外壁塗装・外壁

樹脂モルタルって何?モルタルとの違いや特徴を具体的に解説!

モルタルのことを調べていると、樹脂モルタルという言葉が出てきたという人もいるかと思います。樹脂モルタルという言葉を聞いただけでは、モルタルとの違いや、どんな特徴があるのか分かりませんよね。

なので、今回は樹脂モルタルの特徴や、モルタルとの違いなどを説明していきます。樹脂モルタルのことを調べているという人や、樹脂モルタルのことが知りたいという人はぜひご覧ください。

樹脂モルタルとは?

樹脂モルタルとは、おもに外壁の補修に用いられる外壁材です。通常のモルタルに、樹脂製の混和剤を混入して作られています。樹脂製の混和剤を化学反応で硬化させるため、通常のモルタルより効果時間が短く、柔軟性があるという特徴がある外壁材です。

大規模な修繕工事で良く使われる

樹脂モルタルは、大規模修繕工事で非常によく使われています。大規模修繕工事は、外壁全般の保守を行うことがほとんどで、ひび割れや欠損部分を修復するため樹脂モルタルは役立ちます。

樹脂モルタルは乾燥時間が非常に早く、柔軟性のある材質だという特徴があります。マンションなどの大規模修繕工事は、工事期間が長引いてしまうと居住者の負担が大きくなってしまいます。

樹脂モルタルは乾燥時間が短いため、居住者への負担を軽減するために重宝されているのです。また、柔軟性の高い材質のため、密閉率が高くなり雨水の侵入を防いだり、揺れなどにも強いという特徴があります。

そもそもモルタルとは?

樹脂モルタルのことを知っていくためにも、モルタルについても詳しく知っておきましょう。モルタルは、セメントと砂と水を混ぜ合わせて作られる外壁材です。

1990年代の日本国内で多く使われていましたが、2020年現在は窯業系サイディングの方がシェアは多くなっています。ですが、モルタルは意匠性に優れていて、味わい深い仕上がりになるという特徴があるため根強い人気があります。

モルタルの用途

モルタルの用途は非常に多岐に渡り、外壁材としてだけでなく他のものにも多く使われています。

  • タイルの仕上げの下地
  • レンガ積みの目地材
  • コンクリート面やブロック面の上塗り
  • コンクリートの壁の隙間埋め

モルタルは、上記の用途に使われることがあります。また、用途に合わせてセメントと砂と水の割合を変えることも可能で、使い勝手が良いという特徴を持っています。

樹脂モルタルとモルタルの違い

樹脂モルタルと普通のモルタルの違いは、モルタルの強度を決める結合材の種類です。通常のモルタルは、セメントモルタルと言われるもので、セメントが結合材として働いています。

反対に樹脂モルタルは、樹脂が結合材としての役割を持っています。では、具体的に樹脂モルタルと普通のモルタルで、どんな違いがあるのか見ていきましょう。

樹脂モルタルは早く硬化する

樹脂モルタルは、普通のモルタルよりも固まるまでの時間が短いという特徴を持っています。普通のモルタルは水和反応で硬化するため時間がかかりますが、樹脂モルタルは樹脂を化学反応で硬化させるため、短い時間で硬化します。

また、普通のモルタルは外気温によって硬化するための時間が変わってしまいますが、樹脂モルタルは化学反応のため硬化するための時間がほとんど変わりません。

樹脂モルタルは追従性が高い

樹脂モルタルは、混和材としてエポキシ樹脂などを用いています。エポキシ樹脂は高い柔軟性を持っているため、乾燥収縮やひび割れなどに追従しやすいという特徴があります。

反対に、普通のモルタルは表面強度は高いものの、乾燥収縮やひび割れに追従できないというデメリットを持っています。つまり、樹脂モルタルの方が追従性の高さから、ひび割れなどから来る浸水に強く防水効果が優れているのです。

樹脂モルタルとポリマーセメントモルタルの違い

ここからは樹脂モルタルとポリマーセメントモルタルの違いについて説明していきます。ポリマーセメントモルタルのことを樹脂モルタルと同じだと勘違いしてしまう人も多いため見ていきましょう。

先ほども説明しましたが、樹脂モルタルは、結合材が樹脂になっているもののことを言います。ポリマーセメントモルタルの場合は、結合材はセメントでセメント混和用ポリマーを混入したもののことを指しています。

つまり、樹脂モルタルとポリマーセメントモルタルは全くの別物のため、混合しないように注意してください。

モルタルとコンクリートの違い

モルタルと混合しやすい材質にコンクリートがあります。モルタルは、セメントと砂と水を混ぜて作ったもので、適度な強度と柔軟性があり、装飾性も高いという特徴があります。

反対にコンクリートは、セメントと砂と水と砂利を混ぜて作ったものです。モルタルよりも強度が高いため、強度が必要な道路や柱などに使われることが多い建材です。

モルタルの劣化症状一覧

ここからはモルタルの劣化症状について説明していきます。今回ご紹介する劣化症状が見られた場合は、できるだけ早くメンテナンスを行ったほうが良いという目安になるため見ていきましょう。

ひび割れ

モルタルの劣化症状の一つにひび割れがあります。ひび割れは少しずつ起こり症状が繊細で気付きにくいことも多いため、気付いたときには酷く悪化しているということが多いです。

ひび割れが起こっていると、モルタルから水が染み込んで外壁全体が傷んでしまうため注意しましょう。また、外壁全体が傷んでしまっていると、外壁の塗り替えだけでは対応できないため、メンテナンス費用は高くなってしまいます。

小さなひび割れの場合でも、ひび割れが大きくなっていくことも考えられますし、すでに雨水が内部まで染み込んでいることも多いです。雨水が染み込んでからではメンテナンス費用が高くなるため、ひび割れを見つけた場合は、すぐに業者に見てもらいましょう。

チョーキング

チョーキングとは、塗装樹脂が劣化して樹脂が加水分解され、チョークのような白い粉状のものが発生する現象のことを言います。モルタルを手で触ってみて、手に白い粉上のものが付いた場合は、チョーキングが発生しています。

チョーキングは、モルタルが劣化しているという分かりやすい目安になるため、思い出したときに外壁を触ってみるようにしましょう。白い粉上のものが付いた場合は、業者に見てもらってメンテナンスを行うべきか判断を委ねてください。

色あせ

モルタルは、紫外線や雨風の影響を受けて色あせていってしまいます。施工したときと比べて、明らかに色あせていると分かる場合は劣化症状が進行しているという目安です。

色あせだけしか起きていない場合はトラブル自体は起こりませんが、劣化し始めているというサインになるため見逃さないようにしましょう。色あせが起きてから、ひび割れやチョーキングが発生し始めることがほとんどです。

可能であれば、色あせが起きてきた段階で業者に相談することをおすすめします。業者に見てもらって、メンテナンスを行うべきなのか判断してもらうと、外壁は長持ちします。

コケ・藻

コケや藻は、日当たりが悪い場所で発生することが多いです。コケや藻が発生すると外観が悪くなってしまうだけでなく、モルタル自体を劣化させる原因にもなってしまうので見逃さないようにしましょう。

コケや藻が発生しているときは、モルタルの防水性能が落ちていることになります。防水性能が劣化している場合、雨水が侵入する可能性も高く、外壁自体が傷むことになってしまうのです。

6~7月の梅雨の時期はコケや藻が発生しやすいため、注意深く見ておきましょう。

剥がれ・欠損

剥がれや欠損は、塗膜が剥がれてしまったり、モルタルの一部が欠け落ちてしまう状態のことを言います。剥がれや欠損は、かなり酷い劣化症状のため、放置してしまうと住宅の耐久性が酷く落ちてしまいます。

欠損する理由は、寒暖差や何らかの衝撃がほとんどですが、モルタルの場合は下地材や鉄筋がサビて膨張することでも起こる症状です。ひび割れが発生している場合は、下地材や鉄筋がサビてしまうため起こりやすくなります。

特定の場所だけが欠損している場合なら間に合いますが、外壁全体に欠損が見られるようになるとメンテナンス費用は、非常に高額になってしまうため放置しないでください。

また、モルタルの場合は地震の影響で欠損することも多いため、大きな地震が起こった後は確認する癖を付けておきましょう。

モルタルの劣化症状別メンテナンス方法

ここからは、モルタルの劣化症状別にメンテナンス方法をご紹介していきます。正しいメンテナンスを知っておくことで、メンテナンス費用は抑えられるため見ていきましょう。

ひび割れ時のメンテナンス

ひび割れが0.3ミリ以下の場合は外壁塗装の塗り替えメンテナンスだけで問題ありません。この状態の場合は、弾性塗料が効果的なので、塗料選びは慎重に行いましょう。

また、ひび割れが0.3ミリ以上の場合は、弾性塗料では足りないためコーキングを充填する必要があります。コーキングはDIYでも不可能ではありませんが、施工が不十分の場合は、すぐに劣化するため業者に任せましょう。

チョーキング時のメンテナンス

チョーキングが発生している場合は、外壁塗装の塗り替えメンテナンスを行いましょう。チョーキングが起こっているときは、防水機能が落ちている可能性が高いため、塗装の塗り替えが必要です。

モルタルの場合は、10年程度で塗り替えメンテナンスを行いますが、地域によって劣化が早い可能性も考えられます。また、チョーキングが起こっていなくても、色あせが酷い場合も塗り替えを検討しましょう。

剥がれ・欠損時のメンテナンス

剥がれが起こっている場合は、剥がれている部分の塗膜を取り除いてモルタルを塗り直すことになります。剥がれた塗膜を丁寧に除去する必要があるため、施工期間が長くなる可能性が高いです。

欠損が起こっている場合は、下地材を交換するメンテナンスを行います。下地材を交換するためには、モルタルを捲くる必要があるため、メンテナンス費用は非常に高額になります。

できるだけ剥がれや欠損が起こる前にメンテナンスを行うことが大切なので、モルタルが劣化していないか確認する癖を付けておきましょう。

まとめ

今回は樹脂モルタルの特徴や、通常のモルタルとの違いに付いて説明してきました。樹脂モルタルは、通常のモルタルとは違い、樹脂が結合材として使われています。

そのため、通常のモルタルよりも早く硬化する、追従性が高いというメリットを持っています。これらのメリットを活かして、マンションなどの大規模修繕工事で使われることが多い建材なので覚えておきましょう。