補助金・支援制度

万が一に備えるリフォームの瑕疵保険!契約前に知っておくべき注意点とは?

リフォームをする際、「瑕疵保険」に加入することをオススメされたが、そもそもどういった保険なの?と疑問に思っている方は多いと思います。

瑕疵(かし)保険というのは、リフォーム等の工事の際に欠陥や不具合が発生した場合、もしくはリフォーム会社が倒産した時などに、費用を補償してくれる保険のことを言います。

この記事では、解りにくい瑕疵保険についての解説を始め、契約する際の注意点などを説明していきます。

瑕疵保険は欠陥、廃業の際に補償をしてくれる保険のこと

瑕疵保険の瑕疵(かし)とは「機能しているべきである状態が備わっていないこと」を差し、リフォームに当てはめると、建築上での不具合や欠陥のことをさします。

瑕疵保険に加入していると、会社の倒産、廃業時や欠陥時の補償をしてくれると、不測の事態でも安心できる保険となっています。

リフォーム業者が倒産してしまった!

レアケースとはいえ、工事中にリフォーム業者が倒産してしまう場合もあります。別の業者に依頼しなければならず、面倒な手間が増えてしまいます。損害賠償を請求する場合もありますが、倒産していることを考えればそこまでもらえない可能性があります。

もし保険に入っていれば、倒産した業者ではなく保険法人に補償費用を請求できます。

ちなみに、倒産するリフォーム業者の特徴として契約を急がせたり支払いをすぐ求めだしたりなどが挙げられます。リフォーム途中での倒産は非常に面倒なことですので、業者を探す際にそれらの特徴が当てはまっていないかチェックしておきましょう。

工事に欠陥部分を見つけてしまった!

職人がきちんとリフォームしてくれるとはいえ、職人も人間なのでミスを起こす可能性もあります。欠陥があれば再度工事しなければならなくなるため、さらに費用が増えてしまいます。

保険に加入していることで、そういった不要も補償してくれる場合もあります。

ただし保険の適用外となっている場合は補償が受けられない場合もあるので、ここは注意してください。

瑕疵保険は発注者(消費者)・事業者・保険法人で成り立つもの

この保険は、発注者(消費者)・事業者・保険法人の3つによって成り立っています。リフォーム事業者(リフォーム会社)が被保険者となり、補償を受けられる対象となっています。

出典:株式会社日本住宅保証検査機構

ここからは発注者、リフォーム事業者、保険法人ごとでの仕組みを解説していこうと思います。

発注者(消費者)から見た場合

発注者、つまり”リフォームを受けるお客さん”から見た場合、発注者はリフォーム事業者を通して保険の申し込みを行います。その後、検査を通して保険の加入が認められます。

基本的にこの保険は発注者ではなく、リフォーム業者が被保険者となります。認識としてはリフォーム事業者が、何か起きたときのために補償金を払えるための保険といった形になっています。

リフォーム事業者から見た場合

リフォーム事業者から瑕疵保険を見た場合、発注者から保険加入を依頼されて保険法人との手続きを行います。もちろん、発注者とは工事を請け負う契約をします。

なお、手続きの流れとしては以下のとおりです。

1.保険法人に事業者登録を行う
2.工事ごとに保険を申し込む
3.工事を行う
4.第三者による検査
5.工事完了時に保険証券の発行を申請する
6.保険証券を受け取る

保険法人に登録されるためには基準をクリアしておかなければならず、瑕疵を伴う工事経験がある場合は登録できません。そういったことを考えると、登録されている業者は工事の品質が確保されていると言えるでしょう。

保険法人から見た場合

保険法人は、何らかの問題が起きた時に事業者もしくは発注者に対して保険金を支払います。それ以外として、保険法人は工事現場に第三者の検査員(建築士)を派遣して問題なく進められているかどうかチェックします。

瑕疵が起きた場合、発注者から受けた瑕疵報告をリフォーム業者が受ける形で、保険法人へ、保険金の請求が行われます。

もし、リフォーム業者が倒産してしまった場合は、保険法人が直接発注者へ保険金の支払いが行われる流れになっております。

保険期間は工事の内容次第

リフォームを行ったすべての部分に対して適用される瑕疵保険ですが、その期間は工事の内容によって1年から10年まで変化します。

5年間の工事内容

壁や柱といった構造耐力上必要な部分が基本的な耐力性能を満たしていない場合や、雨漏りの侵入を防ぐ部分が防水性能を満たしていない場合は、5年間が設けられています。

例として、工事が終わって5年以内に新耐震基準を下回っていたことが分かった時は保険金を受け取れます。

1年間の工事内容

上記で紹介した工事以外の場合は1年間のみ。具体的には、和室から洋室への変更や水回り工事などが、1年間の保険期間となります。

ただし、例外もあります。例えば、工事後にひどく沈下してしまった場合は社会通念上において必要とされる部分の性能が十分ではありませんので、保険金が受け取れます。

10年間の工事内容

基礎部分の増改築に関しては、他よりも長い10年間が設けられています。これは増築特約によって長めに設定されており、工事完了確認日からカウントが始まります。

対象に関しては、5年間のケースと同じ。増改築だけの特別な対象があるといったことはありません。

瑕疵保険加入時の3つの注意点!

ここまで読むと安心できる保険と思うかもしれまぜんが、注意点もあります。契約後に後悔しないためにも、ぜひこちらも読んでおきましょう。

注意点①期間が短い

リフォーム内容によっては保険期間が短い場合があります。例えば屋根のリフォームは5年間ですが、工事後の5年間で雨漏りする可能性は滅多にありません。

そもそも、雨漏りは板金や屋根本体の経年劣化などによって起きるもの。基本的に屋根は数十年持つものが多く、古い建物で使われているトタンでも約20年とされています。それらを踏まえると、5年間というは短い期間と言えます。

その上、人によっては割高と考える方もおり、意外にも保険の加入を希望する方はそこまで多くありません。強制的に入らなければならない保険でもないため、じっくりと考えた上で加入するかどうか決めましょう。

注意点②検査の影響で工事が長引く

保険に加入すると、検査員による現場検査が何回か行われます。天候次第では検査日がなかなか決まらないこともあり、その影響で工事が長引いてしまうこともあります。特に屋根のリフォームであれば、なおさら天候に振り回されやすいです。

注意点③事業者ではなく発注者が支払う場合も

上記で紹介したように、この保険はリフォーム事業者側が被保険者となります。しかし、保険自体は絶対加入しなければならないものではありません。任意であるが故に、保険料を支払って工事をする業者は滅多におらず、発注者が保険料を負担するケースが多いです。

もしこれから業者を探すのであれば、住宅瑕疵担保責任保険法人に登録されているかどうか調べておきましょう。登録されている業者であれば、保険に加入できます。事業者の一覧は、以下の公式サイトに掲載されています。

一般社団法人 住宅瑕疵担保責任保険法人の公式サイト

ただし、業者によっては独自で保証制度やアフターフォローを設けているところも。特に大手の業者であれば、地元業者よりもそれらの制度が手厚いです。そのようなことから、瑕疵保険に入らず業者が設けている保証制度を利用するケースもあります。

保険金の額はどのように決まる?

この保険の金額は、補修費用等を10万円で引いた数に対して80%を掛けるという計算で決まります。式で表すと以下のとおりです。

(補修費用等−10万円)×80%=保険金支払い額

なお、事業者が倒産した場合は発注者に対して支払う金額が80%ではなく、100%となります。

事前にしっかりと保険内容を理解しておこう

工事する上で保険の有無は重要なことであり、今回紹介したものであれば加入しておくことで倒産や欠陥の発見といった問題が発生した時に安心できます。ただし、割高な部分や保険料を支払わなければならないといった注意点もあるため、そのことも考慮しなければなりません。

もしこれからリフォームを検討しているのであれば、ぜひ今回紹介した保険についてもチェックしておいてください。