サイディング外壁は塗装をし直す必要がないという話を聞いたことがあるかもしれません。ですが、サイディング外壁でも塗装をし直す必要があるため、定期的なメンテナンスは必要なのです。
今回はそんなサイディング外壁に塗装が必要な理由や、どれくらいの頻度でメンテナンスを行えば良いのかなどを説明していきます。現在の外壁がサイディング塗装で、今後どうすれば良いのか悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
サイディング外壁は定期的な塗装が必要!
外壁をサイディング塗料で塗装すると、今後のメンテナンスは不要になると思っている人もいますが、サイディング外壁にした場合でも定期的な塗装は必要です。
定期的なメンテナンスをせずに放置をすると、余計なメンテナンス費用が発生してしたり、家自体が悪くなってしまうので注意しましょう。
サイディング外壁を塗装する時期
建物の立地条件や、周辺の環境によってサイディングを塗装する時期は変わってきますが、サイディング外壁の素材によってもメンテナンス時期は変わってきます。
サイディングの種類 | メンテナンス周期 |
---|---|
窯業系サイディング | 7~10年 |
金属系サイディング | 10~15年 |
木質系サイディング | 10年前後 |
樹脂系サイディング | 10~20年 |
サイディングの種類別のメンテナンス周期は上記になります。ここからは1つ1つ特徴やメンテナンス周期について説明していきます。
窯業系サイディング
窯業系サイディングはセメントと繊維質を原料しています。現在最も使われているサイディングで、デザインが豊富で選ぶ楽しさもあります。
窯業系サイディング自体の寿命は30~40年程度ですが、サイディング表面の塗装が劣化してくる時期は7年~10年程度です。7年~10年程度で劣化してきたタイミングでメンテナンスを行わないと30~40年使う前に張り替え工事が必要となり、より高い費用になるので、メンテナンスは忘れないようにしましょう。
金属系サイディング
アルミニウムや鉄などの金属を成形・加工したものが金属系サイディングです。窯業系サイディングに次いで多いサイディングで、金属の質感を活かしてモダンな見た目になります。
窯業系サイディングと比べて、ひび割れや水漏れの心配が少ないのでメンテナンス周期は10~15年です。ただし、金属特有のサビの発生に注意する必要があり、発生したサビを放置していると10~15年より前にメンテナンスが必要になります。
木質系サイディング
天然木や合板などの木材を使ったサイディングで、木のぬくもりが感じられるため人気があります。断熱性に優れていて、環境にも優しい素材ですが、防火指定のある地域では使えません。
木でできているため、湿気に弱く長期間濡れた状態だと腐食に繋がりやすく、メンテナンス周期は10年程度となります。雨や台風が多い地域だとメンテナンス周期が短くなることもあるので注意しましょう。
樹脂系サイディング
樹脂系サイディングは日本ではあまり使われておらず、アメリカやカナダで良く使われています。塩化ビニル樹脂を主原料としていて、雨水や塩害に強いという特徴があります。
耐久性に優れていることもありメンテナンス周期は10~20年程度です。ただし、紫外線に弱いという特徴があるので、紫外線を遮る塗料を施工しておくと良いでしょう。
サイディング外壁の劣化症状
サイディング外壁に、以下の状態が見られた場合は劣化してきているので、塗装をするサインだと思ってください。また、以下の症状が見られた場合は、8~10年経つ前でも塗装工事を行いましょう。
コーキングが劣化している
コーキングが劣化して隙間ができると、サイディングの隙間から雨が侵入して雨漏りの原因となります。コーキングのみのメンテナンスだと耐候性が良くないため、コーキングを打ち直す場合はサイディング塗装も一緒に行いましょう。
サイディングにクラックが生じている
サイディングにクラックが生じている場合、クラックから雨水が浸透してしまってサイディングが劣化する可能性があります。サイディングが劣化していくことで雨漏りに繋がるので早めに塗装をしましょう。
放置してしまうとサイディング自体を張り替える必要も出てくるので、費用も高くなってしまいます。クラックが生じた段階であれば費用は抑えられるので、確認してみましょう。
サイディング表面に白い粉が出ている
サイディングが劣化してくると、白い粉のようなものが出てしまいます。サイディングの表面を手でなぞってみて、チョークの粉のようなものが付着した場合は劣化していると判断できます。
白い粉が出る状態になっていると、雨水が外壁に侵入しやすくなり、外壁素材全体が劣化していってしまうので、塗装工事が必要になります。
サイディング外壁の塗装費用
外壁の面積が100~200㎡の戸建住宅のサイディング外壁を塗装するときの費用は下記になります。
重ね張り | 約130~220万円 |
張り替え | 約150~230万円 |
重ね張りは既存のサイディングに重大な劣化がないときのメンテナンスで、新しいサイディングを重ね張りするケースです。この方法の場合は張り替えよりも安い130~220万円程度で抑えられます。
張り替えは既存のサイディング外壁が劣化しているときに行われます。張り替える場合は新しいサイディング材や施工費、古いサイディングの撤去費もかかるため150~230万円程度かかってしまいます。
またこの費用に追加して、養生費や資材運搬費などが追加されることもあります。業者によって異なる部分なので、見積もりの際に詳しく確認しておきましょう。
サイディング外壁のメンテナンスを減らすために行うこと
サイディング外壁は一般的に8~10年程度でメンテナンスが必要ですが、普段から簡単なメンテナンスをしておいたり、塗料を選ぶことでメンテナンスの回数を減らせるので見ていきましょう。
汚れはこまめに落とす
サイディング外壁を長持ちさせるためには、外壁についたサビ汚れなどをこまめに落とすようにしましょう。汚れをこまめに落とすことでサイディング外壁を劣化しにくくできるので、数ヶ月に1回程度は汚れを落としてください。
耐候性に優れた塗料を使う
耐候性に優れた塗料を使うことで、メンテナンス期間を延ばすことが可能です。主な塗料別の塗り替え周期は以下になります。
ウレタン塗料 | 5~7年 |
シリコン塗料 | 7~10年 |
フッ素塗料 | 15年~ |
無機塗料 | 15年~ |
ウレタン塗料は5~7年程度、シリコン塗料は7~10年程度、フッ素塗料は15年程度、無機塗料は15年程度の塗り替え周期です。選べるのであればフッ素塗料や無機塗料を選ぶとメンテナンスの回数が抑えられるのでおすすめです。
シーリングの耐候性を強化する
サイディング外壁の仕上がりだけに気を付けるのではなく、目地や開口部周りのシーリング部分はサイディング外壁よりも劣化が早くなります。なので、シーリングや目地材の耐候性が強いものを選んでおくことで、メンテナンスを減らせます。
初期費用は高くなってしまいますが、耐候性が優れたものを使うことでサイディング外壁のメンテナンス費用を抑えられるので、予算が足りる場合は良いものを選びましょう。
メンテナンスフリーの外壁はある?
メンテナンスフリーという言葉は業者も良く使いますが、全くメンテナンスが必要ない外壁というものはなく、メンテナンスの手間を軽減したり耐久期間が長いという意味で使われています。
メンテナンスフリーの外壁はありませんが、メンテナンス回数が少ない外壁はあるので見ていきましょう。
メンテナンスが少ない外壁素材
外壁の種類 | メンテナンス周期 |
---|---|
タイル外壁 | 約15年 |
ガルバリウム鋼板 | 約15年 |
タイル外壁は耐久性に優れていて、傷もつきにくいので耐用年数は30年程度あります。ですが、目地の補修を行っておいたほうが良いのでメンテナンス周期は約15年程度となります。
ガルバリウム鋼板も耐久性に優れた外壁で耐用年数は25年程度となります。ですが、定期的にメンテナンスをした方が長持ちするので、15年に一度はメンテナンスを行ってください。
外壁塗装で失敗しないためには業者選びが大切!
ここまでサイディング外壁の塗装の必要性やメンテナンスが少ない外壁について説明してきました。サイディング外壁でもメンテナンスは必要なので、定期的に業者を呼ぶ必要があります。
このとき、料金の安さだけで業者を選んだり、有名だからといって安易に外壁塗装を依頼しないようにしましょう。安易に決めて手抜き工事をされると、すぐにメンテナンスが必要になることもあり、トラブルの原因になります。
- 家の診断をきちんとしているか確認する
- 見積書の内容を詳しく見て確認する
- 塗装後のアフターフォローを確認する
上記3点をきちんと抑えておくことで、メンテナンスでの失敗は減らせます。無駄なトラブルを減らすためにも、業者選びは大切なので上記3つは忘れないようにしてください。
サイディング外壁は定期的に塗装しよう!
今回はサイディング外壁の塗装の必要性や、メンテナンス周期を説明してきました。メンテナンス周期はサイディングの種類によって変わってきますが、約7~15年程度のものが多いです。
また、普段から外壁をキレイにしたり、耐候性に優れた塗料を使っておくことでメンテナンスの期間は延ばせるので、結果的に費用は抑えられます。少しの手間でメンテナンスは減らせるので、数ヶ月に1回はお手入れをしましょう。