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瓦屋根の雨漏りは自分で直せる?修理方法と業者に依頼したときの費用

マイホームでも賃貸住宅でも、長らく住んでいれば家全体に異変が生じてきます。よくあるトラブルといえば瓦屋根からの雨漏り。天井にシミができ、ひどいときは床までびしょびしょになるほど、水が漏れ出します。

この記事にたどり着いた人も、現在進行形で瓦屋根の雨漏りに頭を抱えているでしょう。この記事では瓦屋根の雨漏りを自分で修理する方法を解説します。

瓦屋根は注意するべき点が多いため、お急ぎかもしれませんが、ぜひ最後まで読んでみてください。

瓦屋根を自分で修理する方法

ここでは瓦屋根を自分で修理する方法を解説していきます。

シーリング・コーキングで補修

瓦屋根の雨漏りはシーリング・コーキングで補修することができます。シーリング・コーキングとは樹脂などのパテで建造物の隙間を埋めることです。

厳密にはあらかじめ形状が決まっている素材を使用するのがシーリング。ペースト状の素材を専用器具で押し出すことをコーキングといいます。しかし、意味合いとしては混同して使われることが多いので、呼称は気にしなくてもいいでしょう。

具体的な修理方法はホームセンターなどで売られているシーリング材を雨漏りが起きている瓦のヒビや隙間に埋め込むだけです。

注意点は漆喰が使われている瓦屋根には不向きであること。漆喰は瓦を固定しているほか、通気性を確保する役割があります。

一般的なシーリング材は防水性能は高められるものの、通気性はありません。漆喰の上からシーリング材を埋めると湿気の逃げ場がなくなり、腐食しやすくなるので注意しましょう。

急ぎのときはビニールシートで応急処置

雨漏れがひどいときは手近にあるビニールシートをかぶせて応急処置をしてください。屋根全体を覆うサイズがなくても大丈夫です。

雨漏りが起きている瓦から雨どいまで雨水が伝わるように設置できれば、ひとまず被害は最小限に食い止められるでしょう。

ただし、天候によっては外に出るだけでも危険なことがあります。自分で設置するのが難しい場合は業者に依頼して応急処置だけでも素早くやってもらいましょう。

瓦屋根から雨漏りする原因

ここでは瓦屋根から雨漏りする原因について解説します。

瓦が元の位置からずれている

瓦屋根の雨漏りの原因として多いのが瓦が元の位置からずれていることです。

たとえば、瓦が強風によって吹き飛ばされたり、地震の揺れで動いたりなど。瓦が元の位置からずれてしまうと、内部構造がむき出しになり雨水が浸食していきます。

一度、雨水が浸食してしまうと屋根全体の耐久性が低下している可能性があるため、瓦を元の位置に戻すだけでは修理として不完全です。

瓦のずれを発見したときはプロに点検をお願いしましょう。

防水紙が劣化している

瓦の下に敷かれている防水紙が劣化していることも雨漏りの原因です。

古い民家の瓦屋根はそもそも防水紙がないことがありますが、昨今の瓦屋根は防水紙を敷くのが一般的です。防水紙の耐用年数はおおむね15年から20年といわれています。

屋根全体を見渡してみて異常が見つからない場合は、目に見えないところで防水紙が劣化している可能性が高いです。

可能であれば、瓦を動かして内部を確認してみるといいでしょう。

漆喰(しっくい)が削れている

瓦屋根の漆喰が削れていることも雨漏りの原因ではよくあるパターンです。

古い民家の瓦屋根では屋根の骨となる棟と瓦をつなぐために漆喰が使われています。漆喰は屋根全体を固定するほか、雨水の侵入を食い止める防水の役割があります。

しかし、漆喰が雨や強風で削れていくと、土台に使われている素材が流され、室内に雨水が漏れ出すのです。

瓦が元の位置からずれている場合は全体的に漆喰が削れている可能性があるので、チェックしてみてください

葺(ふ)き土が減少している

古い民家では瓦の下に土を敷き詰める「土葺き工法」で施工されていることがあります。この敷き詰められた葺き土が減っているのも雨漏りの原因です。

葺き土は本来は屋根の雨水の侵入を防いでくれています。しかし、長い年月が経過すると次第に土が流されていき、防水性能が低下するのです。

雨漏り以前から天井の隙間などから土がこぼれていたのであれば、葺き土の減少を疑ったほうがいいでしょう。

瓦屋根の雨漏りを自分で完全に直すことは困難

瓦屋根は特殊な構造をしているため、雨漏りを自分で完全に直すことは難しいです。先に紹介した修理方法も応急処置の側面が強いので、雨漏りが再発する可能性は十分あります。

もし、瓦屋根から雨漏りしているのであれば、応急処置で症状が改善したとしても、業者に見てもらったほうがいいでしょう。

瓦屋根の雨漏り修理は専門業者に依頼しよう

ここでは瓦屋根の雨漏り修理を業者に依頼するときのポイントを紹介します。

修理は瓦屋さんに依頼するのが理想

瓦屋根は昨今の洋式住宅の屋根とは構造が大きく違うため、専門業者に依頼するのが理想です。できれば施工も請け負っている瓦屋さんに依頼するのがベスト。または瓦屋さんと提携している工務店にお願いしましょう。

もし、近隣地域に瓦屋さんがないときは瓦屋根の構造に詳しい職人が在籍している工務店に依頼してください。

工務店に依頼するときは複数の業者から見積もりを

瓦屋根の雨漏り修理を工務店に依頼するのであれば、なるべく複数の業者から見積もりをもらいましょう。

見積りの段階で他の種類の屋根へ取り替えを提案された場合は悪徳業者の可能性があります。修理を請け負うものの、瓦屋根に詳しい担当者がおらず施工できないからです。

複数の業者で似たような見積り、修理プランであれば正確に劣化具合をチェックしてもらったといえます。

雨漏りは早急に修理したい症状ですが、時間が許すのであれば良心的な業者を見つける努力が大事です。

瓦屋根の雨漏り修理の費用について

ここでは瓦屋根の雨漏りを修理するときの費用について解説します。

屋根の修理費用は面積で計算

一般的に屋根の修理費用は瓦屋根を含めて、修理面積に応じて計算されます。そのため、修理依頼するときは電話で1平米あたりの基準料金を聞いておくといいでしょう。

正確な修理費用は実際に見積もりを出してもらうまではわかりませんが、自分でおおよその費用を算出するのに役立ちます。

業者選びの参考にもなるので、事前に問い合わせてみてください。

瓦屋根の一平米あたりの修理費用

瓦屋根の修理費用は部分修理か、全体修理かによって大きく違います。100平米の屋根を施工した場合、最低50万は必要なことが多いです。

プラスして古い屋根の撤去費用などに30万~40万ほど必要なため、総額では100万円前後が相場といえるでしょう。

ただし、瓦屋根の住宅の場合、1階の屋根か2階の屋根かによって相場が変わります。2階の屋根の場合は足場などの設置が必要になるため、1階よりも高額になりやすいので注意してください。

軽微な部分修理では瓦一枚の施工価格で済むこともありますが、あわせて周辺のメンテナンスもしてもらうケースが大半です。点検とメンテナンスを含めて30万前後を見積もっておくと、想定外の修理箇所が見つかったときも安心。

瓦屋根は目に見えないところで劣化していることが多いので、なるべく多めの予算を考えておくことをおすすめします。

瓦屋根の雨漏りは応急処置後に修理依頼を

瓦屋根の雨漏りの修理方法について解説しました。瓦屋根は特殊な構造をしているため、素人では完全に修理することは難しいです。

しかし、応急処置を施すことで被害は最低限に食い止められます。今現在、雨漏りが起きているならば、この記事では紹介した方法を参考に補修してみてください。

その後、被害が拡大しないように業者にあらためて修理依頼を行いましょう。