外壁塗装・外壁

外壁タイルのメンテナンスは必要?費用やメンテナンスの効果も解説!

外壁タイルは家の外装に高級感を出してくれるため人気が高く、経年変化と共に色に深みが増します。外壁タイルはメンテナンスフリーと言われていますが、本当にメンテナンスを行う必要がないのでしょうか。

今回は、外壁タイルのメンテナンスの必要性や内容、費用について詳しく解説していきます。外壁タイルの工事から数年経過している場合は、この記事を参考にメンテナンスについて検討してみてはいかがでしょうか。

外壁タイルのメンテナンスは必要!!

モルタル外壁やサイディングボード外壁などは、外気長時間触れると劣化するため、劣化防止のための定期的なメンテナンスが必要不可欠です。

無機質素材のタイルは劣化しないため、タイル部分の塗装は不要ですが、タイルに浮きや剥離などの症状がある場合は部分的な補修が必要となります。また、目地のコーキングは有機素材となり、劣化が生じます。 外壁タイルの定期的なメンテナンスは外壁洗浄、目地部分のコーキング修繕工事がメインとなります。

外壁タイルのメンテナンス頻度

タイルの外壁はメンテナンスが完全に不要ではありませんが、他の外壁材に比べるとメンテナンスが格段に楽なのは事実です。

外壁タイルのメンテナンス頻度は、7~10年に一度、目地の補修を行うだけで十分です。劣化がそれほど進まない外壁タイルは、頻繁にメンテナンスを考える必要がないのがメリットと言えます。

また、サイディングやモルタルなどのメンテナンスは100万円~150万円程度費用が必要になるのに対し、タイルの目地打ち直しにかかる費用はおよそ50万円程度で済み、コストを半分以上抑えることができることも魅力のひとつです。

外壁タイルのメンテナンスが必要な状態とは

外壁タイルはメンテナンス頻度が低い耐久性のある素材が使われていますが、月日が経つとともに表面に汚れが付着します。特に元のタイルが白みがかっている場合、表面の黒ずみが目立つ場合があります。この場合は、表面を洗浄するなどのメンテナンスが必要となります。

また、外壁タイルで最も経過劣化を感じる部分は目地部分のひび割れです。この症状は10年程経つと徐々に見えるようになってくるため、メンテナンスの基準としてチェックしておきましょう。

また、タイルを接着するモルタルや接着剤が劣化するとタイルが浮いてきます。この浮きは初期段階では目視で確認できないことも多いので、10年以上経過した外壁タイルにはプロの点検を依頼すると良いでしょう。 浮きが深刻化するとタイルが壁から剥がれてきます。この状態になれば、もちろんメンテナンスを行う必要があります。

メンテナンスをしないことによるデメリット

外壁タイルのメンテナンスを怠ると、劣化したタイルの落下で怪我をする恐れがあるので、早めの対処が必要です。また、タイルが壁際の花壇を傷つけたり、風に飛ばされたタイルが敷地内に飛び散ったりと、様々なリスクがあります。

また、外壁タイルのメンテナンスは劣化初期段階で行ったほうが低コストで済みます。タイル表面の汚れや目地の一部補修程度であれば費用は安く済みますが、ひび割れ等が拡大するとそれだけ広い面積の補修を行う必要が生じ、メンテナンス費用も膨らみます。 外壁タイルは家の外観の印象を左右する重要な部分です。メンテナンス頻度は高くないので、劣化が気になったらすぐにメンテナンスを依頼するようにしましょう。

外壁タイルのメンテナンス内容と費用

外壁タイルのメンテナンスはタイル表面の洗浄と目地部分の補修がメインとなり、それぞれ費用が異なります。また、洗浄には高圧洗浄とバイオ洗浄があり、タイルの症状に合わせて使い分ける必要があります。

外壁の洗浄

外壁の洗浄は主に「高圧洗浄」と「バイオ洗浄」の2種類に分けられます。外壁の洗浄は外壁タイルのメンテナンス上とても重要な工程となります。それぞれの内容と費用についてご説明しましょう。

高圧洗浄

外壁塗装専門の会社ではエンジン駆動タイプの高圧洗浄機を使用します。家庭用の高圧洗浄とエンジン駆動タイプの洗浄機の違いは、主に水圧による洗浄力のです。家庭用の高圧洗浄機の水圧が約8~12MPaであるのに対し、業務用は14.7PMa以上のものが多く、威力は洗車場の水圧の2倍程度です。

高圧洗浄は強力な水圧があるため、汚れを水の威力で削り取ります。作業は約8時間程度で、工程計画では「高圧洗浄」が大部分を占めることがほとんどです。

この洗浄後、感想が不十分なまま塗装をすると不具合が生じるため、塗装は1日から2日ほど表面を乾燥させた後になります。 高圧洗浄の単価の相場は、1平方メートルあたり約100~300円となっています。洗浄には施主の家の水道を使用する場合が多いため、水道代も別途かかることを考慮しておきましょう。

バイオ洗浄

苔やカビなどの汚れがひどい場合は、バイオ洗浄を行うと良いでしょう。バイオ洗浄は植物性の洗剤を使用した洗浄方法で、菌類の汚れの文かい・除去を行い、菌の再発生を防ぐ効果があります。

バイオ洗浄の作業工程は、外壁の表面を高圧洗浄で濡らした後、壁に洗剤の散布を行い、数分間浸透させて汚れを浮かび上がらせます。その後、再び高圧洗浄で洗剤をしっかりと洗い流したら洗浄完了です。 バイオ洗浄は高圧洗浄より工程が多いこと、洗剤を使用することなどから単価は高くなり、1平方メートルあたり約250円~500円が相場となります。

目地のコーキング補修

タイル外壁のメンテナンスとしては、目地のコーキング補修も重要になってきます。タイル自体は無機素材のため劣化しませんが、ウレタン樹脂やシリコン樹脂でできているコーキング材は有機質のため劣化が生じます。

コーキングは10年に1度の頻度でメンテナンスをするのが望ましいですが、ひび割れなどの劣化現象が見られるのであればすぐに補修する必要があります。

コーキング材の種類

コーキング材には主にウレタン樹脂、変形シリコン樹脂が使用されています。

ウレタン樹脂系のコーキング材は塗料との密着性に優れていますが、紫外線には弱く、コーキング材の上から塗装することが前提とされています。

一方、変形シリコン樹脂系コーキング材は、外壁材を張ったあとにコーキングをするため、塗装をしなくても紫外線に強い変形シリコン樹脂が使用されています。

コーキングの補修方法と費用

コーキングの補修には劣化具合に応じて「増し打ち」と「打ち替え」という2つの補修方法があります。

増し打ちとは、既存のコーキングの上から打つ手法で、費用は比較的安く、1平方メートルあたり500円~700円程度です。

一方、打ち替えはすべてのコーキング材を撤去して充填する補修方法で、増し打ちより多くのコーキング材を使用するため相場は1平方メートルあたり約900円~1,200円程度となっています。

また、打ち替えの場合、古いコーキング材の撤去費用も加算されるとさらに高くなります。コーキング材の撤去費用の相場は400円~500円程度です。

その他外壁タイルのメンテナンスで必要な費用

外壁タイルの洗浄やコーキング補修のほかに、表面を塗装したい場合は塗装費用が必要です。塗装費用の相場は1平方メートルあたり約2,000円~2,500円程度になります。

高圧洗浄とコーキング補修のメンテナンス、その後の塗装も含めた費用の総額はおよそ42万円~80万円程度になります。

もちろん、補修範囲が広ければ広いほど費用がかかりますので、ご自宅の範囲から大体の料金を算出してみましょう。

外壁タイルのメンテナンスを自分で行う場合

外壁タイルのメンテナンスは、表面の汚れを洗浄するだけであれば自分で行うこともできます。

土埃や排ガス汚れであれば水を掛けて柔らかいブラシで擦るだけで十分洗浄することができますが、コケや藻、重度の汚れについては高圧洗浄機や外壁用洗剤などを準備する必要があります。

高圧洗浄は汚れに高圧洗浄機の水を吹き付けてしばらく置き、ブラシなどで擦ってから汚れを洗い流すだけなので、複雑な作業は必要ありません。

高圧洗浄機は製品によって稼働時間や洗浄力が異なります。当然、洗浄力が強く長時間稼働する洗浄機は購入価格が高めです。

また、高圧洗浄機での洗浄は素人であっても表面をきれいにすることは可能ですが、足場の悪い場所や頑固な汚れがある場合などはプロに頼んだほうが長期的に効果が持続し、費用も抑えられる可能性があります。 外壁の洗浄は通常、数年に一度しか行いませんので、自分でできるか心配なのであればプロに頼んだほうが確実です。

外壁タイルのメンテナンス会社の選び方

これまで説明してきた外壁リフォームはあくまで一例であり、実際の費用や工事方法、工事期間はリフォーム会社によって大きく異なることがあります。

そこで重要なのが、複数のリフォーム会社に見積もりを依頼し、工事内容や費用について比較検討するということです。

外壁タイルのメンテナンスはリフォーム会社によって得意・不得意があり、「リフォーム会社ならどこも同じだろう」と判断を早まっては、大きく損をしてしまうこともあります。

業者選びは事前に準備をし、お得にメンテナンスを行いましょう。