家のカーポートから雨漏りしているのを見つけたら、まず、何をすればよいのでしょうか。車や自転車などを雨などから守るためのカーポートが雨漏りをしていては、元も子もありません。
この記事では、カーポートの雨漏りを見つけてから修理をするまで、何をすればよいのかを詳しく解説します。カーポートの雨漏りで困っている方や何をすればよいのかわからない方は、ぜひ参考にしてみてください。
雨漏りを発見した時の対処法
カーポートの屋根から水が落ちてくるのを見つけた場合、まず、何をすればよいのかを説明します。
雨漏りの応急処置
大抵の場合、雨漏りは雨が降っている時に見つかります。雨が降っている状態でもすぐにできることは、次の通りです。
落ちてくる水を受ける
雨の中、雨漏りや水漏れの原因を見つけることは大変です。よって、原因の究明は後回しにして、まず、落ちてくる水を処理しましょう。
落ちてくる水が大量でなければ、水が落ちてくる箇所にビニールシートなどを養生テープで貼って水受けを作り、それを斜め設置することで水を流せる場所まで誘導します。
大量の水漏れの場合はシートで受けることができないので、雨が止んでから早急に原因を確認して修理するようにしましょう 。
保管しているものを水から守る
カーポートに保管しているものにもよりますが、濡れて困るものがある場合は、まずそれらを水から守ることが優先事項です。
車の場所を移動したり、置いているものを濡れない場所に避難させたりします。どうしても移動できない場合は、ビニールシートで被うなどして水に濡れない工夫をしましょう。
水が落ちる箇所の記録
雨漏りの応急処置が済んだら、水が落ちてくる箇所にテープなどでマーキングしておくことをおすすめします。後日、雨が止んでから雨漏り箇所を特定する際に、どこから水が漏れているのかわからなくなるからです。
また、水が落ちてくる箇所や様子を写真や動画で撮影しておくと、業者に修理を依頼する際にも説明がしやすくなるためおすすめです。
水が落ちてくる箇所が漏れている箇所とは限らないので、水が落ちてくる箇所だけでなく、濡れている場所全体がわかるようにしておく方がよいでしょう。
雨が止んでからすること
次に、雨が止んでからすることについて説明します。
雨漏りしている箇所を特定する
雨漏りを見つけた際に、マーキングしておいた箇所を詳しく調べて、雨漏りの場所を確定します。
屋根材の破損を調べる
水が落ちていた箇所や濡れていた場所をよく確認して、屋根材に割れやヒビがないかを調べます。破損している箇所が水が落ちていた箇所から離れていることもあるので、広い範囲をくまなく調べましょう。
マーキングしておいた箇所がわからなくなった場合は、ホースなどで屋根に水を流して確認をします。
そして、もし屋根材などの割れやヒビなどを見つけた場合は、後述の「屋根材が破損している場合」を参考にしてください。
雨樋を調べる
屋根材に問題がなければ、カーポートの雨樋を調べます。安定している場所で、十分な高さの脚立を使うようにしましょう。
まず、雨樋にゴミや泥などが詰まっていないかを調べます。次に、雨水を地面に流す縦管が詰まっていないかどうか、ホースなどで水を流して確認しましょう。
もし、雨樋が詰まっていたら、後述の「雨樋が詰まっている場合」を参考にしてください。
コーキングを調べる
カーポートの屋根材の破損ではなく、屋根材同士のつなぎ目や、支柱の連結部分に使われているコーキングが劣化して水が漏れている場合もあります。
コーキングが劣化しているかどうかを調べるには、あやしい箇所に少しずつ水を流して、水が漏れてくるかどうかを確認しましょう。
コーキングしている部分から水が漏れていたら「コーキングが劣化している場合」を参考にしてください。
雨漏りしている箇所がわからない
水が滴り落ちていたのに、どこから雨漏りしているのか、場所がわからない場合もあります。
そのような場合、季節によっては、雨漏りではなくカーポートの屋根の結露がたまって、水が落ちていた可能性もあります。鋼板の屋根材の場合、気温差によって結露がたまやすく、下に落ちてくる場合があります。
結露防止材が吹き付けられていることが多いのですが、それが劣化して、結露を止められなくなっている場合があります。その場合は、業者に連絡をして、結露防止材を吹き付け直してもらいましょう。
雨漏りの修理
雨漏りの原因がわかったら、雨漏りの修理をします。自分でできる修理なのか、修理業者に依頼する必要があるのかは、状況やDIY技術の有無によって変わりますので、自分に一番合っている方法を選ぶようにしましょう。
雨樋が詰まっている場合
水漏れの原因が雨樋の詰まりの場合は、雨樋の掃除をして水が流れるようにします。
まず、スコップや手を使って、雨樋に溜まっているゴミや泥などを取り除きます。高所作業になるので、自分でおこなうのが難しそうだと感じたら、無理をせずに業者に依頼するようにしましょう。
雨水を地面に流す縦管が詰まっている場合は、パイプクリーナーを使えば通ることもあります。しかし、特別な通管道具が必要な場合もあるので、どうしても通らない場合は業者に清掃を依頼することをおすすめします。
屋根材が破損している場合
屋根材に割れやヒビが生じて雨漏りしている場合は、自分で修理するのは難しいので、業者に依頼する方が良いでしょう。
特に、屋根に上がる作業を素人がおこなうのは大変危険です。くれぐれも無理をしないようにしましょう。
コーキングが劣化している場合
屋根材や支柱のつなぎ目に使われているコーキング剤が劣化して雨漏りしている場合は、劣化している範囲や程度によりますが、DIYの技術があるなら自分で修理することも可能です。
しかし、屋根材の種類や造りによっては、専門的な知識や技術が必要な場合もあり、わからないままに修理をすることで状況を悪化させる恐れもあります。
DIYに自信がない場合や難しそうだと感じた場合は、業者に修理を依頼するようにしましょう。
業者に修理を依頼
水漏れや雨漏りの修理業者に依頼する際のポイントについて説明していきます。
費用の目安
カーポートの雨漏りの修理を業者に依頼した場合、費用がどれくらいかかるのかが、気になる点ではないでしょうか。
それぞれの修理について、おおまかな費用相場をまとめました。カーポートの広さや修理内容、依頼する業者によって費用は変わりますが、修理依頼する際の目安として参考にしてみてください。
結露防止材の吹き付け
施工業者と吹き付け材の種類によって差はありますが、おおよそ2,000~3,000円/㎡程度です(吹き付け厚さが1mmの場合)。厚く吹き付ければ、費用も高くなります。この費用に、諸経費が加わる場合が多いです。
雨樋清掃
カーポートの雨樋清掃の費用相場は、1台分のカーポートの場合だと、作業費を含めて20,000~30,000円程度です。
雨樋の清掃だけでなく、屋根の掃除なども含まれていることがありますので、見積もりを取る際には、作業内容を確認するようにしましょう。
コーキング修理
コーキング修理の費用は、場所や範囲によって大きく変わります。また、作業内容によっても異なりますが、1mの長さのコーキング修理だと、8,000~12,000円程度であることが多いようです。
他の修理と同様に、諸経費がかかる場合があるので、見積もり時にきちんと確認することをおすすめします。
破損した屋根材の交換
屋根材が破損していた場合の修理は、屋根材の種類や範囲によって変わるため、修理費用の相場範囲がかなり広くなります。
屋根材の費用は、1枚あたり数千円~2万円(ポリカーボネート板)、作業費が1枚5,000~10,000円程度です。
上手な修理依頼のコツ
業者にカーポートの雨漏り修理を依頼する際は、以下のような点を押さえておくようにしましょう。
複数の業者から見積りを取る
修理を依頼する際に、どの業者に依頼すればよいのか悩む方も多いでしょう。カーポートの雨漏り修理に限らず、業者を選ぶ際には、まず複数の業者から見積もりを取ることが大切です。
なかには、見積もりを作成するだけで費用がかかる業者もありますが、大抵の場合、無料で見積もりを作成してくれます。その内容や費用を比較して、修理を依頼する業者を選ぶようにしましょう。
また、見積もりを依頼した際の業者の応対についても、確認しておくことをおすすめします。きちんと丁寧な応対をしてくれる業者を選ぶほうが良いことは、言うまでもありません。
見積り内容を確認する
見積もりを比較する際は、修理費用の合計額だけでなく、見積もり内容もくわしく確認して比較することをおすすめします。
同じ項目であっても、業者によって大きく金額が異なる場合があります。また、「施工費用」などと大まか過ぎる項目で見積もりを出してくる業者もあるので、内容をきちんと説明してもらうことが必要です。
火災保険が適用できるかを確認
カーポートの雨漏りの原因が、台風などの災害で屋根材が破損したことによるものなどの場合は、火災保険で修理費用が補償される場合もあります。火災保険の契約内容によりますが、もし、適用されそうならば、一度、保険会社に確認をしてみると良いでしょう。
コーキング修理のDIY
雨漏りの原因がコーキングの劣化の場合は、DIYが得意であれば自分で修理をすることも可能です。自分で修理をする場合に、必要な道具や手順について説明します。
コーキング修理に必要な道具
カーポートのコーキング修理に必要な道具は、次の通りです。
- コーキング剤:屋根材に適したコーキング剤を選びましょう。ホームセンターでたずねると、適切なものを選んでもらえます。
- コーキングガン:コーキング剤を注入して使用します。
- マスキングテープ:コーキング剤がつかないようにするために使用します。
- ヘラ:コーキングをならすために使います。
- カッター:古いコーキング剤をはぎ落すために使います。
- プライマー(下地):コーキングがつきやすいように塗っておきます。
- 手袋や雑巾など(必要に応じて)
コーキング修理の手順と注意点
次に、コーキング作業の手順と注意点について、説明します。
- カッターで古いコーキングを撤去する。
- マスキングテープで、余分な場所にコーキングがつかないように養生する。
- プライマー(下地)をコーキングする場所に塗布して乾かす。
- コーキング剤をコーキングガンに注入する。
- コーキング剤を塗布する。
- ヘラでならす。
- マスキングテープを乾かないうちにはがす。
- 乾燥させる。
コーキング作業をする際は、天気の良い日を選ぶことが大切です。あらかじめ天気予報を確認しておき、晴れが続く日を選んで作業しましょう。
また、コーキングは外側(水のかかる側)から施工しなければ、水を止めることができませんので注意しましょう。
まとめ
この記事では、カーポートの雨漏りを見つけた場合の対処法について説明しました。
カーポートの雨漏りを見つけたら、まず、雨漏りの応急処置をします。そして、雨が止んでから雨漏りの原因を確定し、自分で対応するか、業者に修理を依頼するかの判断をしましょう。
自分で対応する場合は、安全に作業できるようにすることが大切です。業者に修理を依頼する場合は、複数から見積もりを取って比較することをおすすめします。
カーポートの雨漏りは、放っておけばひどくなる一方です。雨漏りを見つけたら、早めに対処するようにしましょう。