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複合フローリング選びに迷ったら…6つのポイントから見る種類を徹底解説!

複合フローリングは最も一般的で施工費用が安い床材です。しかし種類が多すぎてリフォームする際に何を基準に選んだらいいか迷う方も多いのでは?

そこで複合フローリングを様々な側面から見た種類を詳しくご紹介。これを読んだだけで複合フローリングの種類が知れるのはもちろん、どんな複合フローリングを選べば良いのかも分かるようになります。

複合フローリングとは?

家を新築する際に最も多く使われているのがフローリングです。フローリングには天然の木材を切り出した「無垢フローリング」と、合板などの基材の表面に化粧材を張った「複合フローリング」の二種類があります。

複合フローリングは表面の化粧材により様々な色や柄から選べます。また合板を張り合わせている特徴上、膨張や伸縮が少なく寸法安定性が高いのが特徴。

さらに温度や湿度の変化にも強いので床暖房の表面材としても使用されています。キズや水にも強いので、どの部屋にも使える床材となっています。

表面の化粧材は3種類

複合フローリングには3種類の化粧材があります。それぞれに特徴が異なりますので、選ぶ際の参考にしましょう。

突き板

天然の木材を0.3~1.0mmほどに薄くスライスしたものを「突き板」といいます。「天然木化粧合板」とも呼ばれ、使用する木材の種類によって木目の出方や節、異なる色目などを楽しめます。

使っている木材はナチュラルな色目が人気のメイプルや人気のオーク、ウォールナットなど。天然木の風合いを感じられる一方で、比較的手ごろな価格でリフォームが可能です。

挽き板

「挽き板」とは天然木をのこぎりで挽いて、2mm程度の厚みにした化粧材。突き板よりも厚みがあり、より無垢フローリングに使い質感を感じられます。

とはいえ合板と張り合わせているため天然木のデメリットである反りやゆがみなどはほとんどありません。突板の複合フローリングより価格は高めですが、無垢フローリングのような見た目にしたいという方におすすめです。

プリントシート

樹脂やオレフィンシート、紙などに様々な柄をプリントしたシートのことを指します。柄には木目はもちろん、石柄や抽象柄などがあり、新しいフローリングの表情が楽しめると人気になっています。

特殊な表面加工を施したりシートを重ねるなどの独自技術で、より機能性の高いフローリングを作りだしているメーカーもあります。インテリア性が高くたくさんの種類から選べるため、多くの新築分譲住宅でも採用されています。

住宅別施工方法

複合フローリングは住宅の種類に応じた下地構造により、施工方法が異なってきます。こちらでは代表的な在来木造住宅の床に張る場合と、鉄筋コンクリート造マンションに張る二種類の方法について見ていきます。

戸建て住宅

在来木造住宅の床に複合フローリングを施工する場合には、大引きと呼ばれる土台の上にベニヤなどの合板を敷き、仕上げ材であるフローリングを張っていきます。

以前は大引きの上に根太(ねだ)という骨組みを取り付け、断熱材などを敷き詰めた上にフローリング材を張ることがほとんどでした。

最近では根太を省略して大引きの上に厚い合板を張る施工方法が増えています。

マンション【直張り】

鉄筋コンクリート造のマンションでは、コンクリートの上に直接フローリングを直張りする施工方法があります。下地が平らで強度が十分であれば、フローリングの直張りは可能です。

ただしマンションでは階下に足音が響きやすいため、防音性能を持つ床材を使用することが求められます。直張りによる施工でも遮音や防音機能のあるフローリングを選んでください。

マンション【二重張り】

より遮音性を高めるために、二重床という施工方法でフローリングを張ることもあります。これはコンクリートの上に根太などで空間を作り、そこに合板を敷いてフローリングを張るという施工方法。

コンクリートとフローリングの間に隙間ができるため、より音を伝わりにくくしています。間に緩衝材を入れることもあり、より高い遮音性を得られます。

表面材に使用する木の種類

化粧材が突き板や挽き板の場合、使用する木材の種類によって色合いや木目の出方が変わってきます。ここでは木材を広葉樹と針葉樹の二種類に分けて、それぞれの代表的な樹木の特徴をご紹介していきます。

広葉樹

熱帯から温帯地域に広く分布している広葉樹は横に枝を伸ばし、縦への生長は遅いのが特徴。針葉樹に比べて硬く、古くから船の甲板や高級家具の材料として珍重されてきました。

またキズが付きにくく湿気によって膨張・収縮しにくい特徴があります。また腐食に強く耐久性が高いことから建物の土台や鉄道の枕木としても用いられてきました。

種類特徴
ウォールナットクルミ科の広葉樹で世界三大銘木の一つ。
深い色目と重厚感のある木目が特徴。
メープル白っぽい明るい色目が人気で家具や楽器に使われている。
曲げや収縮に強くキズが付きにくく耐摩耗性もある。
オーク(ナラ)白っぽいものから赤っぽい色目まで種類が豊富。
人気のフローリング材で耐久性が高い。
チーク味わい深い色合いが魅力で内装材や家具に使われている。
油分を含んでいるため耐水性が高く経年により艶が出る。
ブラックチェリー手触りが滑らかで木目が細かい。
年月が経つと深みのあるレッドブラウン色に変わる。

針葉樹

スギや松など日本にも多く自生している針葉樹は、上にまっすぐ幹が延びる性質があるため住宅の材料としてよく使われています。また広葉樹に比べて柔らかいので加工がしやすいのも特徴。

ただしキズが付きやすいというデメリットがあります。手触りは柔らかく温かみがあるので無垢フローリングとしても人気。

種類特徴
スギ国産の針葉樹としてなじみ深く、家具や建材として使われている。
中心に行くにしたがって白から淡いピンク色に変わり木目はまっすぐ。
加工がしやすく保湿性が高いのが特徴。
ヒノキ日本の代表的な高級木材として、柱や浴槽材として人気。
独特の芳香があり水に強く耐久性が高い。
パイン白っぽい木目に濃いめの節が多く並ぶ。
柔らかい触り心地で温かみのあるフローリング材になる。
アカマツ弾力性があり耐久性に優れていることから建物の構造材に使われる。
油分があり水に強いので、水廻りの床材としておすすめ。
カラマツ針葉樹の中では硬くて耐久性があり柱や土台として使用。
ハッキリとした木目や節の多さが魅力になる。

基材の種類

基材とは表面材をはる土台の板のこと。この基材に何が使われるかによっても種類分けすることができます。

複合一種

複合一種の基材には合板のみが使われています。合板はベニヤとも呼ばれ、原木を薄く切り取りそれを貼り合わせた建材のことを言います。

貼り合わせる際には一枚づつ繊維方向を交差させるように重ねていくので、無垢材よりも伸び縮みが少なく強度が高いのが特徴です。もちろん木材なので調湿機能があり、断熱性や吸音性にも優れています。

複合二種

基材に集成材や単板積層材のみを使用したもの。断面寸法が小さい木材を乾燥させて接着剤を使用して貼り合わせています。

建物の柱や梁といった構造材だけでなく、内装やテーブルの天板にも使用されています。反りなどが少なく加工しやすいというメリットがあり、無垢材のフローリングよりも安く購入できます。

複合三種

複合一種・二種以外の材質を使用した基材のこと。主に使われるのは下の材料です。

機材の種類特徴
MDF木材をチップ状にしたものを線維化して成形したもの。
表面は硬く水や湿度に対する寸法安定性が高い。
パーティクルボードMDFよりも大きな木材のチップ状を成形したもの。
強度を持たせやすく家具などによく使われている。
遮音材特殊な緩衝材を基材として遮音性を持たせたもの。
フカフカと柔らかな踏み心地がする商品もある。

フローリングの性能というのは、消費者の目に触れにくい基材の工夫により左右されます。表面材の色柄はもちろん、基材の材質にまでこだわって選んでみてはいかがでしょうか。

機能による種類

複合フローリングには様々な機能を持つものがあります。基材の組み合わせや表面加工により無垢フローリングでは得られない機能を発揮することも。

代表的な無垢フローリングの機能をご紹介しますので、部屋の用途やライフスタイルによって選んでください。

機能特徴
防音制振マットや緩衝材を基材に入れて階下に伝わる振動や音を軽減
耐水日常生活での水濡れに強い表面加工で洗剤や調味料汚れにも強い
抗菌抗菌塗料を表面に施すことで細菌の繁殖を抑制する
防汚フッ素塗料で表面を覆い薬品や調味料をこぼしても染み込みにくい
耐変色紫外線による塗膜の変色を防ぐので西日が差す部屋におすすめ
耐摩耗人がよく通る場所やモノを引きずっても表面が摩耗しにくい
耐衝撃硬度のある基材を使用し表面にはキズが付きにくいプラスチック樹脂を使用
キズや凹みが付きにくいため、リビングやダイニングにおすすめ

用途別の種類

フローリングのある床でどんな使い方をしたいか?によっても選ぶことができます。

土足用

土足用の複合フローリングは化粧材に硬い材質の突き板や圧縮木材など使用して強度を高めています。独自の耐久試験にもクリアし、たくさんの人が出入りするショップや事務所などに適している床材。

転倒時の衝撃を吸収したり階下へ伝わる音に配慮した商品もあります。

床暖房・ホットカーペット用

床暖房に対応したものやホットカーペットでも使える複合フローリングがあります。床暖房やホットカーペットなどの熱を発する設備に、通常のフローリングを使うと乾燥からひび割れや反りが発生してしまいます。

もし床暖房やホットカーペットを利用することが決まっているのなら、熱に強く反りなどが発生しにくい加工を施したフローリングを選んでください。

マンション用

お住いの場所によっては遮音性の高い床材を指定しているマンションがあります。遮音等級LL-45以下の防音床材に指定されている複合フローリングであれば大丈夫でしょう。

こうした防音フローリングを選ぶ他にも二重張りで施工したり、フローリングと合板の間に緩衝材や防音マットなどで対応することもあります。

ペット対応

室内飼いのペットがいるご家庭ではペットに対応した複合フローリングはいかが?ペットの匂いや汚れに強く、爪によりひっかき傷が付きにくい加工を施しています。

また走り回っても滑りにくいなど、ペットの体に配慮した工夫がされています。ペットとの生活をより快適にするには床材から変えてみましょう。

リフォーム専用

費用や日数を掛けずにリフォームができるよう、既存の床の上に重ね張りできる複合フローリングがあります。一般的な物よりも厚みがなく、専用の納まり部材などがセットになっている商品も。

美しい仕上がりにも配慮された、リフォームには最適のフローリングです。

キャスター付きイス・車いす対応

キャスター付きのワゴンや車いすで室内を移動しても凹みやキズが付きにくい複合フローリングが便利。通常の合板を基材としたフローリングよりも強度が高く、一か所に強い力が加わっても凹むことがありません。

種類が豊富な複合フローリングを上手に選ぼう

複合フローリングには化粧材や基材の違いによって様々な特徴を持ち、住宅によって施工方法が異なることが分かりました。

また耐水性能や防汚機能などの便利な機能を持つものも多数。床暖房に対応していたり、ペットを飼っているお宅や車いすでも安心の複合フローリングがありますので、部屋での過ごし方や家族構成によって選びましょう。