「リビングに物をしまえる場所を増やしたい…」とお考えの方には、リビング収納リフォームをおすすめします。ご自宅のリビングの広さや間取り、収納したい物に応じたリビング収納があります。
リフォームにかかる費用はもちろん、見た目にもスッキリさせる収納の秘訣や費用を抑えるポイントなどもご紹介。自分で収納をDIYしたいという方には、簡単な棚の作り方も解説していきます。
リビング収納リフォームの方法と費用
リビング収納のリフォームには、様々な施工方法があります。予算や部屋の大きさによって選んでみてはいかがでしょうか。
壁一面の壁面収納
リビングの壁一面を全て棚や扉付きの収納にするというリフォーム方法があります。リビングの中では特に、テレビを設置している壁の上部にデッドスペースが生じていることが多くあります。
そこでテレビ台を兼ねた壁面収納を作れば、歩くのに邪魔にならない場所に大容量の収納を確保できるはず。床から天井までの高さにすれば、家具同士の無駄な隙間が出来ず掃除もしやすくなります。
壁面収納にはLED照明などを組み込んではいかがですか?間接照明としてリビングをおしゃれに演出してくれるでしょう。
壁面収納を設置する際の相場は幅200㎝のタイプで30万円前後、幅360㎝では50万円前後となります。一般的にオーダー家具が最も高く、いくつかのパーツを組み合わせて作るユニット家具や、大工さんが現場で作る造作家具は比較的費用を抑えることができます。
床下収納を新設
リビングの床下というのも意外な収納場所になります。既存の床板を撤去してユニットタイプの床下収納をセットすれば、食品や日用品のストックなどに便利。
ただしマンションの床下には収納を設置できるスペースを確保できないことがあります。また家の構造上重要な梁などがある場所や、配管などが通っている場所には設置できません。
あらかじめリフォーム業者に見てもらって、床下収納を設置できるかチェックしましょう。もし設置可能であれば、常温で保存できるものを基本として、湿気や温度管理が必要ないものを収納してください。
床下収納のリフォーム費用は、固定タイプで10万円から施工可能です。ただし和室に設置する畳一枚分の床下収納や、高気密・高断熱住宅に対応したものは価格が高めになります。
壁埋め込み収納
もしリビングの壁が厚いなら、壁の一部にくぼみをつけて収納を確保する方法があります。奥行きはあまり取れませんが本棚としてや、ちょっとしたディスプレイスペースとして活躍してくれます。
横から見た時に壁から出ていないので、歩く時に邪魔にならないのもメリット。可動式の棚を取りつければ、収納出来るものの高さによって自由に変えられます。
但し壁の内部に筋交いが入っていたり、壊せないコンクリート壁の場合は設置出来ません。前もって壊せる壁かどうかを業者に見てもらいましょう。
壁埋め込み収納の費用相場は10万円からとなります。収納棚の造作の他に壊した壁の撤去処分費や内装工事がプラスされます。
クローゼット収納
広いリビングの一部にクローゼットを新設するリフォーム方法があります。動線の邪魔にならない場所に設置したり、既存の押し入れを改造することも可能。
またリビングの隣に和室がある家では、和室自体をウォークインクローゼットにするというリフォームがおすすめ。普段ほとんど使っていない和室を、家族の洋服や大きな荷物を入れられるクローゼットに大変身させられます。
リビングがすっきり片付くのはもちろん、家族の個室で必要のないものも入れられます。キッチンと隣接しているならパントリーとして食品の保存などにも適しています。
クローゼット収納を新たに作るには、小さいサイズであれば10万円前後で可能です。和室をウォークインクローゼットにする場合は扉や棚、ポールハンガーの有無で費用が変わりますが、50万円程度かかるでしょう。
畳コーナー収納
リビングの壁や床に手を加えず収納を作る方法がこちら。床に畳敷きになっているソファ兼収納を置くだけでも、一気に収納力をアップさせられます。
ダイニングテーブルのイスの一部を畳コーナーにする方法や、リビングのソファ代わりにするというアイデアもあります。またリビングに和室が無い場合は、畳コーナーを和室代わりとして、神棚や仏壇を置くスペースにも変えられます。
畳コーナーを造作する場合は30万円前後、既製品で小上がり和室を設置する場合は3畳程度で20万円ほどかかります。
リビング収納を成功させる秘訣
リビングは他の部屋と異なり、家族が集まってくつろいだりお客さんをお通しするという役割があります。つまりリビング収納には収納力の高さだけでなく、周りのインテリアとの統一感や見た目の美しさも求められます。
こうした特徴を踏まえて、リビング収納を成功させる秘訣を解説していきます。
収納したいモノの種類や量に応じて
収納を作る上で最も大切なのが、収納するモノの大きさや量に応じてリフォームするということ。収納したいモノと棚のサイズが合わないと、棚の奥や両サイドに無駄なスペースが生じてしまいます。
効率的に収納するには可動式の棚にするか、あらかじめ収納するモノのサイズにピッタリな棚を作ることをおすすめします。奥行きが深すぎる棚にはスライド棚を取り付けるなど、奥に置いても取り出しやすい工夫が必要です。
リビングで何をしたいかを考える
リビングで過ごす家族がリビングで何をしたいのかを考えて、収納するモノを決めるようにしましょう。リビングには基本的に個人の所有物を収納しないようにして、リビングで過ごす際に使うモノにのみ収納場所を割きます。
例えば子供が遊ぶおもちゃであれば、スペースを決めてリビングで使うものだけを厳選してください。リビングで見聞きするDVDやCDは収納しても良いですが、自分の部屋で読むようなコミックや書籍などは各自の本棚に移動させます。
このようにリビングで使うモノのみを入れると、収納スペースを圧迫されることが少なくなります。
見せる収納と隠す収納を使い分ける
リビング収納を成功させるには「見せる収納」と「隠す収納」を程よいバランスで取り入れることが重要。見せる収納には実用的なグッズよりは置物や写真立てなど、飾ることを目的としたインテイリア性の高いアイテムを取り入れましょう。
なるべく素材やテイストを合わせて、色を3色以内に抑えると見た目の統一感が出せます。また置き方は、ある程度スペースを空けるとアイテムがより引き立ちます。
一方の隠す収納は引き出しや扉の中にしまうことで、リビングをスッキリとした印象にできます。また掃除が楽なことも大きなメリット。
しかしキチンと引き出しの中を整理しておかないと、どこに何があるか分からなくなったり、欲しいものを取り出すのに時間がかかることも。ある程度収納するモノの住所を決めて、取り出すまでのアクションを少なくしましょう。
見せる収納と隠す収納にはそれぞれメリットとデメリットがあります。それぞれを上手に使い分けながら、リビングをおしゃれにスッキリ見せられる収納にしましょう。
周りの建具とテイストを合わせる
リビング収納を選ぶ際にはドアや他の家具、インテリアのテイストを合わせると空間に統一感が生まれます。例えばリビングのドアが木目なら、収納も同じ色目の木目にするなど。
また黒や茶色といった濃い色を壁面収納などの広いスペースに使うと、リビングに圧迫感が生まれます。なるべくなら濃い色の扉はアクセント程度に抑えて、ガラス扉などで代用しましょう。
マンションでは管理規約を確認
マンションでのリフォームの前には必ず管理規約を確認するか、管理組合に問合せすることをおすすめします。というのもマンションでは共有部分に勝手に手を加えることが禁止されているため。
マンションの柱や壁というのは共有部分と決められていることがあります。また構造上撤去できない壁の場合は、リフォーム自体ができなくなることもありますのでご注意ください。
手を加えるのが専有部分であっても、上下階や隣の部屋に工事の騒音やホコリで迷惑をかける恐れがありますので、事前の申請が必要な場合があります。
リビング収納のリフォーム費用を抑えたい時は
高額なリビング収納のリフォーム費用を抑えるには、次のようなアイデアを取り入れてみましょう。
扉をなるべく付けない
収納に取り付ける扉の費用をカットするだけでも、リフォーム全体の金額を抑えられます。なるべくならオープン棚のみを設置して、市販の収納ボックスやカゴを利用しましょう。
この方法ならリフォーム費用を抑えられるだけでなく、見た目の統一感を出してスッキリと収納できます。扉を付けるのと同じワンアクションで取り出せるので、しまうのが面倒になることもありません。
ユニットタイプの家具をチョイス
独立したパーツを組み合わせて一つの収納棚にするユニット家具は、リフォーム費用を抑えられるだけでなく種類やデザインが豊富。最近では住宅事情に合わせた様々ニーズを取り入れた商品がメーカー各社から販売されています。
1㎝刻みでのサイズ展開や棚の微調整が可能なタイプなどもあるため、リフォーム費用を節約しながらオーダー家具のようなクォリティを得られます。
DIYでリビング棚を作る
もしDIYの腕に自信があるなら、自作でリビングの収納棚などを作ってみてはいかがでしょうか。材料や道具さえ揃えられれば、素人でも簡単に作れます。
リビング収納棚をDIYで作るには
なるべく費用を抑えてリビングに収納を作りたい方はDIYに挑戦してみましょう。ホームセンターなどでは木材のカットサービスなどを展開していますので、最低限の道具さえあれば作れます。
必要な道具や材料
ここでは壁にブラケット取り付けタイプの金具を使用した収納棚のDIYについて解説していきます。まずは必要な道具は下記の通りです。
- メジャー
- 電動ドライバー
- 鉛筆
- 下地センサー
- 棚板を固定するクランプ
- 水平器
次に材料を見ていきましょう。
- ブラケット取り付けタイプ棚柱(2本)
- ブラケット(棚板の枚数×2)
- 棚板
- 棚柱固定用のビス
- ブラケットと棚板を固定するビス
収納棚を作る手順
それでは収納棚を作る手順をご説明していきます。実際に材料を購入する前には、棚に乗せたいモノの重さをあらかじめ測って棚の耐荷重を確認しておきましょう。
下地の種類によって耐荷重が変わってくることがありますので、棚を取り付けたい部分の下地に何が使われているかチェックすることも必要です。
- 水平器を使って二本の棚柱の高さが同じかつ平行になるようにする
- 同時に下地センサーを使い、下地のある場所を探す
- 電動ドライバーを使って専用のビスを棚柱に固定
- ブラケット(棚受け金具)を棚柱に差し込む
- ブラケットと棚板をビスで固定
幅60㎝×高さ120㎝の棚を作るには5,000円程度の材料費で仕上がります。棚を作るための材料は様々なメーカーから販売されていますが、棚柱とブラケットのメーカーを同じにしないときちんと取り付けられないことがありますのでご注意を。
リビング収納リフォームまとめ
リビング収納には、壁一面を使った大規模な壁面収納からDIYでも作れる棚まで、予算やスペースに応じたリフォームが可能です。収納するモノや使い勝手に応じて選んでみては?
リビング収納ならではの収納術を駆使しながら、スッキリとした使いやすい収納を目指してリフォームしましょう。