簡易住宅や事務所として人気のあるプレハブ。建築方法がシンプルなため、低コストで建てられることが魅力ですが、気になるのが雨漏りです。
プレハブは構造上の問題で雨漏りに弱いという弱点があります。もし、プレハブで雨漏りが起きた場合、どのように対処すればいいのでしょうか。
本記事ではプレハブが雨漏りする原因や修理方法について解説していきます。
プレハブが雨漏りによって起こる被害
本項目ではプレハブが雨漏りすることで、どのような被害が起きるか解説します。
プレハブ内の備品が破損
プレハブの雨漏りで多い被害が、室内の備品が破損することです。プレハブはシンプルな構造になっているため、漏れた水がダイレクトに室内に落ちるケースが多々あります。
気がついたときには室内の備品が水に濡れて、場合によっては故障することでしょう。とくにプレハブを事務所として使っている人はPCや書類など、仕事上で重要なものが破損する可能性があります。
プレハブの雨漏りは早急に対応するべきトラブルです。
電気設備がある場合は漏電の可能性
プレハブが雨漏りすると備品の破損に伴って漏電の危険性が高まります。プレハブの下に業務用の機械など、高電圧の電化製品を置いてある場合は注意が必要です。
漏電していることに気がつかずに触れてしまうと、感電する危険性もあります。雨漏りは重大な事故につながる可能性があるので、絶対に放置しないようにしましょう。
湿気によってカビが発生
プレハブに雨漏りが生じていると湿気によってカビが発生しやすくなります。プレハブは通気性が悪い構造になっているケースがよくあり、もともとカビが生じやすい環境です。
カビが発生すると壁紙などのシミの原因となり、雨漏り修理だけではなく、内装を修繕する必要も出てきます。
雨漏りが生じたら、修理が完了するまでの間、なるべく除湿などでカビ対策を行ってください。
プレハブ自体が腐食してしまう
雨漏りはプレハブ自体が腐食する原因にもなります。プレハブはトタンや鉄筋など、サビやすい材質の建材を多く使っているため、湿気が多い環境は大敵です。
腐食の範囲が広くなると、プレハブごと建て替えが必要になるケースもあります。プレハブの雨漏りは放置せず、初期段階で修理することが重要です。
プレハブが雨漏りする原因
本項目ではプレハブで雨漏りが生じる原因を解説します。
ボルト穴から水が漏れている
プレハブの雨漏りの原因として考えられるのがボルト穴の隙間です。
プレハブの屋根に使われる板はボルトやビスで固定する方法が一般的。ただし、ボルトの経年劣化や寒暖差によって歪みが生じ、ボルト穴に隙間ができることがあります。
広がったボルト穴の隙間に雨水などが侵入し、室内に伝わってくるのです。ボルト穴からの水漏れは目では見えづらいこともあるので、雨漏りが生じている場合はどこから漏れているのかしっかりチェックしてください。
重ね部分や取り合いに隙間がある
プレハブの屋根の重ね部分や取り合いに隙間が生じていることが原因の場合もあります。
鋼板を重ねることによって形成された屋根はボルト穴と同じく、年数や寒暖差で変形しやすいのが特徴です。
変形具合によっては雨が降るだけで、かなりの量の水が室内へ漏れ出します。現時点では雨漏りが発生していなくても、老朽化が目立つプレハブは注意が必要です。
サビた部分が欠損している
プレハブの屋根事態に穴が開いていることもあります。プレハブの屋根は鋼材を使っている以上、どうしてもサビが生じやすいです。
サビついた箇所は脆くなり、少しの衝撃でも欠損してしまいます。そのため、放置すると穴が徐々に広がり、雨漏りの量が次第に多くなるでしょう。
屋根のサビは早急に対処し、定期的にメンテナンスをする必要があります。
設計上の問題
比較的に新しいプレハブで雨漏りが起こった場合は設計上の問題の可能性もあります。たとえば、屋根の勾配が緩く、水はけが悪いといった具合です。
本来は水が漏れ出さないほどの隙間であっても、水が溜まることによって次第に漏れ出すことがあります。
もし、とくに欠損が見られないのに雨漏りが生じる場合は施工業者に問い合わせてみてください。
プレハブは軽い雨漏りなら自力で修理可能
プレハブは軽い雨漏りなら自力で修理できます。本項目では具体的な雨漏りの修理方法を説明するので、参考にしてみてください。
ボルト穴の補修
緩んだボルト穴は市販のサビ止めとボルトキャップで補修が可能です。ボルトと穴周辺にサビ止めを塗ったあと、ボルトを密封するようにキャップを取り付けます。
雨漏りが生じているボルト穴だけではなく、周辺のボルト穴も同じように補修すると事前対策にもなるでしょう。
仮にボルト穴を補修しても雨漏りが改善しない場合は想定以上に劣化していることもあるので、業者に修理を依頼しましょう。
サビ穴を埋める
サビて欠損した箇所は市販の補修用テープで修理が可能です。ただし、穴が大きい、あるいは小さな穴がハチの巣のように細かく開いているときは補修用テープだけでは限界があります。
補修用テープの耐用年数も長いわけではないので、あくまで応急処置的な修理と考えてください。いずれは業者に依頼して鋼材ごと交換してもらったほうが確実といえるでしょう。
定期的に塗装をすれば雨漏り対策に
プレハブは定期的に塗料を塗ることでサビなどに強くなり、雨漏り対策になります。プレハブに使う塗料はいくつか種類がありますが、基本的に価格に比例して耐用年数が長いです。
住宅や事務所として使っている場合は奮発して高価な塗料を使うと費用対効果が増すでしょう。仮設住宅として一定期間しか利用しないのであれば、安価な塗料でも大丈夫です。
利用状況に応じて使い分けてみてください。
修理箇所が広範囲の場合は業者に依頼しよう
プレハブの雨漏りは修理箇所が広範囲に及ぶ場合、素直に業者に修理を依頼しましょう。修理箇所が多いと、自力で補修するには労力と時間がかかるためです。作業が長期化すると、雨天などでさらに修理箇所が増えることも考えられます。
また、修理箇所が多いということはプレハブ全体の劣化が激しい証拠です。遅かれ早かれ雨漏りを含め、何らかのトラブルが生じる可能性が高いので、プロにメンテナンスをしてもらったほうがいいでしょう。
プレハブの雨漏り修理の予算相場
プレハブの雨漏りの修理予算は軽微なものであれば、数万円で済むことが多いです。もちろん修理箇所の範囲や、補修内容によって増大します。
しかし、プレハブ自体が比較的に安価な建築物なので、一般住宅の修理よりも低予算になるでしょう。
場合によっては雨漏りの修理よりも、備品の買い替えなどのほうが高くなることがあります。そのため、無駄な出費をかけないためには早急に雨漏りを修理するのが近道です。
雨漏りを含め、プレハブに異変を感じたときは早めに業者に調査を依頼してください。
プレハブの雨漏りは定期的なメンテナンスが重要
プレハブの雨漏りの原因や修理方法を解説しました。プレハブは素材や構造の問題で、雨漏りのリスクが高い建物です。
一度、雨漏りが生じると、雪崩式に複数の箇所から雨漏りが発生することもあります。未然に雨漏りを防ぐには定期的にメンテナンスを行い、劣化具合を確認することが大事です。
もし、プレハブで雨漏りが生じたら、早めに修理を行い、被害を最小限に食い止めましょう。