庭の手入れ方法の定番といえば、芝生を貼ることです。しかし、初心者がいざ本腰を入れて芝生を貼ろうと思っても、なかなかうまくいきません。
本記事にたどり着いたあなたも、もてあましている広い庭をキレイにするべく、芝生の貼り方を調べていることでしょう。
本記事では初心者向けの芝生の貼り方を具体的に解説しています。記事を読むだけで、カンタンに庭いじりができるので、ぜひ試してみてください。
芝生を貼るのに必要な道具とは
最初に芝生を貼るために必要な道具を紹介します。仮に1m×2mの面積に芝生を貼る場合、以下の道具が必要です。
- 芝生:30枚(1枚20cm×30cm)
- 砂:5袋
- 培養土:3袋
- 芝の目土:芝生10枚につき1袋
- その他:必要に応じて土慣らし用のスコップ・くわ等
以上です。 1m×2mの面積を前提にしているため、各庭の面積に応じて調整してみてください。初心者の場合は多めに芝生、土を用意しておくとトラブルがあっても安心でしょう。
各道具はすべて一般的なホームセンターで購入することができます。売り場の担当者に聞けば、おすすめの道具を教えてくれることもあるので、聞いてみてください。
芝生を貼るのにベストな時期
道具を揃えたら、次は芝生を貼る時期を検討しましょう。芝生は主に3月から6月に貼るのがベストです。春先から初夏に貼れば、気温の上昇にあわせて芝生が根づきます。初心者が貼っても青々とした芝生になりやすいです。
いっぽう、秋から冬にかけて貼る場合は注意が必要。気温が下がる時期は芝生が根を張らず、定着しない可能性があります。とくに東北、北海道といった寒冷地で芝生を貼るのは難しいです。
芝生を貼る前に、お住まいの地域が芝生の発育に適した気候がチェックしてください。
作業の前に芝生の4つの貼り方を覚えておこう
初心者が芝生を貼る前に覚えておきたいのが、貼り方のバリエーションです。芝生は貼り方によって、コストや完成までの時間が違います。以下では芝生の貼り方の種類を紹介するので、参考にしてみてください。
ベタ貼り
最もシンプルな芝生の貼り方がベタ貼りです。芝生1枚1枚を隙間を空けずに敷き詰める貼り方。とくに留意することがないため、短時間で貼り終えることができます。
デメリットとしては、必要な芝生の枚数が多いこと。一辺倒に芝生を敷き詰めるため、用意した芝生が少ないと足りなくなることもあります。。
ただし、初心者でもカンタンにできる貼り方なので、最初はベタ貼りがおすすめです。ある程度、庭いじりに慣れてから他の貼り方を試してみましょう。
目地貼り
目地貼りは芝生の間に等間隔の隙間を空ける貼り方です。レンガ模様を作るようなイメージ。最初は隙間の土が目立ちますが、芝生が成長すると埋め尽くされ、全面芝となります。
目地貼りは隙間を空ける分、ベタ貼りよりも必要な芝生の量が少ないのがメリット。全面芝になるまでの時間も短いので、コストと成果のバランスが取れた貼り方です。
初心者でも庭いじりに自信がある人は、目地貼りからやってみるといいでしょう。
市松貼り
市松貼りは名前のとおり、芝生と土で市松模様を作る貼り方です。目地貼りより必要な芝生の量が少ないのが特徴。低コストで芝生を貼るときにおすすめの方法です。
ただし、全面芝になるまでには時間を要します。芝生を貼っていない部分には雑草が生えるため、定期的な草刈りも必要です。
完成までの手入れが大変なので、とくに理由がなければベタ貼り・目地貼りを選んでください。
すじ貼り
すじ張りは行間を空けて芝生を貼っていく方法です。芝生と土でボーダー模様を描くような印象。低コストで芝生を貼れますが、完成まで時間がかかるため、普通の庭には不向きな方法です。
一般的には球場などの広い土地に芝生を貼るときに行われます。もし、自宅の庭がとても大きいのであれば、すじ貼りを選択してもいいでしょう。
平均的な庭では行う必要がないので、知識として覚えておいてください。
実際に芝生を貼ってみよう
芝生を貼るための道具、貼り方を覚えたら、実際に挑戦してみましょう。以下では芝生を貼る手順、貼り方のポイントを解説していきます。
芝生を貼る基本的な手順
芝生貼りは大きく3つの手順に分けることができます。具体的には以下のとおりです。
1.下地を作る
2.芝生を貼る
3.水を撒く
以上です。
最初に芝生を貼るための下地を作る必要があります。まず、芝生を貼りたい個所をクワなどで掘り起こしましょう。5cm~7cmほどの深さに掘るのが目安です。同時に目立つ小石、雑草を取り除くと、後の作業がスムーズになります。
掘り起こしが終わったら、次に砂を入れてください。掘り起こした深さが埋まるほどの厚みがベスト。入れ終わった砂はスコップなどで固め、仕上げに水を撒きます。
砂が仕上がったら、培養土を撒いてください。なるべく平らになるように均等に撒き、最後に足で踏み固めます。以上で下地は完成です。
下地が完成したら、後はどんどん芝生を貼っていきましょう。貼るとはいっても、土の上に芝生を置いていくだけの作業です。
貼り終わったら、芝生全体に目土をまぶしていきます。芝生と目土が馴染むくらいの量をまぶしてください。
目土が入れ終わったら、全体に大量の水を撒いて完成です。重労働ですが、とくに難しい作業は必要ありません。ぜひ、挑戦してみてください。
家に近い側から貼ることが大事
庭に芝生を貼るときは、家に近い側から貼っていきましょう。家から見て奥側から貼ると、芝生の縁が中途半端な位置になりやすいです。
家に近い側から貼れば、芝生の縁の収まりが悪くても、プランターなどで隠すことができます。万が一、芝生の量が足りないときでも、面積の調整がしやすいです。
見栄えのことを考えるなら、家に近い側から芝生を貼るようにしましょう。
庭いじりに慣れている人は水たまり対策を
庭いじりに慣れている人は、下地作りの段階で水たまり対策を施しましょう。具体的には水が外に流れるように下地に傾斜をつけます。水はけを良くすれば、過剰な水分で芝生の根が腐りません。
たとえば、庭周辺に側溝があれば、側溝に向けて傾斜をつけるといいでしょう。雨水が側溝に流れて、庭に水たまりができることを防げます。
下地に傾斜をつけることが難しいときは、下地を平らにすることを意識しましょう。凹凸を減らすことで、水がたまらないようにできます。
DIY初心者はトラブル対策をしておこう
DIY自体が初めてという人は、急なトラブルに備えることも重要です。慣れないことをすれば、想定外のことが起きることがあります。
たとえば、夏場に作業するときは虫よけスプレーを用意するといいでしょう。虫刺されによるかゆみで、作業がはかどらないこともあります。ちょっとしたケガに備えて、救急セットを用意するのもおすすめです。
DIY初心者は、自分が作業に慣れていないことを前提に道具を用意してください。
芝生を貼ったら定期的に手入れをしよう
芝生はただ貼っただけではキレイに育ちません。定期的な手入れが必要です。以下では芝生の手入れ方法を解説していきます。
刈り込み
芝生の手入れの基本は刈り込みです。貼った芝生が根づくと、成長して徐々に高さが増していきます。放置しておくと、乱雑に生え育つため、キレイに整えることが必要です。
刈り込みには市販の芝刈り機、せん定バサミなどを使います。だいたい2cm~3cmの高さに揃えるように刈るといいでしょう。ただし、短くしすぎると芝生が光合成を行えなくなるため、慎重に刈ってください。
刈り込みを行うのは3週間に1回程度が目安です。夏は芝生の成長速度が早いため、2週間に1度でもいいでしょう。
刈り込みを欠かさず行い、見栄えのいい芝生を維持してください。
土入れ
貼った芝生が全面芝となった後、新しく隙間が広がったら土入れを行いましょう。土入れを行うことで、芝生の成長を促すことができます。
使う土は芝生用の目土です。目土は粒子の細かい砂が入っており、芝生の発育に適しています。隙間やデコボコになっている個所を埋めるように目土を撒いてください。再び芝生が成長し、徐々に広がっていきます。
土入れを行っても芝生が剥げてしまうときは、新しく芝生を貼り直してください。
水やり
芝生の日常的な手入れとしては、水やりが大事です。とくに芝生を貼った直後は、根の成長を促すために多めの水を撒く必要があります。表面に湿気があっても、土の中は乾燥しているケースもあるため、多過ぎるくらいがベストです。
芝生がある程度育ってからは、1週間に1回は水やりを行ってください。梅雨は大雨で水分が供給されるため、土が乾燥していた場合のみ水をまきましょう。
毎週の水やりが困難な人は、タイマー式のスプリンクラーを購入すると自動で水やりが行えます。
エアレーション
芝生で最も欠かせない手入れがエアレーションです。エアレーションとは芝生に穴を開けて通気性を確保すること。根の部分に空気を通すことで、発育を促します。
具体的なやり方は刈り込みの後に、エアレーション用の穴開け機を使うだけです。等間隔に芝生に穴を開けて、空気が流れ込むようにします。仕上げに目土で穴を埋めれば終わりです。
エアレーション用の道具はホームセンターで購入できるので、探してみてください。
花や菜園でアレンジしよう
芝生を貼り終えたら、花の栽培や家庭菜園をやってみましょう。芝生はあくまでも庭づくりの第一段階です。色のある植物などを植えることで、より庭を華やかにすることができます。
たとえば、庭の縁に沿ってプランターを置いてみてください。旬の花を植えれば、季節感を増すことができます。庭に直接植えてもいいですが、初心者はプランターのほうが管理しやすいです。
芝生を貼ったあとは、ぜひ1歩進んだ庭づくりに挑戦してみてください。
芝生を貼って魅力的な庭を作ろう
初心者向けに芝生の貼り方を解説してきました。芝生を貼れば、庭の見栄えがよくなり、生活空間がオシャレになります。慣れてくれば、本格的なガーデニングもやってみたくなるでしょう。
最初は難しいかもしれませんが、ぜひ芝生貼りにチャレンジしてみてください。青々と茂った芝生を見れば、この上ない達成感に包まれるはずです。