依頼する業者の選び方
ウッドデッキをなるべく安く作るためには、業者選びも重要です。業者選びに失敗すると、費用は抑えれても見た目が残念な結果になることも。できれば、慎重に依頼する業者を決めましょう。
以下では、ウッドデッキのリフォームを依頼する業者の選び方を解説していきます。
施工例を見て判断しよう
業者を決めるときに最も重要なのが、過去の施工例を見せてくれるかです。過去の施工例が豊富にある業者ほど、ウッドデッキ作りに慣れているといえます。相談するときは必ず過去の資料を要求しましょう。
実際に業者が施工した例を見れば、自分たちが作りたいウッドデッキのイメージも伝えやすいです。できれば、自宅の外観、環境に似た施工例がないか聞いてみてください。優良業者であれば、施工プランも積極的に提示してくれます。
逆に施工例を見せてくれない、実績がない業者はやめておきましょう。意見のすり合わせが難しく、理想のウッドデッキとは違った結果になりやすいです。
ウッドデッキのリフォームは必ず実績豊富な業者に依頼してください。
なるべく地域密着型の業者に依頼しよう
ウッドデッキのリフォームは可能であれば、地域密着型の業者に依頼しましょう。ウッドデッキは同じ木材でも、依頼する業者によって価格が違うことがあります。
地域密着型の業者であれば、地元材木店ともつながりがあり、独自の仕入れルートを持っている可能性が高いです。ときには上質の木材が安く手に入ることもあります。
また、地域密着業者は各地域の気候にあった木材を提案してくれます。木材は湿気の強さ、季節ごとの温度変化などで劣化しやすいものです。
地域密着業者は長年の知識で、各地域に適切な木材を知っています。ウッドデッキに関しても適切な木材を提示してくれるでしょう。
ぜひ、お住まいの地域で長く施工をやっている業者を探してしてみてください。
ウッドデッキはDIYで作ることができる?
本格的なウッドデッキはDIYで作ることは可能です。仮にDIYで作った場合、費用は材料費と工具費だけで済みます。ただし、DIY初心者にはかなり難易度が高いことに注意しましょう。
作りたいウッドデッキの図面製作、材料の切り出しなど、専門的な作業がいくつも発生します。大きなサイズになれば人手も必要。完成までの日数が長くなることも珍しくありません。
ミスがあれば、材料を買い足して作業のやり直しなども起こり得ます。結果、業者に依頼するより予算が高くなってしまうことも。ある程度、DIYに慣れた人でないと、製作は難しいです。
初心者は素直に業者に依頼したほうが無難といえます。
どうしても安くウッドデッキを作りたいときは
費用をかけずにウッドデッキを作りたい人もいるでしょう。ウッドデッキはちょっとした工夫で費用を抑えることが可能です。以下ではウッドデッキの費用を抑えるポイント、代替案などを紹介していきます。
部分ごとに安い素材を使う
ウッドデッキは部分ごとに素材を使い分けることで、費用を抑えることができます。天然木材を使うのであれば、先に紹介したソフトウッド、ハードウッドを組み合わせるといいでしょう。
たとえば、全体の土台は丈夫なハードウッド。取り替えやすいフェンスなどは安価なソフトウッドを使うといった具合です。あえて木材以外の素材を使う手も考えられます。
具体的なことは業者に相談すると、使える材料をいくつか紹介してもらえるでしょう。
廃材を利用する
材料に廃材を利用すれば、格安でウッドデッキを作れることがあります。具体的には古い住宅、既存のウッドデッキを解体した木材です。中古木材のため、品質に難があることもありますが、費用は大きく抑えられます。
ただし、ウッドデッキに使える廃材が都合よく手に入るとは限りません。事前に地元の業者、材木店に問い合わせてみるといいでしょう。場合によっては横のつながりで、格安の材料を仕入れてくれることもあります。
部分的に廃材を利用するだけでも費用は抑えられるため、事前に地元の廃材情報を収集してみてください。
デザインを工夫する
予算を抑えたいときは、作りたいウッドデッキのデザインを見直してみましょう。デザインを変更して使用する材料を減らせば、自然と予算を抑えることができます。
一例としては、フェンスを減らすという手があります。ウッドデッキの全周にフェンスを立てるのではなく、部分的に設置する方法です。4隅など、限定的にパーツを設置することで、デザインとしてもオシャレになります。
デザインは自分たちだけで決めるのは難しいこともあるので、業者と相談しながら考えてみてください。
天然木材の縁台を購入
ウッドデッキの代わりに天然木材で作られた縁台を購入するのもアリです。縁台を置けば、ウッドデッキと同じく住宅に木の雰囲気を追加することができます。
天然木材の縁台は安いもので1万~の予算から購入することが可能。本格的なリフォーム予算が出せない人でも、手が出しやすい価格です。傷んだときにすぐに取り替えられるのもメリット。
広範囲に設置したいときは不向きですが、窓際に小規模なウッドデッキを考えている人にはおすすめです。
市販のすのこを改良する
小さなウッドデッキであれば、市販のすのこを改良すれば作ることができます。すのこを土台として、窓際などに設置。足を補強し、フェンスを立てれば、雰囲気は本物のウッドデッキさながらです。
すのこを改良する方法であれば、DIYの練習にもなります。本格的な木材を加工するよりも材料費が安いので、失敗のリスクも少ないです。家族で力をあわせて製作するのも面白いでしょう。
DIYにこだわりたい人は、すのこで簡易ウッドデッキを作ってみてください。
ウッドデッキを作って暖かみのある家にしよう
ウッドデッキのリフォーム費用について解説してきました。ウッドデッキは使用する木材によって費用が大きく変わります。各木材の特徴を踏まえて、納得のいくものを選びましょう。
また、ウッドデッキは工夫次第で費用を抑えることが可能です。予算オーバーが気になるときは、本記事で解説したポイントを参考にしてみてください。