無垢フローリングにリフォームしたいけど価格が高そう…とお悩みの方に、今回は無垢フローリングの価格を左右する5つのポイントや施工費用を解説。
他の床材との比較やマンション用防音フローリングにする際の相場もご紹介していきます。リフォーム後にきれいな状態を保つためのお手入れ方法もありますので、「無垢フローリングに張り替えたい」「無垢フローリングのお手入れって難しいの?」という方には必見です。
無垢フローリングとは?
無垢フローリングとは、天然の木材そのままを切り出して作られた床材のこと。素足で歩いても木のぬくもりを感じられ、化学物質が入った接着剤を使用していないので、健康にも優しいのが特徴です。
木目や節などがそのまま残っているため品質にばらつきがありますが、自然のままな木の表情豊かなさまを楽しめる方におすすめです。
無垢フローリングの種類
無垢フローリングは使用する樹木の種類によって色や風合い、価格や加工のしやすさが異なります。それぞれに異なる特徴を持っているので、代表的な木の種類と共に見ていきましょう。
木の種類 | 特徴 |
オーク(ナラ) | 昔から船の甲板やウィスキー樽に用いられてきた木材。 高い耐久性と耐水性が特徴で、木目の美しさは格別。 使えば使うほど味が出るとして人気のフローリング材。 |
チーク | 油分を豊富に含んでいるため水に強くしっとりとしている。 明るい褐色から黒っぽい筋状の木目がランダムに出る。 |
メープル | 明るく清潔感のある風合いで木目は主張しすぎない程度。 程よい硬さがあり密度が高いのでお手入れしやすい。 |
ウォールナット | 三大銘木の一つとして古くから家具や内装に用いられている。 木目はなめらかで深い褐色の木目は高級感がある。 |
パイン | 白に近い色味とややはっきりとした節が特徴。 柔らかいので加工がしやすい反面傷が付きやすい。 |
スギ | 日本の代表的な木材として住宅の仕上げ材にもなっている。 柔らかな手触りと赤みがかった木目が特徴。 |
バーチ(カバ) | 桜に似たソフトな木目が優しい雰囲気を演出。 適度な硬さがありお手入れしやすく、色にばらつきが少ない。 |
無垢フローリングのメリット
無垢フローリングにはおすすめするだけのメリットがたくさんあります。
- 肌触りが良く天然木の温かみが感じられる
- 一つとして同じ模様がなく個性ある空間に仕上がる
- 木の香りでアロマテラピー効果が期待できる
- 調湿効果があるため部屋の湿度をコントロール
- 年月が経つごとに味のある風合いに仕上がる
無垢フローリングのデメリット
木の温かみが感じられて調湿効果がある無垢フローリングには、使用やお手入れに伴うデメリットがあります。
- 空気中の水分により膨張と収縮を繰り返すことで割れや反りが生じる
- 表面加工されていないものはキズが付きやすい
- 水が染み込みやすく放っておくとシミになる
- 複合フローリングよりも材料費や施工費が割高になる
適している人や暮らし方とは
上記のような特徴を持つ無垢フローリングは、素材自体の温かみが感じられ意匠性に優れているのでナチュラル感のある生活を楽しめる方におすすめ。化学物質を含む接着剤を使用していないためシックハウス症候群の心配がありませんので、アレルギー体質の方や小さなお子様がいるお宅に向いています。
一方で使い込んでいくと日焼けやキズが目立つようになります。そうした経年による変化を楽しめる余裕を持てるようになると良いでしょう。
無垢フローリングは水に強くないことから、キッチンなどで水をこぼしたらすぐふき取るようにしましょう。また定期的に蜜蝋ワックスでコーティングしてあげると汚れや水しみができにくくなります。
そうしたお手入れも面倒がらずにできるなら、無垢フローリングを楽しめるのではないでしょうか。
無垢フローリングの価格を左右するポイント
無垢フローリングの本体価格というのはいくつかのポイントにより決まってきます。リフォーム費用を抑えるコツにもなりますので、無垢フローリングを選ぶ際の参考にしてください。
広葉樹・針葉樹の違い
樹木には冬に葉を落とす広葉樹と冬でも常緑の針葉樹という二種類が存在します。この違いによって無垢フローリングの価格が変わることがあります。
一般的に針葉樹は広葉樹に比べて生長が早く、まっすぐ上に伸びる性質から加工がしやすい側面があります。ゆえに広葉樹よりも針葉樹の方が手に入りやすいため価格が安め。
広葉樹は横に広がりながら曲がって生長していくため、供給までに時間がかかり加工がしにくいという特徴が。特に銘木と呼ばれるまでに成長するには気が遠くなるような年月がかかることも。
最近では希少な天然木の取引が制限されていることから、ウォールナットやマホガニーなどは大変高級で手に入りにくくなっています。
木の種類
使用している木材の種類によって無垢フローリングの本体価格が大きく変動することがあります。比較的価格が高めの広葉樹の中では、中米や南米アマゾンで取れるマホガニー材が人気。
「森の宝石」とも呼ばれ、硬質の滑らかな木目はフローリング材以外にも家具や楽器の材料として高値で取引されています。
整った木目などの見た目の美しさや割れや反りが少ないという寸法安定性のある種類に特に人気があり、伐採量と比較して需要が高い場合も価格が高騰します。
木材のグレード
無垢材は細かく6区分のグレードに分けられます。節の入り方や変色が少ないといった見た目による分け方で、このグレードによって価格が変わってきます。
グレード | 詳細 |
プライム | 中心部の色の濃い部分のみを使用し、節や変色がない。 |
セレクト&ベター | 中心部を使用しているが小さい節がある。 |
セレクト | 中心部80%・外側20%の割合で小さい節がある。 |
キャラクター | 中心部と外側の割合は半々、小さい節がある。 |
プライム&ラスティック | 最上級グレードと最下級グレーどが混ざったもの。 |
ラスティック | 大きな節が入っている。 |
高いグレードであるほど、中心部に近く色の濃い「心材」を使用しています。逆に外側の白っぽい「辺材」は心材と比べて腐りやすく強度が落ちる特徴があります。
フローリング一枚のサイズ
同じ種類で同じグレードの無垢材であっても、フローリング一枚当たりのサイズが大きいほど価格が高くなります。無垢フローリングは一般的に幅60~200mmまでありますが、幅が広くなるにつれ広々として高級感のある空間に見せる効果を持っています。
また幅広のフローリング材というのは1本の丸太から切り出せる数が少なく、そこまで木が大きく成長するには大変長い年月が必要となります。このような理由から必然的に幅の広いフローリングというのは高級と位置づけられています。
フローリングの厚み
無垢フローリングの厚みがあるほど価格が高くなる傾向があります。標準的な無垢フローリングの厚みは12~15mmとされていますが、中には20~30mmの厚みがあるものも。
踏み心地が柔らかく、温かみのある中にも安定感を感じられます。30mmほどの厚みになると下地なしでも床に張れるため、二階部分に採用されることもあります。
フローリングの厚みがある分、調湿効果に優れており、部屋の湿度を快適に保ってくれます。
無垢フローリングにリフォームする施工費用
では実際に無垢フローリングにリフォームする際の費用相場を解説していきます。こちらではシチュエーション別に費用を見ていきましょう。
畳からの張り替え費用
畳敷きの和室を無垢フローリング張りの洋室にする場合、床下地の張り替え工事や畳の処分費などが発生するためリフォーム費用は高めになります。
無垢フローリングの価格に施工費をプラスすると、1畳当たり3万~5万円前後かかることも。6畳の和室なら18万~30万円前後かかる計算になります。
ただし床をフローリング敷きにしただけで和室が洋室として使えるわけではありません。壁や床、天井などもリフォーム工事が必要となりますので、予算に応じてどの程度まで洋室化を進めるのか業者と相談してください。
フローリングの上に重ね張りする費用
既存のフローリングの上に無垢フローリングを重ね張りする費用は、1畳当たり2万~5万円が相場となります。古い床材を撤去して張り替える工事とちがい、撤去処分費用が抑えられます。
また工期も短くて済むのがメリットですが、床に段差が出来たりドアが開かなくなるなど不具合が生じることがあります。また下地を露わにできないため、傷んでいる場合に適切な補修ができないのもデメリットです。
マンション用防音仕様にする費用
マンション用の防音仕様で無垢フローリングを施工する費用は、1畳当たり3万~5万円ほど。重ね張りではもう少し費用を抑えられます。
マンションでは防音基準が設けられている場合、一定の防音効果がある床材を使用しなければなりません。防音等級は音の伝わりにくさを数値化した「L値(略してLL)」で表され、マンションではLL-45が一般的。
通常は二重床にしたりゴム製の防音マットを敷いて施工しますが、最近では遮音性能付きの無垢フローリングなどもあります。
無垢フローリングを長持ちさせるメンテナンス法
せっかく張った無垢フローリングは適切にお手入れしてきれいな状態を長持ちさせましょう。
毎日のお手入れ方法
普段フローリングをお手入れする際には、掃除機か乾いたぞうきんで乾拭きしましょう。無垢フローリングは水に弱いため、余分な水分を吸い込むと割れてしまう可能性も。
万が一水をこぼしてしまったらすぐにふき取り、水が染み込まないようにしましょう。どうしても汚れや黒ずみが気になった場合は、水で薄めた中性洗剤で落とした後、水拭きしてください。
それでもどうしても落ちない汚れは目の細かい紙やすりで表面をこすると、キレイになるでしょう。
ワックスの選び方
せっかく天然木の自然な肌触りが魅力の無垢フローリングを選んだからには、ワックスの種類にもこだわりたいもの。できれば専用ワックスやミツバチの巣から抽出した蜜蝋ワックスを使うと良いでしょう。
キッチンなどの水廻りは半年に一度、それ以外のリビングなどは3年に一度程度でOK。表面の汚れを良く落としてから、ワックスを全面にすりこんでください。
少し水を垂らして水を弾かなくなったらワックスのかけ時です。小さなお子様がいるご家庭やペットを飼っているお宅ではもっと頻繁にワックスがけが必要になる場合があります。
モノを落として凹んだ場合
表面が柔らかい無垢フローリングに、硬いものを落とすと表面にキズが付いたり凹んだりすることがあります。凹みも味としてそのままにする方法もありますが、気になるようなら自分で直してみましょう。
- 凹みがある部分に広く紙やすりを掛けて削る
- 紙やすりを掛けた部分に水を垂らして30分放置
- タオルでふき取りそのタオルを凹みに上に置く
- タオルの上からアイロンで熱を加える
やけどに気を付けながら様子を見て1~4の手順を繰り返してください。水分を吸って自然に凹みが目立たなくなります。
予算やライフスタイルに合った無垢フローリングを選ぼう
自然そのままの木のぬくもりを感じられる無垢フローリングは、私たちの生活を豊かにしてくれます。とはいえ無垢フローリングへリフォームするにはそれなりに費用がかかります。
無垢フローリングは木材の種類や幅、グレードや厚みによって価格が変わりますので、予算やどんな見た目にしたいかで選ぶと間違いないでしょう。
お気に入りの無垢フローリングを長持ちさせるには適切なお手入れが必要。普段のお手入れから数年に一度のワックスがけなど、特徴に応じた方法でお手入れをしてください。