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窯業系サイディングって何?メンテナンス費用や特徴を徹底解説

自宅の外壁を選んでいるときに、窯業系サイディングを勧められて選んだ経験がある人は多いと思います。ですが、窯業系サイディングの特徴や、他の外壁と比べて何が良いのか知っている人は少ないのではないでしょうか。

そこで、今回は窯業系サイディングの基礎知識や。窯業系サイディングの人気が高い理由、窯業系サイディングのメンテナンス費用などをご紹介していきます。

窯業系サイディングを勧められてどんな外壁なのか知りたいという人や、窯業系サイディングを選ぶか迷っている人などはぜひ参考にしてください。

窯業系サイディングとは?

窯業系サイディングは、セメントに繊維質などを混ぜて作られたものです。モルタルもセメントを使っていますが、窯業系サイディングは工場で作ったサイディングボードを貼り付けて施工しています。

製造過程で窯の中で高熱処理されることから、窯業系と言われるようになりました。

どんな見た目になる?

窯業系サイディングは、デザインによって見た目が全く違います。実際に窯業系サイディングで人気がある見た目は以下になります。

  • 石柄
  • 木目調
  • タイル・レンガ柄

本物を使うと耐久性や耐震性が心配な、石や木、タイルなどの柄が窯業系サイディングでは選べます。また、本物を使うよりも費用は抑えられますし、見た目も本物に似ているため人気があります。

窯業系サイディングの寿命

寿命
30~40年

窯業系サイディングの寿命は30~40年程度となります。ただし、定期的にメンテナンスを行うことで30~40年程度持つようになるので、メンテナンスは欠かせません。

メンテナンスは、7~10年周期で行う必要があり、メンテナンスを忘れてしまうと寿命は短くなってしまいます。寿命の30~40年使いたい場合は、7~10年周期のメンテナンスを忘れないようにしましょう。

窯業系サイディングが人気の理由

窯業系サイディングは外壁材の中でも70%以上のシェア率を誇る、非常に人気の高い外壁材です。窯業系サイディングが、多くの人に選ばれる人気の理由をご紹介していきます。

デザインやカラーバリエーションが豊富

先ほど、窯業系サイディングでは石柄、木目調、タイル・レンガ柄のデザインが人気だと説明しました。これら以外にもストライプ柄やベース柄などのデザインもありますし、柄だけでなくカラーバリエーションも豊富です。

濃い木目調にすることも可能ですし、薄い木目調にしてナチュラルな雰囲気にすることも可能、タイルやレンガ柄で高級感溢れるモダンな雰囲気にも可能と、幅広い選択肢の中から自分好みのものが選べます。

職人の技術力が必要なく幅広い業者に依頼できる

窯業系サイディングは、メーカーで作られたサイディングボードを外壁の大きさにカットして貼り付けるという施工です。モルタル外壁の塗り壁などと比べると、職人の技術力が必要ないため、業者選びが簡単になります。

機能面が優れていて価格も安い

窯業系サイディングは、他の外壁材と比較して、機能面は総合的に優れていて価格も安いという特徴があります。いくら価格が安くても機能面が充実していないと、選びにくいものですが、窯業系サイディングは機能も充実しているため人気です。

外壁材耐久性耐火性軽さ単価(㎡)
窯業系サイディング3,500~5,000円
金属系サイディング4,000~6,000円
樹脂系サイディング7,000~9,000円
木質系サイディング6,000~8,000円
モルタル1,500~4,000円

窯業系サイディングと他の外壁材を比較した表が上記になります。他の外壁材と比べると、窯業系サイディングは単価が抑えられつつ、機能面が優れていることが確認できます。

ただし、価格は高くなってしまうものの、金属系サイディングや樹脂系サイディングの方が耐久性は優れています。なので、耐久性を重視している場合は、これらの外壁材を選びましょう。

窯業系サイディングの注意点

先ほど、窯業系サイディングの人気が高い理由をご紹介しましたが、窯業系サイディングには注意点もあります。窯業系サイディングを選ぶ前に知っておくことで、後悔することがなくなるので見ていきましょう。

他の外壁材よりメンテナンスが必要

先ほども簡単に説明しましたが、窯業系サイディングは寿命は30~40年と長いものの、7~10年周期でメンテナンスが必要です。7~10年周期のメンテナンスでは1回80万~130万程度が必要になります 。

メンテナンスが必要な理由は、窯業系サイディング自体には防水性がなく、塗料で防水性を補っているからです。7~10年程度で塗料の防水効果はなくなってしまうため、定期的なメンテナンスで防水効果を取り戻す必要があります。

また、サイディングにひび割れが入ったり、反りや浮きなどの症状が見られた場合もメンテナンスが必要になるため、窯業系サイディングは定期的なメンテナンスが必要だと覚えておきましょう。

夏場が暑くなりやすい

窯業系サイディングは、蓄熱性があるため熱を持ちやすい外壁材です。冬場は良いのですが、夏場は暑くなってしまうため、エアコンを使う回数が増えることがあります。

エアコンをできるだけ使わないために、遮熱効果や断熱効果のある塗料を選ぶ人もいますが、価格が少し高くなってしまうということを覚えておきましょう。

人気が高いためオリジナリティを求めている人には不向き

繰り返しになりますが、窯業系サイディングは国内で70%以上のシェア率を誇る外壁材のため、オリジナリティを出すことは難しいです。ですが、周囲の家との調和も考えやすいため、ありがたい人も多くいます。

また、窯業系サイディングはいろいろなデザインが用意されていますが、本物と比べると質感は劣ってしまいます。本物より安価で安く使えますが、本物と同等にはならないため注意しましょう。

窯業系サイディングの費用相場

ここからは窯業系サイディングの費用相場について説明していきます。窯業系サイディングは、工法によって費用が変わってくるため、工法毎の費用相場をご紹介します。

カバー工法の費用相場

カバー工法とは、既存の外壁の上からサイディングボードを貼り付ける工法で、張り替えよりも費用が抑えられます。ただし、上から貼り付けるため、建物に負担がかかり、耐震性が弱まるというデメリットもあります。

内訳費用相場
サイディングボード50~60万円
足場・養生15~25万円
コーキング15~25万円
内部補修など50~60万円
合計130~170万円

カバー工法の費用相場は上記の表になります。サイディングボードは選ぶものによって費用が異なり、50万~60万円程度が相場です。足場や養生は15~25万円、コーキングは15~25万円、内部補修は50~60万円が相場になります。

ですが、業者によって費用が変わってくるため、事前に見積りで確認しましょう。合計の130~170万円がカバー工法の費用相場になります。予算が限られている場合にカバー工法は選ばれますが、耐震性の不安があるため、まずは業者に相談しましょう。

張り替えの費用相場

張り替えの場合は、既存の外壁材を撤去して、窯業系サイディングに変更する工法です。既存の外壁材を撤去する解体撤去費用や廃棄費用がかかるため、カバー工法よりも費用が高くなってしまいます。

内訳費用相場
サイディングボード50~60万円
足場・養生15~25万円
コーキング15~25万円
内部補修など50~60万円
既存外壁材の撤去・廃棄費用30~40万円
合計160~210万円

張り替えの費用相場は上記になります。既存外壁材の撤去・廃棄費用以外の費用相場は、カバー工法と同じです。既存外壁材の撤去・廃棄費用は30~40万円程度が相場になります。

断熱材なども新しいものに交換できるため、新築時に近い状態に復元できます。ですが、カバー工法より費用は高くなりますし、 工事期間も長くなるというデメリットがあるため覚えておきましょう。

窯業系サイディングの選び方

窯業系サイディングは、国内で人気が高いこともあり、商品数が多くなっています。なので、窯業系サイディングにしようと思っても、どの商品を選べば良いか分からないこともあります。

そこで、ここからは窯業系サイディングの選び方を説明していくので、窯業系サイディングの選び方で困っている人は参考にしてください。

コンセプトで選ぶ

窯業系サイディングのデザインだけでなく、家全体のデザインコンセプトを決めてから、窯業系サイディングを選ぶという選び方をおすすめします。窯業系サイディングはデザインバリエーションが豊富なので、自分が住みたい家にしやすい外壁材です。

  • モダンテイスト
  • ナチュラル
  • エレガント
  • カジュアル
  • アメリカン
  • シック
  • シンプル

上記のようなコンセプトに合わせて、窯業系サイディングを見ていくと、スムーズに選べます。また、自分好みの家の写真を見つけて、業者に「こんな窯業系サイディングはありませんか?」と聞いても良いでしょう。

ある程度のコンセプトを決めておいて、業者に相談することで、イメージに合った窯業系サイディングを提案してくれます。家の方向性を決めるだけで、選びやすさが変わるため覚えておきましょう。

メーカーで選ぶ

窯業系サイディングを作っているメーカーは多いですが、その中でも有名なメーカーのものを選ぶという方法もおすすめです。旭トステム外装、ケイミュー、ニチハの3社が人気が高いため、この3社の中から保証や機能で選んでも良いでしょう。

旭トステム外装

旭トステム外装は、色あせや変色しにくくなるセルフッ素コートという塗料が特徴的です。また、サイディングの継ぎ目を目立たなくする工法も得意としているため、サイディングの継ぎ目が気になるという人にもおすすめできます。

ケイミュー

ケイミューは、雨で汚れが落ちやすくする親水性が特徴の会社です。サイディングは継ぎ目が劣化しやすく、5~10年程度でメンテナンスが必要ですが、ケイミューのものは10年以上使い続けられるように作られています。

なので、メンテナンス費用を少しでも抑えたいという人にケイミューはおすすめです。

ニチハ

ニチハは、雨で汚れを落とすマイクロガード機能や変色・褪色を30年保証した窯業系サイディングが特徴の会社です。また、サイディングの継ぎ目が目立ちにくいものも取り扱うなど、メンテナンスの必要性が少ないものが多くなっています。

他にも断熱性や耐火性に優れたものや、鏡面仕上げなどが可能なものまで取り扱っているので、幅広い人におすすめの会社です。

窯業系サイディングはこんな人におすすめ

窯業系サイディングは以下に当てはまる人におすすめの外壁材です。

  • 初期費用を安く抑えたい
  • メンテナンス回数をできるだけ少なく抑えたい
  • 自分のイメージ通りの家にしたい

窯業系サイディングは、初期費用を抑えられる外壁材ですし、継ぎ目が目立たないものや、汚れを落としやすいものを選ぶことで、メンテナンス回数も減らせます。

また、デザインが豊富なため自分のイメージ通りの家にしやすい外壁材です。ただし、自分だけのデザインを考えたい人や、他の家とは違う雰囲気にしたいときには、他の外壁材がおすすめです。

窯業系サイディングが合わない人におすすめの外壁

ここまで窯業系サイディングの特徴をご紹介してきましたが、イマイチピンと来なかったという人や、他の外壁材のほうが良さそうだと思った人もいるでしょう。

そこで、ここからは窯業系サイディングが合わないと思った人におすすめの外壁材をご紹介していきます。

金属系サイディング

金属系サイディングは、徹夜アルミニウムなどの板材に、発泡系樹脂断熱材を補強材として作る外壁材です。シンプルでスタイリッシュな外観にできるため、よいスタイリッシュな外観にしたいときにおすすめの外壁材です。

また、金属系サイディングは錆びにくいという特徴があり、メンテナンス性も高くなっています。窯業系サイディングは7~10年周期でのメンテナンスが必要ですが、金属系サイディングは10~15年周期のメンテナンスです。

なので、スタイリッシュなデザインにしたい人、メンテナンス周期が長い外壁材が良いという人に金属系サイディングをおすすめします。

樹脂系サイディング

樹脂系サイディングは、主に塩化ビニル樹脂を使ったサイディング材です。日本よりもアメリカで有名な外壁材で、国内ではマイナーな部類に入ります。なので、他の人とは違う外観にしたいというときにおすすめの外壁材です。

樹脂系サイディングは、耐久性が非常に高い外壁材で、約30年程度メンテナンスがほぼ必要ありません。その分、初期費用は窯業系サイディングより高くなってしまうことや、施工できる業者が少ないというデメリットもあります。

他の人とは違う外壁材にしたい人、ほとんどメンテナンスをしたくないという人に樹脂系サイディングはおすすめです。

木質系サイディング

木質系サイディングは、天然の木材を使ったサイディングです。窯業系サイディングに木目調のものはありますが、ナチュラルさが足りないと感じる人も多く、人工的な木目調になってしまいます。

木質系サイディングは、天然の木材を使っているため、自然で高級感溢れる質感になります。また、淡い色を選べば爽やかなイメージになりますし、濃い色を選べばエレガントなイメージの外観にできます。

ただし、天然の木材を使っているため、他のサイディングと比べて価格が高かったり、劣化しやすいというデメリットもある外壁材です。価格が高くても自然な雰囲気の外観にしたいという人に木質系サイディングはおすすめできます。

タイル

タイルは、粘土や石材を細かく砕いて、焼き固めて作られる外壁材です。非常に高級感溢れる見た目になり、クラシックスタイルや南欧スタイルなど、存在感のある外観にできます。

タイルの素材や下地材によって費用は変わってきますが、窯業系サイディングと比べると高額になってしまいます。ですが、タイル自体は塗り直すメンテナンスが基本的に不要なので、メンテナンスコストは抑えられます。

ただし、接着面や目地の部分は劣化してしまうため、メンテナンス自体は必要です。初期費用が高くなっても、クラシックスタイルや南欧スタイルなどの存在感ある外観にしたい人にタイル外壁はおすすめできます。

まとめ

今回は窯業系サイディングの特徴や人気の理由、注意点などを説明してきました。窯業系サイディングは、デザインやカラーバリエーションが豊富で、初期費用を抑えられる外壁材なので、国内では非常に人気が高くなっています。

人気が高い外壁材なので、周囲の住宅と調和しやすく、幅広い人におすすめです。一方で人気が高いため、他の住宅と似たデザインになってしまうことも多く、他の住宅とは違った外観にしたい人にはおすすめできません。

他の住宅と違った外観にしたい人は、タイルや木質系サイディングなどを選ぶとオリジナリティも出せるのでおすすめです。