庭がある方にとって、芝生というのは憧れの存在かもしれません。
といっても、しっかりと手順と管理方法さえ知っていれば、DIY初心者でも芝生を貼れます。
そこで今回は、芝生を貼る方法や管理の仕方などについて紹介します。
緑の庭にしてみたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
芝生を貼り前にチェックすべきこと
芝生を貼る前に、まずは以下のポイントをチェックしておきましょう。
適当に作業すれば、きちんと芝生を貼ることができません。
1.芝生を貼る時期
芝生はどんな季節に貼っても良いものではなく、時期を考える必要があります。
ベストタイミングは、根が付きやすい上に芝生にとって程よい温度である4〜6月。
夏頃に貼っても問題ありませんが、水を切らさないようにしなければなりません。
2.無駄な雑草
雑草は芝生の育成を邪魔する存在であるため、除草しておくべきです。
この際、表面だけ除去するのはおすすめできません。
クローバーやハマスゲのような植物は、根っこが残っていれば再生してしまいます。
芝生を貼った後に土を掘り起こすことができないことから、除草する際は根っこから取り除きましょう。
状況次第では、非選択性除草剤を使って取り除く方法もあります。
3.生育環境
芝生にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
うまく育てるためにも、きちんと特徴を覚えて生育環境を整えてあげましょう。
主な種類としては、高麗芝・野芝・西洋芝の3つ。
高麗芝はポピュラーな品種で、多くの庭で用いられています。
他の品種と比べて丈夫な芝であるため、育てるのが不安な方にもおすすめです。
野芝は日本全土に自生している品種ですが、キメが粗いことから観賞用には向いていません。
最後の西洋芝は季節問わず緑が楽しめるため、観賞用としてもぴったり。
ただし、高温多湿な環境に弱いことから、育てる上での工夫が求められます。
4.芝生に適した土壌
芝生を育てる上では、土壌にもこだわる必要があります。
例えば、粘土質の土壌や石が埋まってデコボコしている土壌などは、芝生に適していません。
芝生に適した環境にするためにも、まず土壌整備から始めましょう。
5cmほど掘り、雑草や石などを除去しつつ平らな地面にします。
その後、水はけを良くするために床土を投入。
ホームセンターやネットショップであれば芝生向けの床土が販売されているため、事前に入手しておきましょう。
芝生の貼り方は4種類ある
下準備を終えたら、さっそく芝生を貼っていきましょう。
貼り方としては、「目地貼り」「ベタ貼り(平貼り)」「市松貼り」「筋貼り」の4つがあります。
ここでは、それぞれの貼り方について紹介します。
一般的な「目地貼り」
4種類の貼り方の中で特に多いのが、「目地貼り」です。
切り芝ごとに3〜5cmほどの隙間を開けて、レンガ積みのように敷いていきます。
「隙間があると中途半端な外観になるのでは?」と思うかもしれませんが、成長するにつれて隙間が埋まり、やがて全面に芝生が埋まります。
貼る際のポイントは、必ずレンガ積みのように貼っていくこと。
十字路のように貼ってしてしまうと、雨で土が流れてしまいます。
また、十字路の貼り方はレンガ積みの貼り方と比べて全面に埋まるスピードが遅いです。
綺麗に仕上がる「ベタ貼り(平貼り)」
見た目にこだわるのであれば、「ベタ貼り」がおすすめです。
平貼りとも呼ばれており、「目地貼り」のような隙間を開けずに貼ります。
隙間を開けないことで綺麗に芝生が育成するため、見た目をこだわる方におすすめ。
ただし、隙間を埋めないが故に使う芝生の数が「目地貼り」よりも増えてしまいます。
その分コストもかかってしまうため、「ベタ貼り」を使う際は費用に注意しましょう。
また、こちらも十字路ではなくレンガ積みのように貼ることが大切です。
少ない量で済む「市松貼り」
できる限りコストを抑えたい際は、「市松貼り」が良いでしょう。
市松模様のように貼っていく方法であり、場合によってはベタ貼りの半分程度の芝生で済んでしまうかもしれません。
ただし、芝生が少ないことから全面に埋まるまで時間がかかってしまいます。
育っている途中に雑草が生えてしまう場合もあるため、「市松貼り」を用いる際はこまめなチェックと徹底した除草を行いましょう。
広い庭には「筋貼り」
広い庭を持っている方は、「筋貼り」を考えてみてはいかがでしょうか。
「筋貼り」は直線に沿って芝生を並べていく方法であり、グラウンドを埋める際にも用いられます。
傾斜面や法面でも使える方法であるため、平ではない地面に芝生を貼りたい時にもおすすめ。
貼る際には庭の5〜6割を占めるほどの芝生が必要であり、こちらも全面が埋まるまで時間がかかります。
貼り終えた後の作業とは?
芝生は、貼り終えたら終了というわけではありません。
貼り終えた後にもすべき作業があるため、ここまできちんと目を通しておきましょう。
芝生の上に目土をかける
貼った芝生の上から、目土と呼ばれる土をかけましょう。
「せっかくの芝生が台無しになるのでは?」と思うかもしれませんが、芝の生育をサポーしてくれる役割を果たしてくれるため、忘れずに行いましょう。
目土をかける際には、ほうきを使って全体にまんべんなくかかるようにするのがポイント。
かけ終えたら板を敷いて、その上から足で踏み固めます。
水やりも忘れずに行おう
芝生を固めたら、最後に水やりを行って終了です。
たっぷりと水をかけてあげることで、芝生の乾燥を防いでくれます。
貼ったばかりの芝生は乾燥しやすいため、中途半端に水やりをするのはやめておきましょう。
芝生の張替に必要な道具を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
その後の管理はどうすればいい?
芝生を貼ったとしても、管理方法が分からなければ枯らしてしまうかもしれません。
ここでは、貼り終えた後の管理方法について紹介します。
品種によって刈り込む時期が異なる
適度な長さを保つために、定期的な刈り込みが必要です。
時期や回数は品種によって異なっているため、それぞれに合った方法で行うことが大切です。
例えば高麗芝の場合、5〜6月が月1〜2回・7〜8月が月2〜3回、10月が1回の刈り込みが良いでしょう。
エアレーションで育成を促進
エアレーションとは、芝生に穴を開けて空気を通してあげること。
新鮮な空気を入れることで、芝生の生育が促進されます。
エアレーションする際にはローンスパイクという専用道具を使うことで、効率よく穴を開けることが可能。
20cmほどの穴を開けた後は、上記でも登場した目土を入れましょう。
なお、エアレーションは春や秋に行うのがベスト。
それ以外の季節は芝生が弱っており、エアレーションに適していません。
枯れてしまった芝は除去
長年芝生を育てていれば、枯れてしまう芝生もあります。
そのような芝生は新しい芝生の生育の邪魔になるため、取り除いてあげましょう。
この行為はサッチングとも呼ばれており、定期的に行うことで害虫によるトラブルに巻き込まれにくくなります。
もしサッチングして土が露出してしまったのであれば、目土を入れ込んで元通りにしておきましょう。
病気対策はどうすれば?
状況次第では、芝生がブラウンパッチやダラースポットといった病気にかかってしまうかもしれません。
対策方法としては、ベンレートやダコニールといった殺菌剤を散布する方法が挙げられます。
もちろん、きちんとした管理も芝生の病気を防ぐ上では大切な行為です。
貼り方を覚えて素敵な庭に
今回は、芝部の貼り方や管理方法などを紹介しました。
もし自宅の庭を芝生にしたいのであれば、この記事を参考にしつつ、チャレンジしてみてください。
どうしても1人では難しいのであれば、業者に依頼するのも良いでしょう。